ラインバウト・デ・ヴァケイラス - ラインバウト・デ・ヴァケイラス (Raimbaut de V | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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ラインバウト・デ・ヴァケイラス - ラインバウト・デ・ヴァケイラス (Raimbaut de Vaqeiras)

ラインバウト・デ・ヴァケイラス(Raimbaut de Vaqueiras, 活動時期:1180年 - 1207年)は、プロヴァンス語の吟遊詩人トルバドゥール。後半生は騎士。その生涯のほとんどをイタリアの宮廷で費やしたが、[1]それは1203年までで、以後は第4回十字軍に参加した。

生涯

その名から、ラインバウトは南フランスのオランジュに近いヴァケラスの出身と思われる。宮廷詩人として活躍し、モンフェラート侯ボニファチオの親しい友でもあった。ボニファチオがアスティ、アレッサンドリアの自治都市に対抗して行動を起こした時には、彼に仕えた。神聖ローマ皇帝ハインリヒ6世のシチリア侵攻に参加。メッシーナの戦いでは、ボニファチオを盾で守りぬいて、その騎士道精神を賞賛された。1204年、コンスタンティノポリスの陥落の現場に立ち会い、その後、ボニファチオに随行してテッサロニキに行った。『Epic Letter』と呼ばれる彼の作品は、ラテン帝国初期の政治状況を如実に表した重要なものであるが、途中で唐突に終わっている。おそらく、1207年9月4日のブルガリア帝国の攻撃で、ラインバウトはボニファチオと共に戦死したのではないかと言われている。

作品

ラインバウトの編んだ唯一の本に残された、現存する歌33曲は、いずれも彼が作ったものだと考えられている。それにつけられたメロディも、8つ残っている。そこには、5カ国語のデスコルトや、カンソ、テンソ、アルバといった、さまざまなトルバドゥールの詩形が駆使されている。彼の歌の一つ『Kalenda Maia』は、エスタンピーといわれるトルバドゥールのメロディの中でも最良のものの一つである。Razó(「理由」を意味する。散文で書かれた解説のこと)によると、彼は2人の音楽家の作った曲を借用していると言われている。確かに、エスタンピとは純粋な器楽曲に用いられる言葉で、ラインバルトの歌がどうしてそう呼ばれるのか、その謎をすっきり解き明かしてくれる解説である。

フィクションに描かれたヴァケイラス

1922年、ニーノ・ベッリーニはラインバウトを題材に、詩劇『Rambaldo di Vaqueiras: I Monferrato』を作った。エドモン・ロスタンの『シラノ・ド・ベルジュラック』、『遙かなる姫君』の亜流ともいえるが、ロマンティックで、虚実入り乱れた内容で、ラインバウトはパトロンの娘ベアトリスに恋をする。ラストで、ラインバウトは戦争で致命傷を負い、テッサロニキから帰還し、彼女の腕の中で死ぬ。

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緑の森の木陰で(エスタンピー/デリック)

Under the Greenwood Tree

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アルフォンソ10世:カンティガ第10番/ベルンガー・フォン・ホルハイム:Nu enbeiz ich doch des trankes nie/ラインバウト・デ・ヴァケイラス:女神マイアの月の最初の日(マネッセ写本)(イ・チャルラターニ)

ALFONSO X: Cantiga No. 109 / BERNGER VON HORHEIM: Nu enbeiz ich doch des trankes nie / VAQUEIRAS, R.: Kalenda maya (Codex Manesse) (I Ciarlatani)

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マネッセ写本(イ・チャルラターニ)

CODEX MANESSE (I Ciarlatani)

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LA TROBA - 12-13世紀のトゥルバドゥールの詩集 3 (トゥルバドゥール・アーツ・アンサンブル/ツッケット)

TROBA (LA), Vol. 3 - Anthologie chantee des Troubadours (12th and 13th Centuries)

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赤い十字架/十字軍時代の愛と戦いの音楽(ニューオリンズ・ムジカ・ダ・カメラ)

Medieval Music (The Cross of Red - Music of Love and War from the Time of the Crusades)(New Orleans Musica da Camera)

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ギロー・ド・ボルネイユ/ベルトラン・ド・ボルン/ダニエル/ベルナルト・デ・ベンタドルン:中世の声楽と室内楽作品集(マーティン・ベスト中世アンサンブル)

Medieval Music (Vocal and Chamber Music) - GIRAUT DE BORNELH / BERTRAN DE BORN / DANIEL, A. / BERNART DE VENTADORN (Martin Best Medieval Ensemble)

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ベルーガ - Discourtoises

BELUGA: Discourtoises

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中世吟遊詩人の歌(1100-1300)(アゼマ/カメラータ・メディテラニア/コーエン)

LO GAI SABER - Troubadours And Minstrels (1100-1300)

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トルバドゥール - 吟遊詩人の音楽(フィゲーラス/クレマンシック・コンソート)

Vocal Music – PIEROL / VIDAL, P. / RAIMBAUT DE VAQEIRAS / COMTESSA BEATRICE DE DIA / BERNART DE VENTADORN / MARCABRU (Troubadours) (Figueras)

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夏が続くうちは楽しい - 春と夏の祭りに関する中世音楽と伝承音楽

MERRY IT IS WHILE SUMMER LASTS - A Collection of Medieval and Traditional Music from the Spring and Summer Festivals (Sothcott)

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ファム・トゥルバドゥール - 愛の歌

FEMMES TROUBADOURS - Chants d'Amour (Flor Nouvele)

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ムジカ・レセルヴァータ・デ・ロンドン - コンサート・オブ・アーリー・ミュージック

MUSICA RESERVATA OF LONDON: Concert of Early Music (A)

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中世の歌(トレフォイル)

FLEUR DE VALEUR - A Medieval Bouquet