女心は | 真面目に遊んで飯を喰う(2nd season)
気づいた時には左前方に“これでもか!”と言いたげな富士山。

毎回新幹線に乗る時、この区間を意識する。
視界に収めるだけでイイ事が有りそうな都合の良い願い事をしたいが為に。

ただ、集中して窓の外を眺めている時には雲に隠れ、
晴天の下、堂々とその姿を晒しているであろう時は
視界に入る数分を雑誌・PC・・・車内を通り過ぎるイイ女に眼を奪われてる。

昨年思いつきでその“頂き”を目指して以来、
麓で見上げる姿より、頂から広く見下ろす光景より
その全様を見定める方が ありがたさ を感じるのは私だけだろう?
その凛々しく新幹線車両の大窓に映えるMt,FUJI。

それも新大阪あたりからは意識を無くしていたにもかかわらず
車窓にその姿を現す数秒ほど前に目覚めた偶然。

「ありがたや ありがたや」
寝惚けながらも身勝手な祈りを捧げる。


きっと今日はイイ事が有るだろう!!
今日じゃ無くても2~3日内には!!
いやいや せめて今週中くらいにはイイ事無きゃ困る・・・?

一人テンションあがってる時に携帯が鳴る。
見れば最近は私に愚痴すらも漏らすほど仲良しになった実姉から

座席を立ち、電話を受けると
「今ドコ?」

「新幹線で東京の途中」

「ホンマに!!あのね~、T美(姉の3女)が今ちょうど新幹線乗ったくらいなんよ!」

「T美はドコ行くん??」

「東京。嵐のコンサートじゃないけど、なんか授業があるらしい。」
「なんか?よ~わからん。。。」


「???」

「チョット面倒見てやって~や!」
「面倒って言われても、ドームまでの乗継とか教えてやってくれればイイよ。」


「オレも忙しいんじゃけど・・・時間ありゃあ何とかするわ~」


電車の乗り継ぎを教えるだけで終わるとは思っていない。
飯も食わせにゃいかんだろうし、
広島の田舎っぺ高1生の“初めてのお使い”には荷が重いはず。

姉との電話を終え、すぐに姪にメールを入れる。

今ドコや?何時に東京?何時から嵐?何時に終わる?

昼前には東京着の私に対して姪の到着は13時頃。
17時開演で終了が19時頃。

もともと広島市内繁華街すら覚束ない姪、
満足に都内で電車の乗継ぎできることなど考え辛い。

一旦銀座のレンタルオフィスへ立ち寄り、
メール・FAXの確認の後、夕方の要件の準備をして再び東京駅に移動する。

入場券を買って、姪が到着するであろうホームで待つ。
到着した列車を確認しても姪の姿は見えない。

コチラから電話しようとすると、ちょうど姪からの着信。

「どこや?」

「降りてすぐのベンチ。」

「はあ???」

私がホームを間違えたのだろうか?
改札へ移動させて改めて電話するとバツが悪そうに姪が言う。
「あのねえ・・・品川で降りた・・・。」

イラつきながらも冷静さを保ち、
そのまま次の列車に乗るよう指示し、ホームを移動して待つ私。

敢えて怪訝そうな表情を作り、姪を出迎えた私に
彼女が最初に発した言葉が

「ねえねえ、今日の服おかしいかねえ?ダサくない?」

久しぶりに会ったにもかかわらず、
面倒を掛けているにもかかわらず、
第一声が目一杯のお洒落をしてきた衣装への賛辞を期待する言葉。

複雑な思いでその言葉に答えてやりたかったが、
無意識についつい嫌味が先に口をついた正直な私。

「洋服は努力の跡が伺えるが・・・」

「その化粧はどうにかならんのか?」
「無理やりな二重瞼も殴られたかのような目元もオテモヤンのようなチークも…」

「どうせなら、全身を緑でコーデするとか、瞼に眼を書いて来いや!」
「コーヒーカップ持って・・・。」

情報が若干早すぎたらしくポカンとする姪。
ただ、貶されていると言う事実認識はしたらしい。


一気に不機嫌になり言葉少なくなった姪を東京ドームまで誘導する。
現地には姪のようにがんばってお洒落した子供な女性や
どうみても昭和30年代40年代と思われるムリしてがんばってる女性達が漫ろ歩く。

姪に昼飯を提案するも開演まで3時間もあるのに「時間が無い」と一蹴。

そして東京ドームが見えた途端彼女は言う。
「もう大丈夫じゃけぇ、ええよ!じゃあね!」





お前は気の強い彼女か!!!





追記)
それにしても朝のワイドショーで見る「嵐のワクワク学校」。
3日で45000人を5公演、@4000円  =  

これに東日本大震災の被災者支援チャリティーイベントの冠を付ける・・・

決してアンチ嵐ではなく、むしろ嵐には好意的な私だが

こりゃダメだろ!

公演内容はワイドショーで見る限り、池上彰 人気に便乗??。
それも金も知恵も掛かけてない、企画の薄い安直な「ザ!鉄腕!DASH!!」もどき??。
DASHのほうが余程役に立つ上に楽しめる。

ワイドショーもこの震災便乗企画を持ち上げるばかり。


こんな企画に熱い声援を送る『女心』。
ついこの前まで子供だったはずの少女が高校生になり、
ファッションを貶された『女心』。



どちらの『女心』もまだまだ勉強不足な私なようで。



さて私は・・・
今日から3日間、女心を復習しながら
かつて社会人ラグビーで全国区となったラグビーの街に滞在する。