ベアリングの寿命を考える | バイクはタイムマシンだ!

ベアリングの寿命を考える

私(高野)は、バイク屋のメカニックであって、メーカーのエンジニアではないので、技術的なことはエンジニアに聞けばよいと思っています。

しかし、エンジニアはアカデミックな回答をしたり、「で、実際にはどうしたら良いの?」という質問には、難しすぎて、私には判断することができないような回答をしてくることがあります。


もちろん、私だって勉強はしています。

バイクメーカーの研修以外に、茨城大学の自動車部のOBにはいろいろなメーカーの者がいるのでいろいろな情報が入ったり、サーキットで一流の方々と接する機会も多いので、他のバイク屋よりは情報は多いと自負しております。

ですが、ベアリングメーカーのエンジニアと話す機会はありませんでした。


べアリングはバイクにはたくさん使用されていて、とても重要な部品の一つです。

今回は正常に使用できているけど、交換を勧めたベアリングがありました。

意味もなく交換したのでしたら、ただ、お客様に無駄遣いをさせただけです。


私は頭を動かすより、手を動かすことのほうが大切だと言ってはおります。

しかし、たまには、エンジニアのように部品一つにこだわってみたいこともあります。


で、ベアリングを切ってみました。


ベアリング


ベアリングの寿命の詳しい話はグーグルで検索してもらうとして

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%99%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%81%AE%E5%AF%BF%E5%91%BD&sourceid=ie7&rls=com.microsoft:en-US&ie=utf8&oe=utf8&rlz=1I7SNYA_en&gfe_rd=cr&ei=cZrZVM7YG-ST8Qf1rIGQCw&gws_rd=ssl


私も読んでもちんぷんかんぷん、というか、最初の数行で仕事には役に立たないと判断。

90%のベアリングの寿命を調べる、つまり、10分の1は壊れるかもしれない寿命がわかったところで、私の店のお客様のバイクの10分の1が壊れるようでは困るのです。


実際のところは、メカニックの勘と経験がものをいいます。

切ったほうのベアリングは、まだ使えそうなものでした。

ベアリングの中には緑色のグリスが残っていました。

ボールやレースの状態も問題がないようです。


で、横のシールも外してみました。





左が切ったもの、右は切らなかったもの。一番左の物は、外したシールです。

切らなかったほうは、ガタは無いものの動きが軽くアヤシイ状態でした。

シールを外して観察してみるとグリスが切れているように見えました。

グリスが流れ出して、シールもなくなったので、抵抗がなくなりすごく軽く回ってしまいます。

壊れる前にすごく調子が良くなることがありますが、まさにその状態。


この先2年間使うことを考えると、「交換してよかったな」と思います。



バイクや車をはじめとして、機械は多くの消耗部品から成り立っています。

消耗品だからと言って、やみくもに交換すればいいものではありません。

壊れそうな消耗品から交換していかなければなりません。


通常はゴミ箱に捨てられるだけの交換済みの部品を、今回のように、よく観察・点検して勉強しています。

それにより、今乗っているバイクの消耗部品の中で、交換の優先順位が高いものは何かをお伝えできるように、知識と経験を積んでます。


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