相手の気持ちがゼロの状態から

自分を好きになってもらおうと努力したり

 

自分の存在を少しずつ少しずつ

時には大胆にアピールしたり

 

好き好きビームを送って

明らかな好意をぶつけたり

 

いつからそれが出来なくなったのか

しようと思わなくなったのか

 

最後に恋愛をしてから約12年

誰かを好きだと感じることはなかったし

恋愛がしたいと感じることもなかった

 

息子の親として生きていくことを決め

女になることをやめたときから

好きという感情はどこかに消えた

 

それでも愛のない関係をもったこともあったり

女性ホルモン活性化のためのささやかな抵抗もしたりした

 

いざ恋愛をしようとしたとき

そこにはもちろん相手が必要になって

条件やら環境やらすべてを度外視して

ただただ心惹かれる状態が続いて

彼の言葉や態度で動かされて

隠しきれない気持ちが溢れて

表情や言動へとあらわれる

そんな人と出会えば変わるんじゃないかと

漠然と思っていた

 

恋愛休止期間がどれだけあっても

自分の心次第でいつでも始められると思っていた

 

これほどまでに難しいとは思いもしなかった

 

この歳で恥をかきたくないとか

惨めな気持ちになりたくないとか

傷付きたくないとか

辛い思いはしたくないとか

 

全部自分

 

守備ばかりが強固になって

攻撃に手がまわらなくなった

 

だからこそ望んでしまう

 

相手の目線や指先や足先がどちらに向いて

その先に何を見ているのか

 

その視線の先にわたしがいるのか