番外編⑯音ちゃんの恋愛事情(?) | 春永昼猫のブログ、小説

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番外編⑯音ちゃんの恋愛事情(?)
今日は、春先のポカポカ陽気で、音ちゃんのBAR M&Nの休日。
音ちゃんはいつもよりゆっくり起きて、ネグリジェ姿からジャージになり、美味しそうにこんがり焼けたトーストに、マーガリンと苺ジャムを塗り、アッサムの茶葉のミルクティーを淹れて朝食にしました。
「さっ!!今日もやるか!!」
と気合を入れて、音ちゃんは指のストレッチから始まり、腹筋、背筋、鉄アレイで腕の筋トレとヴォイストレーニングをしました。
その後音ちゃんは歯磨きと洗顔をし、肌を整えてからいつもとは違った感じのナチュラルメイク、リボンカフスのブラウス、ドローストリングベスト、サーキュラースカート、クロスストラップパンプスに、アンブレラと、清楚系のスタイルで隣町のみのり市までやってきました。
音ちゃんが公園にやってくると、遊具で遊ぶ子供達や、スケボーやバスケの3on3を楽しむ若者たち、グランドゴルフを楽しむ高齢者たちでにぎわっていました。
方や、公園の隅っこでは、紫色の小さなテントで『タロット占いします』と看板が立っていました。
『う~ん、ガラでもないけど…恋愛占ってもらおうかな?』心の中でもじもじしながらテントに近づく音ちゃん。
思い切ってテントの中に入ってみると、神秘的なフェロニールを額につけて、ジプシーの恰好をした美しい女性の占い師さんが静かにたたずんでいました。
「こんにちは、今日は何を占いますか?」と女性が尋ねると、音ちゃんはもじもじしながら、
「恋愛で…。」と答えました。
占い師さんは、紫の布が敷いてある小さな机にタロットカードを半円状に並べると、
「この中で気になるカードとシンボルを教えて下さい。」と言いました。
音ちゃんは目をつぶり、『これだ』とカードを引くと、0番愚者のカードを引きました。
そして、一番目を引いたのは、白い犬でした。
女性は物静かに言いました。
「動物を介した出会いがありますね…。」と。
音ちゃんは期待に胸を膨らませ、ルンルン気分で公園の遊歩道を歩いてました。すると…、背後から
「はぁ~い、彼女ぉ、一人ぃ?」と、振り向くと茶色いトイプードルを連れたマッチョなイケメンが音ちゃんに声掛けしてきました。
しかし、いつものクセで音ちゃんが
「あぁん?」とにらみをきかせると、男性は、「す…すいませんでしたぁ~!!」と逃げてしまいました。
『あれ?おかしいなぁ?愛想よく振り向いたつもりなのになぁ?…。それにしても、今の人、好みのタイプだったなぁ…。アタイより強そうに見えたのに…』
気を取り直して音ちゃんが散歩をしていると、また、
「彼女ぉ~ヒマ~?デートしな~い?」と男の声。
また音ちゃんが振り向くと、そこにはなんとテンマがいました。
「な!?何だよ!!テンマ!!どうしてここに!?」
パニックる音ちゃんにテンマは、
「あれっ?な~んだ、よく見たら、音ちゃんか、でも、いつもは美人なんだけど、今日はいつもと違ってナチュラルでかわいいね❤」
「なっ…!!何のことだかさっぱり!!」驚いて言葉にならない音ちゃん
「それより、BAR M&Nに一緒に行こうよ!みっちゃんとねねにも可愛いとこを見せようよ!!」
テンマの急な誘いに音ちゃんはタジタジになり…。
「えっ!そ…それは…はず…!!」
「恥ずかしくないから大丈夫!!ねっ、ねっ、お・ね・が・い❤」
グイグイ来るテンマの勢いに負けた音ちゃんは、
「し…仕方ないなぁ…今日だけだぞ!」
BAR M&Nまでの道のりを仲良く歩いて行くテンマと音ちゃんでした。
チリンチリン♪