さて、前回の防音室作るぜ!という記事から1か月半たちました。
結局どうなったのかと言うと完成しました!
名付けて
「駄犬ブース1号」(会社の所有物)
です。
この類のものは先駆者の方々が詳細な制作過程を色々なところにアップしてらっしゃるので
自分のは不要かな?と思いつつ、せっかく作ったので記録に残しておきます。
1.設計図
なにを成すにも設計が先ず肝心です。
設計図なんて中学の頃の技術家庭以外で書いた事なかったので・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/f8/a2/j/o2048115215082700036.jpg?caw=800)
はい!これです!
これで自分という人間がいかに適当な人間かお分かりいただけるかと存じます。
「四方をOSBボードに遮音材と吸音材を貼って囲む」
それだけを頼りにあとは脳内設計です。
まーなんとかなるっしょ。
2.材料調達
地元のホームセンターではご時世柄木材の在庫の変動が激しく、
実際に作り始めてから資材が入手できないというのも困る為、
少々コストが嵩むのを覚悟ですべて通販で入手する作戦に。
楽天の「DIY木材センター」さんがとても親身でした!
・作ろうとしているもの
・必要な木材のパーツ類
・完成の外寸
を明記してメールで問い合わせると、
どの商品をどの数量買ってください。その中でカットして発送致します。
といった旨のご返信を頂けたので迷うことなく即購入出来ました!
本当にありがとうございました。
DIY木材センターさんで購入した資材は以下の通り。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/33/40/j/o0769066615082704590.jpg?caw=800)
当初、外面となるOSBボードが3*6判のボードを想定していたため、
それにプラス1センチの余裕を持たせる1830*920という設計図でありましたが、
問い合わせたところ「表記通り1800*900」とのことで、完成外寸も
1810*910にしました。
骨組みとなる杉の角材も向きで太さが変わるのがなんかしっくりこなかったので45㎜四方の杉の角材を選定。
即ち何かを打ち付けるのりしろ的な部分が45㎜ずつ確保できて、
シビアに設計できない、恐らく施工も出来ない自分にとってはそのぐらのマージンがあったほうが安心という目論見もありました。
その間Amazonで必要な建築金物などを物色しつつ到着を楽しみに待ちます。
3.いざ施行!
さて楽しみに待つこと約5日。
九州は福岡県から木材が無事到着しました。
到着しました!
が・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/29/56/j/o2268403215082699394.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/6e/94/j/o2268403215082699400.jpg?caw=800)
やべえよ。でけえよ。
西濃運輸さん本当にありがとうございました。
梱包も丁寧で、とりあえず玄関前で梱包を解いて設置する仕事部屋へ・・・。
まずは、設置する下に床を傷つけないようにチェアマットをひきます。
戸建てですが賃貸ですので。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/3b/83/j/o1536273015082709901.jpg?caw=800)
さすが一枚約14㎏のOSBボード(12㎜厚)。
玄関から2Fの自室で運ぶだけで1枚おきに15分以上の休息を要するという曲者でした。
無事搬入も終わり、OSBボードに元から部屋にタッカーで貼ってあった「遮音シート」を引っぺがし
再利用ということでタッカーで貼っていきます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/42/1d/j/o1096061315082711569.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/bd/1b/j/o4032226815082699448.jpg?caw=800)
因みに壁に貼ってあったのをはがすと、白い壁が出てきて部屋が明るくなりました!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/72/7d/j/o4032226815082699497.jpg?caw=800)
結局こうなりますけどね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/48/14/j/o0682038415082726399.jpg?caw=800)
そして骨組みとなる45㎜四方の杉の角材を組み立て、2面ほど取り付け可能になったところで
遮音シートを貼ったOSBボードを骨組みにコーススレッドで打ち込んでいきます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/72/47/j/o1086193015082714709.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/93/cb/j/o2268403215082699494.jpg?caw=800)
何故骨組みを作り切ってからではないかというと、
「多分、この時点で設置場所にキメ打ちして後の作業した方が楽なんじゃね?
多分これ面付けて動かすとめっちゃ重い。うん。持たなくてもわかる。」
という理由です。
部屋を綺麗に作業部分も含めてスペース作れれば良かったし、そうすべきなんですが、
何せ設計図を見て頂いた通りかなり適当な人間なので。
側面3面と天井にこれまた既に以下にあるように所有していた吸音材を貼りつけています。
既に浮き始めていますが、とりあえず作業進めます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/e9/6f/j/o2268403215082699547.jpg?caw=800)
コンセントは下部に電動ドリルで気合でコンセントの頭が入る程度の穴をあけて通してます。
そしてドア部分ここはさすがの適当な人間である自分も下穴を開けて作業しました。
(ってことはつまりここまで下穴作業なし。)
角材のジョイントも壁面の組み込みも強引に電動ドリルで一撃作業でした。
ドアに関しては下が床にくっついちゃっていると開け閉めの際に引きずってしまうのである程度の高さを持たせます。
持たせたいんですけど14Kgの重さを腕で抱えながらビス止めは無理です。
ということで登場したのが・・・
廃棄予定のハードディスク。これに厚紙を噛ませたりで作業時の程よい高さを稼ぎます。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/bf/8d/j/o0860066015082719294.jpg?caw=800)
で、ここで一つ問題が。
360度回転する抜き差し型の蝶番を用意していたのですが、肝心のドア部分の厚さが12㎜ということで
10㎜のねじを準備していたところ、予想通りと言いますか、当然ながら強度が足りな過ぎてドアがもげるという事態に。
であればドアを貫通させてボルトナットで締めちまえば良いのかな?と思いつつホムセンへ。
ホムセンに行って15㎜のボルトナットを購入してきましたが、金属部分の厚みを考慮するとドアから出てこない感じで
そこで心が折れてAmazonで25㎜を発注することにw
そして・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/ff/36/j/o4032226815082699601.jpg?caw=800)
その作戦が功を奏し、無事そこそこ頑丈に蝶番がつきました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/17/cd/j/o2268403215082699802.jpg?caw=800)
動画はこちら
https://twitter.com/mitsu_insf/status/1498885906186797056
同時に一応ドア部の接面に隙間テープが当たるようにしてなるべく密閉するようにします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/e8/33/j/o1536273015082723936.jpg?caw=800)
このようなドア板の若干のたわみによって出来る隙間とかも潰します。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/18/mitsu-insf/cd/64/j/o4032226815082699729.jpg?caw=800)
当初は一般家庭にあるローラーキャッチで使用時のドアを固定するつもりでしたが、
強度がお話になりませんwww
ということでまた再びホムセンに出向き「大き目のかんぬき」を購入、取り付けします。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/6a/de/j/o1086193015082726951.jpg?caw=800)
この穴は、もう体力も気力も限界に近付いている自分。
ホムセンで「かくかくしかじかこのかんぬき使いたい柱に直接穴あけたいんだけど何が楽っすか?」
で電動ドリルで12.5φの穴を開ける刃先を選んでもらい開けました。
この時、全然刃が入っていかずに
「そうだよなぁ、そんなうまい話ないよなぁ」なんて思いながらも、それにしても全然刃が入らない。
よく見たら・・・
ドリルの回転向きスイッチが逆回転に・・・そりゃ入らないよ。
自分自身、もう疲れてるんだなって思いました。
んで正方向にしたとたん、PUBGのベリル並みのリコイル振動的なものが・・・
更に若干広めに開けつつ無事取り付け。
結果満足!なんか音楽スタジオにある上げ下げするドアノブあるじゃないですか。
締まる時、ドアが吸着するあの感じ。
あれに近いものが出来ました!やっほい!
一番難関だったドアの取り付けも無事完了し、完成です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220303/19/mitsu-insf/d0/80/j/o1152204815082730160.jpg?caw=800)
ブース外のメインマシンのStudio Oneを
中に持ち込んだノートPCのStudio One Remoteで操作する事を想定しており
開けた穴はXLRケーブル、イヤホン延長ケーブル、電源タップ用のみです。
換気に関しては、この中で作業せず、最長でも10分程度の歌だけに特化しているためハナから考慮しておりません。
この中で作業をしたりするのを想定されている場合は必ず換気を考慮して頂きたいと思います。
4.防音性能
気になる防音性能ですが、こんな感じ。
https://twitter.com/mitsu_insf/status/1499258889560539136
正直、数値なんてどうでもよくて「外に漏れるか漏れないか」その一点なんですよね。
幸い家内が在宅でしたので実験として玄関の外→自室の真下で待機しててもらいテスト。
ブースに入らず6割の発声→「むっちゃ聞こえるねえ」
ブースに入って8割からの一瞬全開発声→「全然聞こえないねえ」
との事で無事それなりに優秀なボーカルブースの完成となりました。
まぁ夜歌う事も無いし、ブース内でそこそこの声出してて漏れないならそれなりに安心して余計な心配をせずに歌えそうです。
実験の途中ブースのドアを閉める際慌てすぎて力が入りすぎてしまい、内側に取りつけた取っ手がもげましたが
かんぬきがあれば全然中から開け閉めできるので良しとします。
5.掛った費用
そして気になる予算ですが・・・すでに所有していたものもあったりですが、純粋にミスなく新しく購入した場合を想定します。
電動ドリルに関しては所有済みとし、12φの穴開け刃先のみ計上します。
チェアマット:2880円
木材:(楽天のDIY木材センターさんにて)
12ミリ OSBボード12x900x1800厚みx幅x長さ(ミリ) 価格 2,680(円)× 4(個)= 10,720(円)税込 送料別 税率10%
12ミリOSBボード12x900x900厚みx奥行x幅(ミリ)価格 1,580(円)× 1(個)= 1,580(円)税込 送料別 税率10%
杉乾燥角材 木材 (束売り)4本セット約 45x45x2000(4p)厚みx幅x長さ(ミリ)価格 3,120(円)× 2(個)= 6,240(円)税込 送料別 税率10%
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送料計(税込) 5,610(円)
お支払い金額 24,150(円)
金具類その他:
L字金具8個セット×2:1499円
コーススレッド3.3*40㎜180本入り:448円
フラグヒンジ(蝶番)2個セット:1499円
かんぬき:380円
12φドリルピット:899円
隙間テープ:VALOMOST スキマ封神 (幅12mm x 厚さ3mm x 長さ5m, ブラック)1,390円
吸音材両面テープ:日東 ウレタンフォーム貼り合せ用両面テープNO.501L 20mmX50m 1027円
遮音シート:
大建工業(長さ1000㎝高さ0.12㎝幅94㎝):3250円
吸音材:(サウンドハウスさんにて数年前に購入)
ULTIMATE ( アルティメイト ) / UA-KIT-SBI #17800 吸音材 18枚 30cm 正方形、12,800円×2箱=25,600円
ここまでで・・・
合計63,022円です。
私の場合、木材を通販しました関係でその送料分がありますので自力で車でホムセンで調達できる方は
6万円を切る金額になるのではないでしょうか?
その他必要部品として
LEDライト:2099円
電源タップ:2399円
卓上マイクスタンド:2980円
等も必要を感じ購入したものであります。
6.最後に
これはしつこく付け加えておかなかれればいけないことですが、このブース。
換気がありません。
理由としては上にも書いた通り「歌に特化」しているため、この中での作業は想定しておりません。
(作業はブース外のメインマシンのDAWです)
パーッと歌って速攻出ていくみたいな感じになってますので・・・。
この中で作曲活動やミックス作業を想定した場合、換気も考慮すべきということを付け加えておきます。
また、これは昔からある事なのですが
「防音」という言葉に対して施行のプロと私のような素人の間に何か若干ある気がしてます。
もちろんプロとして施工されている方にとっては一口で「防音」といっても
・歌を小さくしたいのか
・ピアノを小さくしたいのか
・トランペットのような管楽器を小さくしたいのか
・チェロやバイオリンなどの弦楽器を小さくしたいのか
・大型スピーカーでシアター的な爆音出しつつ防音したいのか
そのあたりでも大分想定すべき事が変わってくると思うのです。
私の場合
「家の中で歌って、それが家の中に漏れていても外に出来るだけ漏らしたくない」
というコンセプトで行っておりますので、まぁこんなもんかなといった感じです。
プロの施行をしている方に相談される場合も、より具体的に
・何の音をどれだけ消したいのか?(漏れてていいOKライン)等
を明確にしたうえでご相談に乗って頂くのが一番かと思われます。
ただ単に「防音」といっても上記のように様々なケースが考えられますからね。
それに加えて私のような素人が軽い気持ちで発する「防音」という言葉に対してプロの方も多少構えてしまう
傾向があるのかなと思ったりもしています。
それはそうですよ。
それで生計を立ててらっしゃる以上、その「防音」に対する蓄積された知識とそれを実現するための技術など
一朝一夕ではそのノウハウは確立できるものではない大変なものだと思っています。
そこにプライドもあるでしょうし、それは大変ご立派で尊敬に値するプライドだと思います。
なので自分は「防音」ではなく「減音」という言葉が妥当なのかなと思ったりしている、完成後の今日この頃です。
ただ皆さん「防音」という言葉からスタートして検索したりしますからね。まぁこのアイデアは広まらない事でしょうw
この手のモノは何が一番肝心かというと、苦情が来ない限りは歌いたい人が
「音漏れ気にせず思い切り歌って良いんだ」
という精神的不安を取り除くためのモノであると思いますので、
各々のアイデアで各々が作成されたもので楽しんで歌えているのなら素材や施工過程などに無粋なツッコミをいれるのはどうかなとも思っています。
「作るぜ」から今日の完成まで見守って頂いてた方々には心より感謝申し上げます。
今回のブースは私の会社の事業の一環として「歌の宅録」という部分にスポットを当てて設備投資として設置したものではありますが、
バンドのレコーディングを始めとして、たまには「歌ってみた」的なのもネットにアップしたりして
この「駄犬ブース1号」を今後活用していけたらなと思っております。
長文のご拝読誠にありがとうございました。
今後、必要が生じた場合加筆等をさせていただく事もあるかと存じますが、
どこか一か所でも貴方様のお役に立てる部分がある事を願っております。
くぅ~これにて終r