ピアニスト、サー・スティーヴン・ハフ出演の

BBCラジオ番組インタビューの続きです。

(青字箇所、LPレコードアルバム情報を追記しました)

 

①はこちらです⬇️

 

トピックは大きく分けて4つ。

 

1ピアノへの興味の始まり(幼少期)から

2戦前と現代のピアニストの違い

3ピアノに興味を失う10代(暴力的指導)

4宗教とピアノと同性愛

 

前回は1と3の始めだったので、

今回は2についてです。

 

戦前と現代のピアニストの違い

サー・スティーヴンは

クラシック音楽に全く縁のないご家庭で育ったので、

ピアノを始めた頃にクラシックのレコードは全くなかったそうです。

 

ピアノを始めてから、

お父様もクラシックに目覚め、レコードを買うようになられた。

 

その頃に買ったLPレコード、

 

Keyboard giants of the past

 

⬆️Youtubeを検索したら、同タイトルの別アルバムもあったのですが、

ラフマニノフが最後の曲とおっしゃっていたので、

恐らくこれかと思われます。(追記)

 

とても印象に残っていて、

今も持っているほどのお気に入り。

 

1920〜30年代のピアノの巨匠の演奏を集めたアルバムで、

サー・スティーヴンに影響を与えたそう。

 

当時と今のピアニストの違いを尋ねられて

答えた内容が、

私が今までインタビューを聞いて感じていた

サー・スティーヴンの演奏に対する考え方と

違っていたので

 

えっ!?そうだったの!?

 

と驚いてしまいました。

勝手に勘違いしていたようなのです。

 

サー・スティーヴンが思う

戦前・現代のピアノ演奏の違いは、

 

鍵盤の扱い方、

戦後は廃れたピアニズム(演奏技巧)で、

パハマン、パデレフスキ、ラフマニノフらは、

曲というより、ピアノ演奏自体を美として、

芸術としていた、と。

 

現代のピアノ演奏は、

作曲家を中心に曲を輝かせ、演奏家は一歩引いた感じ。

 

ルバートの仕方も違うとのこと。

 

映画の俳優の演技を昔と今を比べたら、

今の方が単調に見えて

昔は大袈裟な感じがするのと同じような違いを

ピアノ演奏にも感じるという。

 

このLPのピアノの巨匠たちは、

それぞれ演奏が個性的。

 

今は、大勢の演奏家がいて、

演奏の違いに区別がつきにくい。

楽譜に書いてあることを弾く傾向にあるけれど、

 

例えばリストだと、楽譜だけ読んでも表現しきれないものがある。

細かく指示していないから。

 

もちろん、楽譜を読みとりはするんだけど、

LPの巨匠たちは、

まず最初に、

演奏によって自分自身を表現している。

鍵盤は、

人生に音楽をもたらすのではなく、

自分がどう生きるかを表現するもの。

 

、、、と言うようなことをおっしゃってます。

 

サー・スティーヴンは以前、

 

ショパンの曲は、

作曲家の指示よりも遅くロマンティックに弾きすぎる傾向にある、

 

とか

 

ラフマニノフのピアノ協奏曲は、

作曲家自身の演奏は、その後定番になった多くの演奏より速かった

 

とおっしゃっていたので、

作曲家の意図に忠実な方がお好きなのかと思ってました。

 

その一方で、

 

例えば

サー・スティーヴンのショパンのワルツは、

指定速度よりも速い演奏が多いし、

ルバートは、

ゆっくりロマンティックというより

とても伸びやかなメリハリがあるという特徴を感じます。

 

そう言う意味では、

作曲家の意図を意識しながらも

こだわりすぎることはないと言うことでしょうか。

(あくまで私個人の印象と感想です。)

 

このLPの中で

サー・スティーヴンの1番のお気に入りは、

ラフマニノフ演奏の

ラフマニノフ編曲 

クライスラーの「愛の悲しみ」

 

1分40秒辺りから始まります⬆️

 

数多くの演奏を聴いた今でも、この曲は

このレコードのラフマニノフの演奏がずば抜けていると思うそうです。

 

このインタビューはこちらでオリジナルが聞けます⬇️

 

 

お読みくださりありがとうございました。

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