今日3日の午前2時試合開始のヤンキース開幕戦始球式を務めたのは昨年飛行機事故で亡くなったライドル投手の奥さんと息子のクリストファー君、大きな暖かい拍手に迎えられジェーソン・ジアンビにエスコートされ亡き父がかって立っていたマウンドへ






ライドル投手の追悼のゲームとも言えるこの試合は白熱した好ゲームとなった。ヤンキースは初回に指名打者ジェーソン・ジアンビの2点タイムリーで先制。その後3-1で迎えた5回にパバーノがつかまり、指名打者ロッコ・バルデリのタイムリーなどで4点を奪われて逆転される。しかし6回にジーターの2点適時打で追いつくと、7回にはジアンビのタイムリーで1点を勝ち越し。さらに8回にはアレックス・ロドリゲス三塁手の1号2ランなどで3点を追加して試合を決めた。
ヤンキース9対5のリードで迎えた最終回はクローザーのマリアーノ・リベラが三者三振でピシャりと締め括った。


今シーズン、ニューヨークヤンキース全選手は全試合に喪章を付けて戦います

以下は事故当日のカージナルス田口壮選手の日記より→


2006年10月11日
試合前は、「小型飛行機がマンハッタンの高層アパートに激突」の話で持ち切り。「またテロなのか」そんな不安から、誰もがテレビのニュースに釘付けです。
そのうち飛行機の持ち主が、ヤンキースのコーリー・ライドル投手であることがわかり、最終的に彼自身がその飛行機を操縦していて、カリフォルニアの自宅に戻る途中の事故であったこと、そして、本人の死亡が確認されたことがわかると、クラブハウスは沈痛な雰囲気に包まれました。
ライドル投手と親交のあった何人かの選手は、肩を落として押し黙ったままです。外の雨はさほど激しくもなく、霧雨のような状態でしたが、室内練習前に中止が決定。僕たちは物も言わずにバスに乗り込みました。
「今日の雨は、きっと神様が降らしたんだ。ライドルを悼むために、今日は試合をするべきじゃないって」そんな声がぽつぽつと聞こえてきます。
通常よりはやけにあっさり中止が決まった今日の試合。これはあくまでも僕の想像ですが、ライドル投手のご家族をはじめ、ヤンキースの選手関係者たち、ファンの感情、NY市民、そして、交流のあった選手たちの気持ちを慮った部分もあったのかもしれません。
ホテルに着くまで、帰りのバスがこんなに静かだったことはかつてありませんでした。


 ニューヨーク州マンハッタンにて 田口壮