底流者 | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

 底流者

神谷美恵子がたどった道のりは、ある流れの人々に共通する。それは人類の中に底流のように流れているもの、彼らは連帯している、北原怜子にも似る、自分の意味への意思を持った女性、こうした人々が居るのだと知った、小学生の私の涙が今日また甦った。私とはこうした人々に包まれ育くまれてきたという、私も何かを為さねばと思うのだが、私に至る、私達に至る流れを、教育や文化によるのではなく、人が無条件で達する方法、それを示したいのだった。私はといえば、養護施設、社会主義、文学、病気を通してであったが、病気が決定的な変革点であった、この病気の持つ意味を、底流者には多くこの病気体験がある、神谷にしても結核の体験、病むことによって獲得された、生きてあることの意味、人が無条件で意味に至るこの病んだ体験、底流者に共通するその発見に私は涙していたのだった。