聖書には食物に関する律法が書かれています。レビ記11章と申命記14章の清い(食べられる)生き物と汚れた(食べられない)生き物がそれです。

 

しかしこの食物に関する法は、今日(ユダヤ教の信者以外では)ほとんど無視されています。

 

レビ記11章と申命記14章の食物に関する律法は、古代ユダヤの儀式的な律法で、現代の私たちには関係ないものなのでしょうか?

イエスはこの律法を守っていたのでしょうか?

 

この記事ではこれらの疑問について書いていきたいと思いますが、まず初めに私達が理解しなければならない事は、神が私たちにそうするよう言われる事は、全て私たちの益の為であるという事です。(申命記10:13)

 

「あなたがたのうちで、自分の子がパンを求めるのに、石を与える者があろうか。魚を求めるのに、へびを与える者があろうか。このように、あなたがたは悪い者であっても、自分の子供には、良い贈り物をすることを知っているとすれば、天にいますあなたがたの父はなおさら、求めてくる者に良いものを下さらないことがあろうか。」(マタイ7:9-11)

とあるように、神は私たちにとって良いものをお与えになられるという事を忘れてはいけません。神は、私たちの為に最善を尽くして下さいます。

 

肉体の父親が教えてくれたように、神は私たちの生活の様々な面を教育して下さいます。そしてその中には、私たちが食べて良いものと、食べてはいけないものが確かにあるのです。

 

さて、神が清い生き物と汚れた生き物を定義しているのは、レビ記11章と申命記14章ですが、レビ記11章は47節を割いて、食べて良い動物と食べてはいけない動物とを区別するための手助けをしています。申命記14章にも、さらなる指針が示されているのです。

 

しかし残念な事に、ほとんどの人(ユダヤ教の信者以外)は、これらを完全に無視しています。

 

ですが、もしこれらが現代の私たちとは無関係な古代の掟ではないとしたら・・・と、考えた事はないでしょうか?

イエスが2,000年前に地上を歩いた時、それらの肉を食べたのでしょうか?

 

それらの質問に答えるには、イエス・キリストが誰であったのかを思い出す必要があります。

イエス・キリストは地上に来られる前、父なる神と共に万物の創造主であり、旧約聖書の律法を与えられた方でした。(ヨハネ1:3、エペソ3:9、コロサイ1:16-18)

モーセに語りかけ、どの動物を食べて良いか、或いは食べてはいけないかを詳しく説明されました。(レビ記11:2)

 

また、動物の脂肪を避け、血を摂取しない(レビ記3:17)など、今日、健全な健康原則として受け入れられている食事法を与えられた方でもあります。

創造主であるイエス・キリストは、地球の生態系において異なる機能を果たす為に、全ての生物を創造されました。人間が食べる為に創られた動物もいれば、別の目的で創られた動物もいます。

 

例えば、アサリ、カキ、ロブスター、カニ、エビ等の甲殻類は不浄として分類されていますが、これらの生物は天然の水フィルターとして機能するように設計されており、水中のバクテリア、ウィルス、寄生虫を除去するために神によって創られたのです。

 

ドン・コルバート医学博士は、著書「キリストは何を食べていたのか?」の中で、このように言っています。

「貝類は水からコレラ菌などの病原バクテリアを除去する特性があります。これらのバクテリアは、未処理下水についてまわることが多いのです。ハマグリとカキは、日に約76~190Lもの海水を濾過して吐き出しますが、バクテリアは貝の身には残るのです。」(P.64)

 

又、同書内で博士は、汚れた肉として分類されている豚肉を避けるべき理由をいくつも挙げている。

「豚はものすごい量の餌を食べるので、胃袋で胃液を薄めてしまいます。その結果、毒素、ウィルス、バクテリアが肉に吸収されてしまうのです。豚は生ごみ、糞尿、腐った肉さえ食べてしまい、そのことからサナダムシ、トリキネラなどの寄生虫をかかえ込んでしまうのです。」(P.71)

神がこれらの生物を不浄として食用に適さないと分類した理由は、おそらくこのような事が理由でもあります。

 

さて、キリストは豚肉などの不浄とされている肉を食べたのでしょうか?

いいえ、食べていませんでした。聖書を見れば答えが分かります。

イエス様がそれらの汚れた肉を食べていなかったと言える理由を3つ挙げます。

 

 

 理由1.キリストは、律法を決して破りませんでした。

 

汚れたものと清いもののリストをよく見れば、これが律法であることが分かります。

「これは獣と鳥と、水の中に動くすべての生き物と、地に這うすべてのものに関するおきてであって」(レビ記11:46)

又、豚を食べる事について旧約聖書では、このようにはっきりと書かれています。

「「みずからを聖別し、みずからを清めて園に行き、その中にあるものに従い、豚の肉、憎むべき物およびねずみを食う者はみな共に絶えうせる」と主は言われる。」(イザヤ66:17)

 

そして聖書は、キリストが決して罪を犯さなかった事をはっきりと示しています。

(1ペテロ2:22、2コリント5:21、ヨハネ8:29)

 

 

 理由2.キリストは汚れた肉を食べたという理由で非難された事はありませんでした。

 

パリサイ人達は、イエスが何か罪を犯していないか、イエスを非常に注意深く見張っていました。

 

福音書には、彼らの数々の非難が記録されています。

(マタイ12:10、ヨハネ10:33、ルカ23:2)

 

もちろんそれらの告発は無茶苦茶で、簡単に偽りだと証明されました。

さて、そこで考えてみて下さい。

イエス様が豚肉やその他の汚れた動物の肉を食べていたらどうなっていたか、という事です。

パリサイ人達はそれを発見し、言いふらした事でしょう。そしてそのような告発は、確実にイエス様の信用を失墜させたでしょう。

しかし彼らはそのような告発はしませんでした。

なぜなら、イエス様は汚れた肉は一切食べなかったからです。

 

 

 理由3.イエスは豚を食物として扱わなかった

 

マルコ5章には悪霊に取りつかれた男とイエス様が出会った事が書かれています(マルコ5:2-5)が、悪霊は近くにいた豚の大群の中に送られる事を要求し(11-12節)、それをイエス様が許可したのです。

 

「イエスがお許しになったので、けがれた霊どもは出て行って、豚の中へはいり込んだ。すると、その群れは二千匹ばかりであったが、がけから海へなだれを打って駆け下り、海の中でおぼれ死んでしまった。」(マルコ5:13)

 

もしキリストが、豚は人が食べるのに適した動物だとして考えていたなら、悪霊が2,000匹もの豚を滅ぼすことを許されたでしょうか?

それは、何百、何千人もの人々を養うのに十分な食料です。

キリストは、食物を無駄にしないよう気を配っていた事が、宣教活動の中で示されているわけですから(ヨハネ6:12)、キリストが豚を食用とは考えていなかった事は明らかです。

 

キリストは、豚肉や貝類、甲殻類等の不浄の食物は食べていませんでした。

キリストが肉を食べる時には、羊や山羊、牛肉、ひれとうろこのある魚といった清い生き物だけを食べていたのです。

 

もしあなたがクリスチャンで、キリストの例に倣おうとしているなら、キリストのような食事をするべきです。

清い動物と汚れた動物リスト

 

レビ記11:43-44では、私たちがこれらの律法に従う事で聖なる者とされ、逆に従わない事で汚される事を教えています。

「あなたがたはすべて這うものによって、あなたがたの身を忌むべきものとしてはならない。また、これをもって身を汚し、あるいはこれによって汚されてはならない。わたしはあなたがたの神、主であるから、あなたがたはおのれを聖別し、聖なる者とならなければならない。わたしは聖なる者である。地にはう這うものによって、あなたがたの身を汚してはならな

い。」(レビ記11:43-44​​​​​​)