いつ死んでもいいなあと | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

自死ではなく、自然死、樹海に二人で入っていくようなイメージの死、元気なうちは一緒に存在し、末期はワゴンに乗って旅をして、文学も、家事も一緒にやって、生活が自然なものに、特別な一日でも、特別な存在でもなく、当たり前の花や草木に変化、昔、君の愛を知った日、世界は輝き、自らを讃えた、しかし、今讃える必要もなく、当たり前の一日の中、君は他の理想する男を求めなかった、身の丈に合った所の、否、生命を捧げてもいいと、直感したところの、私という男を選び結婚したのだった、私もどこかで、そうした生物的直感が働いて、処女と童貞の結合であった、それらがあって今が考えられるのだった、名誉や、地位が必要ではなく、私の為に死す、生き存在するだけでいい、全ては自然裡に、性の充実が、生の充実、鴎歌へと、毎日、平等、自由に、女は考えるのではなく、感じる存在で、あそこで、あれで、日々いつ死んでもいい、財産、知識、健康、etcはこうした感情が叶わないと知った人の代用品なのだ、生きものたち、毎日、毎時、愛死を生きているのだった、昔見た映画で、妻を失くした男が、再婚し、以前と同じ生活を送っていく話しが、今よく解るの、今、君との柿田川、笠間、etcが蘇っている、生きる理由が、日常を愛することに変化し、君に向き合い、君は私に向き合い、女は、向きあってくれる男のためなら、死ぬことが出来るの、理屈抜きで、そのことだけで生きて行けるの、私を子宮で感じるという君、日々、変化、深化していく君、二人で学び、味わう、こうした生活の中に永遠性を見、互いに向き合った中にだけ、世界は開かれ、探究の対象が人間、お互いだから、終わりということがなく、きっと死ぬときに、それまでの二人が現れ、もういつ死んでもいいよと、諦めていたのに、君が私の地平まで登ってきてくれたことが嬉しい、毎夜、セックスが戻ってきて、全ての芸術が愛に満たされていないから、創られているような気さえし、これは人の最後の闘いで、日常、死との闘いに於いて、戦わないでグチッテばかりいるような芸術に何が、一度味わった感動は元に戻せない、死ぬときは一緒、女が死を覚悟した事の、普遍の輝き、何も怖いものはない、文学が、音楽が、テレビ、新聞が、何も必要ではなくなった、深まりを学びたいのだった、互いを感じたいのだった、何も欲しいものはない、青春の日、君と私、いつもこうであった、私が万年青以外の植物を愛する必要がないように、君以外を愛する必要がないということ、充分に満たされてあるということ、同世代の夫婦、本当には生きていないと思えるの、でも、若い夫婦には愛があり、生きている、私達は青春の何一つ失ってはいない、付け加わえたものは一杯あるけれど、そう言える日々、あの恋人は、あの夫婦は、どれだけ愛し合っているか、一目で解るの、鈍行列車で、二人でどこまでも、乗って行きたいね、一人でコーヒーを飲んでいて、あなたを思い出していることが、とても嬉しい、柿田川、常滑、全て今日の日を迎えるために在った、これが、この日常が欲しくて、私は意味を探っていたのだった、いつかテレビで見たアフリカの大地溝帯に残る、三百五十万年前の人の足跡、母と子、少し離れてもう一人の大人の足跡、家族を作り始めた人の歴史の一こま、人が一人を見つけるということは、全人類に繋がるということ、一人を見つけられないなら、疎外、無意味が、一人を見つけられれば、いつ死んでもいい、なのだった、肉体的にも、精神的にも、向かい合うという、人としての始原の存在として、君が今、私が今、向かい合うという行為を通して、最高の精神を、愛する者に高低はなく、以前は性も愛も、流された関係であった、が今はどちらも互いが学ぶ対象として、意味を確かめる行為として、愛しみ、味わい、一体のものとしている、誰に話すこともない、二人の絆、基本、生きる意味、君が自然と向き合う、宇宙と向き合う、そして私に向き合う、そんな関係があったなんて、三百五十万年前の、猿が人になった瞬間の感動でもって、人を見ることが、世界を見ること、真、善、美、愛、etcの話など飛んでしまう、感動そのもの、驚ろきそのもの、昔よりずっといいと言う君、青春の感情をそのまま残し、大きな何ものかの感情をもち、青春の日、ただ世界を賛美するだけだったが、今、この感情は何ものかを判断し、けっして裏切られることのない、永遠なものの発見があり、顔、慈愛を増し、ただ一点、互い以外は何も求める必要はなく、五月の涼風に、彼等生きている、生き続けていく、いつ死んでもいいなあと、そんなこの季節、私もやっと、何もしないで良くなった、君と私と、今少しの時間さえあれば、何もいらないと言え、意味が全部解り、永遠の調べが、心の中を今流れていると、
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