ジン・ビターズ | 春永昼猫のブログ、小説

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番外編⑰ジン・ビターズ 


お日様の光が恋しくなる仲冬下旬、場末のBAR M&Nでは…。
みつの身体にまた異変が起こった。 


「ゴホゴホ…喉が痛いし、熱もある…。」
熱を測るとなんと39.7℃ 


『まさかコロナかインフルエンザ!?』と驚いたみつは、音ちゃんに頼み、薬局からコロナの抗原検査キットを買ってもらった。


 検査をすると…、陽性(+)だった。
みつは、感染予防のため、すぐさま今日からのお店の営業をしばらくお休みにし、ねねを音ちゃんに預けた。 


「みつぅ…心配にゃんよ…。」ねねの言葉に、
「大丈夫…きっとすぐに良くなるさ。」と音ちゃん。


 みつは、マスクをして、居住スペースに缶詰め状態になり、ご飯は音ちゃんとテンマが交換で三毛猫チャミの飼い主、ミフネとモエの弁当屋さん、ほっかにゃん弁当の弁当を持って来てくれた。
弁当は、音ちゃんとテンマが戸口に置いたものをみつが後で取りに行き、食べ終わった容器は、みつがビニール袋に入れ、戸口に出したものを音ちゃんとテンマが廃棄した。


 熱と、咳と、たんと、のどの痛みに苦しんだみつ。
何とか解熱鎮痛剤を飲んで、熱とのどの痛みはひいたけれども、薬が効いている間だけで、熱ものどの痛みもまた続いた。
それを四日間は続いた。 


フラフラだった身体も、一週間すれば体力がついてきて、ご飯も美味しく食べられた。
体力がついてきたところで、やっとシャワーが出来た。
でも、油断はできないともう一週間缶詰め生活はした。


 BAR M&Nの皆とのやりとりは、NYAINEで行い、みつの洗濯物は、音ちゃんが自分の物とは別に洗濯をしてくれた。


 みつがコロナだということは、ひだまり商店街の噂でもちきりになり、八百猫の三毛猫のみーちゃん(♀)の飼い主、ケイさんが音ちゃんに、
「みっちゃん、りんご好きだったじゃないか、持って行っておやり」と
三つのりんごをお見舞いに渡してくれた。 


リサイクルショップサンドストリートの黒猫ノワール(♀)の飼い主ルリも、
「みつさんに滋養のあるものをと思って、ゆで卵を作りました。」と、ルリもテンマにゆで卵を五個渡した。


 スーパー銭湯猫の湯の猫大将トラ猫トラ(♂)の飼い主源さんも、
「何だ、みっちゃんコロナにかかったのか!?治ったらタダで風呂に入りに来ていいからな!!」ときっぷのいい声掛け。 


ヤドバシフイルムのサバトラ猫さっしー(♀)の飼い主カツは、
「体が冷えるといけないから、電子レンジでチン出来る湯たんぽを持っていきな。」とねねに渡し、 


野良の茶トラ、若大将のチャーは、
「猫友達からもらった箱マスク持ってってやってください…。」と、音ちゃんに差し出した。


 みんなの思いやりで力を付けたみつは、思ったよりも早く回復していった。 


そして…症状もすっかり良くなって、お店の消毒をしてBAR M&N再開。
今日は商店街の皆を呼んでみつの快気祝いパーティー。 


猫たちにはマタタビ酒を振る舞い…。 

子猫のチャミには仔猫用ミルク、

 人間の子供のモエには、ミルクセーキ
人間の大人用には… 


材料…ドライジン…60㎖ 

アンゴスチュラビターズ…2~3dashes 


作り方…アンゴスチュラビターズをオールドファッションド・グラスに振り入れ、グラスを回して内側にリンスして、余分なビターズは捨てる。 

グラスに氷を入れてジンを注ぎ、軽くステアする。 


ジンアンドビターズ(ジン・ビターズ)の出来上がり。


 ジンアンドビターズ(ジン・ビターズ)のカクテル言葉は、
自戒(自分の態度や行動を慎むこと) 


「私のために色々助けて下さった皆さん!さぁ楽しんでください!!」
みつの声掛けで盛大なパーティーが始まった!! 


「みつぅ~寂しかったよぉ」とねねが言うと、
「また一緒に仲良く暮らそうね!」とみつ。 


「みつ、一緒に筋トレするか!?」の音ちゃんの声掛けに、 

「お散歩でもいいかな~?」とみつ。 


「免疫力つけるには、日光浴がいいぜ!!」とトラさん 

「公園でのんびり日向ぼっこもいいねぇ~」とみつ 


他の商店街の皆さんたちも思い思いに交流を深め、楽しいパーティーは過ぎて行ったのでした。


 BAR M&Nを読んでくださっている皆さん、いつも応援ありがとうございます。
まだまだコロナは収まらないですが、予防と、早期発見早期治療に努めましょうね!!