ブン、よく生きた、ガンバッタ | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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ブン、よく生きた、ガンバッタ

この一年のことではあったが、お前にしてみれば人の四年に相当することではあった。
人のように医者へ行こうなどとは考えはしなかった。
人のようには、何故どうしてなどと考えはしなかった。
死後の事や、残される者のことなど考えはしなかった
残っている生命で常に生きてきた。
後ろ足が駄目なら前足で、
眼が駄目なら耳で、
耳が駄目なら鼻で、
全部駄目なら泣いて、叫んで、
疲れ切って眠りが訪れるまで、
力尽きて死が訪れるまで、

ブン、よく生き、ガンバッタ。
決して不自由を受け入れることなく、
死の瞬間まで生きることを生きた。
生きるということは、決して受容、肯定、諦めなどではなく、
そのようなことは、考えに入れるものなのではなくて、
何が身体に起ころうと、
生きるということを止めないこと、
生きたいことを生きることと、
お前は私に教えてくれた。

ブン、よく生き、ガンバッタ。
やがて訪れるだろう私の死に対し、
お前から学んだこと、
忘れないよ、
ブン、ありがとう。