汝死を忘するべからず | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

 汝死を忘するべからず

人は死を忘れて生きる。一ヵ月後、一年後、たとえ明日死ぬ身であると知ったとしても、生きることを生きようとする。座して死を考えてなどより、食べ、動き、眠りと。
仕事をし、人に会い、と、世界から去るにあたっての名残惜しさや、味わいや、楽しみやらを、限られた中で。
人は衰弱してこないと解からないのだった。自分が死ぬ身である事など。明日死ぬといわれてもこんなに元気だからと、みんな死んでしまってから、二人きりになってしまったねーとただ事実を認めるばかり。