タロットのリーディングで、キーワードは覚えない方が良い? | タロット占い師 Ryusei

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私がタロットの師匠から最初に頂いたアドバイスは、『キーワードを覚えるな』でした。

本に書いてある、断片的なキーワードに頼ってリーディングをしようとすると、相談者様の質問の回答の為に、自分で想像できる範囲だけでストーリーを組み立てる為に、つじつまの合うキーワードを組み合わせようとして、当てはまるキーワードをいろいろな解説本から探し出す、『キーワードコレクター』になってしまうのだそうです。 その結果、正しいリーディングが出来なくなってしまうと教えられました。

これはどういう意味か言いますと、
例としてソードの3と9を比較してみましょう。

この2つのカードのキーワードだけをみると、一般的なタロットの解説本をみるとおおむねつぎのような感じですね。
ソード3 : 災難、苦悩、破局、崩壊、悲観、絶望、幻滅
ソード9 : 失敗、挫折、災難、欺瞞、失望、絶望、破綻
どうでしょうか? だいたい同じような内容ですよね。
この2つのカードは、本来全く異なる意味を持ってますが、単純にキーワードだけで見てしまうと、ほとんど同じに見えてしまいます。
趣味でタロット遊びをするレベルであれば、これでも良いのでしょうが、他人を占って、その人の助けになりたいのであれば、正しくカードの意味を理解しなければなりません。
そこで、重要になるのは、それぞれのカードの世界観を理解する事です。 カードに書かれている寓意を細かく知る事で、そのカードの世界観がわかってくるのだと教わりました。

*ソードの3と9それぞれの意味
<ソードの3>
- 暗く、嵐のような背景の中に、3本の剣が心臓を貫いているという、非常に痛々しい光景が描かれています。 このカードの世界観は、外部からの感情的な苦痛、心の痛み、そして悲しみを与えられている事です。 嵐の背景は、感情の激しさと混乱を、そして心臓を貫く剣は、その痛みが深く、直接的であることを示唆しています。
- カードの寓意
心臓は、感情、愛、そして心の中心を象徴します。剣で貫かれた心臓は、感情的な傷、失恋、そして心の痛みを表します。
剣は、思考、言葉、そして行動を象徴します。3本の剣は、心の痛みが、思考、言葉、または行動によって引き起こされたことを示唆します。
3という数字は不安定を意味し、精神的な不安定も表します。嵐は、感情の激しさ、混乱、そして苦難を象徴します。
嵐の背景は、心の痛みが、感情的な混乱や苦難の中で起こっていることを示唆します。
灰色の空は、悲しみ、憂鬱、そして絶望を象徴します。雨は、涙、悲しみ、そして浄化を象徴します。

<ソードの9>
- 暗く、閉ざされた空間で、ベッドにうなだれる人物が描かれています。壁には9本の剣が掛けられ、人物の精神的な重圧を物語っています。このカードの世界観は、過去の自分の行いに起因する、孤独、不安、そして出口の見えない苦しみです。暗い背景は、精神的な閉塞感を、そして9本の剣は、その苦しみが深刻で、解決が難しいことを示しています。
- カードの寓意
うなだれる人物は、精神的な疲労、絶望、そして無力感を象徴します。 その姿は、不安や恐怖に押しつぶされそうな、精神的に追い詰められた状態を表しています。
剣は、思考、言葉、そして行動を象徴します。9本の剣は、精神的な苦痛が、思考や言葉によって引き起こされていることを示唆します。
9という数字は、完成と同時に不安定さを意味し、精神的な不安定も表します。
ベッドは、休息、睡眠、そして無意識を象徴します。 ベッドにうなだれる人物は、安らぎを得られず、精神的な苦痛に苛まれていることを示唆します。
暗い背景は、孤独、絶望、そして精神的な閉塞感を象徴します。精神的な苦痛が、外部からの影響ではなく、内面から生じていることを示唆します。


簡単に言ってしまうと、両方とも、"絶望""困難"とか"悲しみ"の状態ですが、その起因するところが、ソードの3が『外部から与えられたもの』、ソードの9は『過去の自分の行いによってもたらされたもの』と、大きく異なります。
この例で、カードの世界観を理解した上でリーディングする事がとても重要なのだとう事を、お分かりいただけると思います。