昨日の続きです。

 

 クララの失恋

 

クララとロベルトが結ばれるまでに2度の障害がありました。

 

1度目はロベルトがエルネスティーネと婚約。

2度目はクララの父の反対。

 

1度目のところを読んだのですが、

これがつらい〜。

 

憧れのお兄さんロベルトは父ヴィークの内弟子で、

クララが14歳になる頃には、

毎日2時間ほど散歩をしながらおしゃべりをしたりする間柄。

 

周りにいる人で一番好きな人

 

になっていました。

 

そんな時、

クララの演奏を見た“男爵令嬢“エルネスティーネが

クララの父にピアノを習いたいと

内弟子になり住み込みで教えてもらうように。

 

クララは3歳年上の彼女とすぐ友達になりました。

 

大好きなロベルトを

エルネスティーネにも仲良くなってもらいたいと

紹介したところ、

 

なんとロベルトが

エルネスティーネに夢中になってしまったのです。

 

、、、、泣。

 

でも仕方ないです。

 

ロベルトもクララが好いてくれてるのは感じていました。

 

自分も好きだったけれど、

それは恋愛とは言えない微妙なライン。

 

何しろ14歳と23歳。

恋愛感情がある方が怖いですよね。

 

一方、

エルネスティーネは17歳。

 

この時期の3歳差は大きい。

 

3人で散歩に行っても

ロベルトはエルネスティーネとずっとおしゃべり。

クララには時々冗談を言う程度で子供扱い。

(この内容が、後年のロベルト宛のクララの手紙に書いてあるのです。

切ないなぁ)

 

好きな人が友達を好きになる、それも自分がキューピット。

つらすぎる〜

 

父ヴィークは、

ロベルトの欠点

(指示した練習をきちんとしない、

浪費するのにあまり稼ぎが良くない、

よく酔い潰れるなど)と、

娘がロベルトと急接近しているのに不安を感じ出したようです。

(毎日2時間も一緒に散歩する前に止められなかったのか、、、?)

 

距離を置かせたい気持ちもあったのか、

クララと家を離れ、演奏旅行に出ます。

 

その間にも

ロベルトとエルネスティーネの仲は一気に進展、婚約します。

 

けれど

正式な婚約を申し込みに

エルネスティーネの家へ行き、

 

その直後

彼女が男爵の実子でないことを知ります。

 

そこでロベルトの愛が急速に冷めます。

(えっ、なにそれ?)

 

演奏旅行から帰ったクララの

急に大人びた雰囲気に今までと違った感情も湧き、

 

一気に方向転換、クララへの愛に目覚めました。

 

読んでいて、

この時期の事実関係はどうなのかわかりにくく

(婚約破棄して、お互い納得済みの上でクララに告白したのかどうか)

スッキリしません。

(ロベルト・シューマンの伝記も購入したので、

後日それを読んだらはっきりするかもしれません。)

 

伝記によると、

告白して初めてのキスをした時には

クララを安心させるために、

エルネスティーネはもう他の人と婚約した、と嘘をついたようです。

(これって許容範囲ですかね、、、?)

 

もうひとつスッキリしないのは、

ロベルトの愛が冷めた理由です。

 

これは「シューマンの結婚」という本にも書かれています。

 

ロベルト自身がクララへの手紙に理由を書いていました。

 

・エルネスティーネが自分の出生の秘密を隠していたことが許せなかった

 

・(彼女が男爵の実子でなく姉の婚外子で、

遺産相続権がなく、結婚しても持参金は見込めないため、)

彼女が“貧乏“だとわかり、

自分がどれだけ働いても僅かな稼ぎにしかならないから、

それが足かせになる

 

 

速攻で男爵令嬢と大恋愛、婚約し、

一気に冷めた理由の1つが

 

金かい、、、

 

で、クララに方向転換。

 

クララを愛していたのは

手紙の内容を見ても十分伝わります。

 

大事なことを隠されて裏切られた思いもわかります。

(でも実子じゃないとか婚外子とか言いづらいですよね)

 

この手紙から、

 

クララはお金が稼げるから、

クララの父には財産があるから、

自分の稼ぎが少なくても大丈夫

と皮算用していたのを感じてしまいます。

(ピアニストより妻の方が幸せだよと言いながら)

 

あと、この手紙に書かれた内容で、

私がクララなら辛いのは、

 

エルネスティーネは

今まで出会った中で一番素敵な女の子で、

彼女こそが自分の唯一の人だとその時は思ったし

彼女も自分を愛してくれた

 

と知りたくもないことを書いてるんです。

もう終わったことで今はクララを好きだとしても、

非情じゃありません?

 

貧乏だから無理

とか、

前回のブログに書いた、

クララの遺産放棄に対して、

放棄したらダメだ、

きちんともらいなさいと説得する後年のロベルトの手紙が存在するのを知ると、

ロベルトの甘さというか勝手さを感じます。

 

クララの父は厳しくて辛辣な物言いで印象が悪かったのもあり、

「2人の結婚を許さない頑固でひどい親」というイメージが出来上がったのは

偏った見方と思いました。

 

とはいえ、

ロベルトは子煩悩で、結婚して子供を持つと、

育児日記をつけたり、

音楽家同士として、

お互いに刺激し成長し合える良い夫婦だったと思います。

 

何事も表裏一体だなぁとつくづく思います。

 

クララが9歳ごろに初めて出会い、

少女時代からずっと淡い恋心を抱き、

ピアノに明け暮れる中のオアシスのような存在だったロベルトとの絆は、

単なる恋愛を超えた唯一無二で深い繋がりであったと想像します。

 

 

お読みくださりありがとうございました。

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