面白い記事を見つけたので貼り付けておきます。
以下全てコピペです
松坂もびっくり Aロッドの奇行とライバル関係
<ジェフ・ゴールドバーク>

松坂大輔投手にとって、メジャーリーグでは毎日が新しい発見の連続だ。
本拠地フェンウェイ・パークに宿敵ニューヨーク・ヤンキースを迎えているこの週末、ボストン中が夢中になって話していたのはアレックス・ロドリゲスに関するさまざまな噂だ。ひとつは、週の始めに新聞報道された、妻ではない女性との密会疑惑。もうひとつが、トロント・ブルージェイズ戦でプレー中に奇声を発して守る相手選手のエラーを誘ったというものだ。その行為に関しては全米のメディアから批判され、大物松坂さえも面食らっているほどだ。
松坂はAロッドの問題のプレーを金曜にレッドソックスのクラブハウスのテレビで初めて見ることとなった。松坂は文字通り空いた口がふさがらないといった表情で、意図を測りかねているようでもあり、あんな行為は日本では起こらないと付け加えた。
「ポップフライが上がって、ベンチの数人が『落とせ!』と叫ぶことはあっても、塁間の走者が守備についている選手に声をかけるなんて聞いたことない。経験したこともない」と、松坂は通訳を通じてコメントした。
そんな松坂に、元ヤンキースの救援投手で、かつてダイエーホークスでプレーしたグース・ゴセージ氏の反応が届いた。ゴセージは豪腕で鳴らした1970年代の守護神で、Aロッドの行為について地元紙に感想を寄せた。もしAロッドが、ゴセージの現役当時のチームに対してそんなことをしたら、との問いにゴセージ氏は「殺されるに足りる理由だと言っておこう。もし自分のチームメートにそんなことをされたら、そいつは二度と同じ事を起こさないはずだ。もし自分がその相手だとしたら、覚悟するだろうな」と言い放った。
松坂にそこまでの心の準備はできていないようだ。「走者が守備側の選手に叫ぶなんて聞いたこともないし、自分でどんな反応をするかなんて想像もつかない」と語っている。
1日の試合で、多くのレッドソックスファンがハロウィンの仮面をつけた金髪女性の仮装をして球場に現れたことにどう反応していいかわからなかったのも、松坂にとっては安全なことだったといえる。それは女性問題が騒がれたAロッドに対する、ボストンファンのあざけりの反応だった。
試合が終わるまでに、5選手がデッドボールを食らった。そのなかで最後の打者、ケビン・ヨーキリス三塁手は、9回に死球を浴びるとマウンドに向かって突進する姿勢を見せた。両軍ベンチを空っぽにしてのにらみ合いに発展した。
ほぼ100年に及ぶレッドソックス対ヤンキースのライバル関係は全てのアメリカのスポーツ史上で最も激烈なことで知られている。その間、勝敗はたいていヤンキースの一人勝ちに終始し、1920年にレッドソックスがベーブ・ルースをヤンキースに金で売ってからというもの、ヤンキースは26回に及ぶワールドシリーズ制覇に輝いていた。「バンビーノののろい」がそこから生まれ、レッドソックスは1918年から2004年まで、一度もワールドシリーズを制することができなかった。
それが変化したのが2004年シーズンだ。この年レッドソックスはア・リーグ優勝決定シリーズで0勝3敗から宿敵ヤンキースに4連勝した。3連敗からのシリーズ制覇は史上初めての快挙だ。松坂は当時、そのシリーズの何試合かを見ていたという。3月の春季キャンプ中に問いかけたところ、松坂は目の前のテーブルに右ひじをたたきつけた。
大金がかかる右ひじに故障のきっかけをつくってしまったのでは、と私がどきどきしていると、松坂はペドロ・マルティネス投手が当時ヤンキースのドン・ジマー・コーチをすくい投げしたところをまねたのだという。だがそれは2003年の第3戦でのことだ。
これで、松坂が両球団の憎みあいの歴史を心得ていないことが分かった。
松坂は私の家で育てられるべきだった。私の実家はコネティカット州で、ちょうどニューヨークとボストンの間だ。父はヤンキースファンで、ジョー・ディマジオやミッキー・マントルのプレーを見ている。私はといえばレッドソックスファンとして育ち、カール・ヤストレムスキーとジム・ライスを応援した。父とはよく言い合ったが、ヤンキース同様に、いつも勝つのは父だった。それも、2004年までだったが…。
1日時点でレッドソックスはヤンキースに12・5ゲーム差をつけている。他のチームなら、完全に安全圏の大差だ。しかしレッドソックスファンならだれでも1978年を覚えている。ヤンキースが7月時点でレッドソックスに14ゲーム差をつけられていた年だ。ヤンキースはそこから巻き返し、10月2日に行われたワンゲーム・プレーオフに勝ち、ア・リーグ東地区を制した。その試合でヤンキースに勝利を呼び込んだのが、レッドソックスファンの間では忌まわしい伝説となっている「バッキー・デントのホームラン」だ。
もしヤンキースがこの週末、レッドソックスとのゲーム差を少しでも詰め、レッドソックスファンが異常な緊張状態を示したとしても、松坂は動揺すべきではない。なぜなら、私たちはすでに何度もそういう経験をしてきているのだから。