散歩をしていたら、桜が咲いていた。
桜は、何がおきても毎年春になると咲くし、これから先の将来も咲き続けるのだろう。
そして、優しく、綺麗だ。
桜を見ていたら、昔、母親と蔵王山に登ったときに話した事を思い出した。
ある時期(だいぶ歳をとって)から、母は山を登るようになった。
なぜなのか理由はわからないが、
当時弟が病気で亡くなり、
その後母も病気になり、
片親で苦労ばかりして子供を3人育てたのに、彼女はなんでこんな辛い目に遭わなくてはならないだろう?
もし神様がいるのなら、いったい何を考えているのだろうか?
と思っていたので、ボクとしても母が何かに興味を持ち出したのは喜ばしかった。
蔵王の山頂に到着し、
おにぎりをほおばり、
手に届きそうな雲を眺め、
一息ついた後、なぜ山登りなのか尋ねてみた。
「山は何も言わないが、どんな事があろうとそこに立っている。雨や嵐の日があっても、太陽で照り付けられても、春夏秋冬どんなことがあっても弱音も文句も言わずに雄大にそびえ立っている。人は、頑張れって言い応援してくれるれど、そんなことを言われなくても精一杯頑張って生きているのだから、これ以上何を頑張れば良いのだろうか。しかし、山はすべてを受け入れ、何も言わず雄大に立ち続ける。だから、山が好きで、だから登る。」
母はこういう事をあまり言うタイプではないので最初ビックリしたが、非常に気持ちは分かる。
桜も山と同じく、何も言わずに、優しい桃色の花を毎年咲かす。
東北の被災地は、未だに先の見えない感じがする。
だから、今年の桜は満開になってほしい。