ブンの孤独 | mitosyaのブログ

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個人誌「未踏」の紹介

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 ブンの孤独
犬でもどんな生き物でも、考えてみれば皆孤独を生きているのだった。人の家族の中で生きているもの、人の社会で生きているものと、外面的には本能的絆によって人との連帯を生きてはいるが、本質は孤独、人からの助けを受けはするが、死というものに生を委ねて生きている。人とは本質的に共感するところはないのだった。年老いたブン、見えず、聞こえず、歩けずがもう何年も続いている。アトピーのようなアレルギーで、何年も薬を呑んできたせいだが、老化が早かった。十五歳を過ぎた今、食事、排便は困難となり、私の介助なしには一日も生きてはいけない有様。隅にぶつかっては蹲り泣いている。訪れている事態に意識がついていっていない。助け起こしてやるとまた同じところをぐるぐる回る、前足だけで動いているブンはぶつかった所が行き止まり。祈っているように、瞑想しているように、斜傾した頭をうなだれ佇んでいる。
それでもまだ生き続けているブン。