夜9時。
シャワーを浴びていたら、突然ジリリリリリ!!!!!と、けたたましい音が聞えてきた。
ご存知の方も多いと思いますが、我が家は防音。
それなのに、室内まで聞えてくるというのは、かなりの大音量のはず。
なんだなんだと、マンションの外に出てみると、さらに爆音でジリリリリリリリリリリリ!!!!!!
なんと、我が家のマンションの火災報知機が、すべての階で鳴っていたのである。
全部で10個以上の火災報知機。
もちろん、住民は「なんだなんだ!」と大騒ぎ。
隣のマンションも「なんだんだ!」と大騒ぎ。
しばらくすると、消防車が5台、ワオンワオンとやってきて、これまた大騒ぎ。
とりあえず、一度部屋に戻りコートを着て、マンションの玄関口へ。
消防隊員の支持で、全員マンションから外にでるようにと。
しかし、煙や焼けた匂いはしない。
火災報知機は、大爆音でジリリリリリリリリリリリ!!!!!!と鳴りっぱなし。
まったく止まる気配はない。
しかし、やはり火の手は見えない。
消防隊員に聞いても、とりあえず安全が確認できるまで外に出ていてください、と。
火災報知機は、大爆音でジリリリリリリリリリリリ!!!!!!と鳴りっぱなし。
だんだん耳が痛くなってきた。
この火災報知機の音、おそらく防音の壁などを突き抜けて、しかも人間に不愉快な周波数に設定してあるんだろうね。
こんな大音量で、火災報知機の大合唱を聴いたのは初めて。
避難訓練のレベルではない。
20分後、消防隊員が安全を確認したらしいが、大爆音は止まらない。
どうやら、すべての火災報知機をとめるシステムは管理人室にあるという。
しかし、我がマンションの管理人は、基本的に午前中しかいないのだ。
そして、誰も管理人室の鍵を持っていない・・・。
シャワーを浴びたばかりのボクは、寒くなってきた。
他の住民も寒くなってきて、怒りの矛先が管理人へ。
「あの管理人がいないからダメなのよ!」
「やはり、だれか鍵を預かるべきなのよ!」
おばちゃん達が興奮してきた。
人は、非常事態時でも、誰かのせいにしないと気がすまない生き物なのだろう。
火災報知機は、大爆音でジリリリリリリリリリリリ!!!!!!と鳴りっぱなし。
消防車のサイレンは、ワオンワオン鳴りっぱなし。
おばちゃんは、怒鳴りっぱなし。
いいかげん耳も痛くなってきたし、寒いし、おばちゃん達の相手も疲れてきた。
消防隊員に聞いたら、おそらく火災報知機の誤作動、マンションの安全は確認できたので部屋に戻っていいと。
部屋に戻って、ジリリリリリをバックミュージックに、トマトとチキンのパスタを作った。
パスタを食べ終わる頃、ようやく火災報知機は静けさを取り戻した。
かれこれ、一時間鳴り続けたことになる。
我がマンションの火災報知機にとって、一生に一度の晴れ舞台が誤作動だったのか。
こんな火災報知機の気持ちを考えると、少し切なくなる。
なんとも、不思議な夜だった。