今日は又してもうちのかみさんのこれまた最強なお母さん伝説の続編です。
それは5年ほど前に14歳の高齢で亡くなった愛犬武智(ぶちと読みます)のお話。
武智は元々お父さんが働いていた工場で、捨て犬として少しの間飼われていた
犬でした。それを引き取り手が居ないので、かみさんが高校生の頃に大人の犬で
やってきました。
元来動物好きのお母さんは、当時家に居た二匹の猫と共に可愛がっていたそうな。
震災後も暫くして猫ちゃんたちは亡くなったり逃げてしまったものの、武智だけは
ずっとかみさん家のペットと言うよりも「一番下の子供」として可愛がられていました。
かみさん曰く、「私達子供より武智のほうがよっぽど良い待遇だった」そうです。
例えば、家族で晩御飯に「とんかつ」を食べていると、お母さんからの命令が。
「ぶうちゃん(武智はこう呼ばれていました)は脂身が好きやから、あんたら脂身は
ぶうちゃんにあげて頂戴っ」とか、「ぶうちゃんはお魚が好きやから一人前多く炊いてあげようっと」等、末っ子として甘やかされ放題の武智だったのです。
以前のブログで書いた中身が入っていなかった「クリームパン」を吐き出したのも
この武智で、それもその筈犬用のオヤツは嫌いで、バターたっぷりのビスケットや
人間の食べるしかも「美味しいもの」が大好きで、食べて満腹に成るとひっくり返って
お腹を出して眠るというまるで「緊張感の欠片もない」お犬様でした。
そんな武智にも苦手なものが幾つか有りました。それはお風呂と、お医者さん。
この時ばかりは、日頃は怖いもの知らずの武智も「借りてきた猫状態」
今回のエピソードはそんな病院でのひとコマです。
狂犬病の予防注射は今は強制では有りませんが、昔は年2回が義務付けられて居たので、そのつもりで獣医さんの所へ嫌がる武智を引っ張って行ったそうな。
「さあっ、ぶうちゃんお注射してもらわなあかんよ~」「キャンキャンッ」嫌がる武智。
「そんなこと言ってもこれは法律で決められているんだからやらなきゃ駄目なのっ」
「ねえ~先生」 「今は別に強制じゃなく成ったんだよ」
それを聞いたうちのかみさんが、「良かったね~ぶうちゃん。打たんでもいいんやて~。お家に帰れるわよ。」
人間の言葉をとてもよく理解していた武智は大喜び「なあ~なあ~もう帰ろうな~」
とでも言わんばかりに、ほっとした表情で診察台から降りようとすると。
その武智をむんずと取り押さえたお母さんが放った一言。
「何やかんや言っても、こいつは動物で、所詮獣ですから万一の事が有りますので注謝してやってくださいっ」「帰られへんよっぶうちゃんヾ(。`Д´。)ノ」
「所詮、けっ獣って~?」あれだけ日頃は「この子はうちの子やから賢い」やら、少しでも武智が悲鳴でも上げようもんなら。「ちょっと~又ぶうちゃんを虐めてるやろ~」と、
かみさんや弟に難癖を?付けるくせに。「獣は無いやろ~おかあさんよ~」
唖然とするかみさんと、期待を大きく裏切られ仔犬のように怯える武智。
しっかりと注射をされて帰宅したそうな。
又、犬にとっての大敵である「フィラリア」の予防薬を飲まそうとしたときも、嫌がって中々飲もうとしない武智にキレたお母さんは、「御飯も水も飲まんで宜しいっ、あんたが今飲んで良いのはこの薬だけです~~~っヾ(。`Д´。)ノ」と無理やり押し込み。
かみさん曰く「結局自分の思い道理に成らないと気がすまんのやな~(;^_^A」
「何か私達家族へのお母さんの接し方そのままやわ~」
そんな武智も、最後の方には足腰も弱くなりボケて徘徊する様に成り亡くなりましたが、私が知る限りのペットとしての犬の中でも最高の待遇を受けていたと思います。最後まで家族として、「何時でも武智が出れるように」と真冬でも出口を開けて家族は寒さを我慢している様な、優しい一家なんですがね~。
最近では、武智の後に孫が出来、その孫が余り来なくなったらば迷い込んで着いて来た「フェレット」を飼い始めたそうです。
先日も電話で「お母さん可愛いですか?」と聞いたら「可愛いわね~っでも言うても所詮この子はイタチみたいなもんやから、臭いわ~」と相変わらずなお母さんでしたとさ。