ブドウの収穫も終えて、ようやく少し一息つける時期になりました。
終盤はかなり忙しくなり、監視用のトレイルカメラの画像もチェックできませんでしたが、見直していると、おかしな姿が…。
昼間に映っているのは自分の姿ばかりなので、夜の画像のみをこれまでチェックしていましたが、まさか白昼堂々に盗むとは…。
時間は午前11時頃、シャツの中に入れられる分を盗っていきました。この後、別の園でもブドウ盗難をして逮捕されました。
昨シーズンは少なくとも3回の盗難に入られたものの、収穫の繁忙期に入ってしまっており、大した対策はできませんでした。
今年は事前にカメラや警報器を準備していた効果もあり、盗難にあった数は減ったものの、それでも十分ではありませんでした。
ただ、カメラによって、ある程度の傾向が見えてきました。
・収穫の始め頃(今年はお盆)が要注意
・事前に下見をして、侵入箇所など準備をしている
・車を遠くに置くなどして、徒歩や自転車で目立たないよう来ている
・必ずしも夜更けではない(7-10時頃が多かった)
3人組による盗難…警察にも情報提供して、この後、パトロールにあたってもらいました。ライトも使わずに侵入しており、事前に下見など準備をしていたと見られます。
3人組の約1時間後、単独犯が映っていました。一瞬ですが、短パン姿の若者のように見えます。ビニール袋(盗んだブドウが入っているか?)を持って走り去っていきました。
空の段ボールを3つほど抱えて、歩き去っていきました。警報器を警戒して見上げているので、下見をしたか、この地に詳しい常習犯と見られます。
たまたまカメラに写ったものですが、実際にはこの他の犯行もあったと思われます。
今回は警察にも支援を頂きましたが、特に単独犯まで対応してもらうのは限度があるので、ある程度は自分たちで警戒していくしかありません。
・夜間パトロールの実施(必ずしも夜更けでなくても)
・園内に侵入できそうな隙間を出来るだけふさぐ(有刺鉄線やネットなど)
・警報器は日中も鳴るようにする(特に園内)
・収穫前からカメラを設置するなど、不審者を警戒する
・地域の人たちにも協力・警戒を呼びかける
最期に挙げた地域による警戒が、最も大切なことかと思います。
今回、テレビや新聞にも取り上げて頂いたことにより、近隣の方々にも関心をもって頂き、心配の声などかけて頂きました。
個人や生産者だけでは限界があるところ、とても励みになりました。
ほぼ毎晩、イノシシやアライグマ?の姿も写っていました。鳥獣害もありますが、盗難犯を防いでくれているのかもしれません。
↓「アナキズム」は「無政府主義」という意味で、日本とは全く関係のないことのように思えてしまいますが、本著を読了してみて、自分が就農を目指すことになった理由はここにあるのかもしれない…と感じました。著者と同じく、私もエチオピアに8年近く滞在・訪問していたこともあり、納得させられること、気づかされることも多いです。特に、エチオピアは貧しいながらも、コミュニティや人びとが協力して、自分たちの手で生活をしている姿があります。これは、国家や行政のシステムやルールに依存してきた日本では忘れがちですが、暮らしの中の自由や経済を縛りつけ、いざ危機になると脆弱です。農業は何でも自分の責任の中、もちろんルールには則るものの、人間の経済をたてなおす一歩になれている…と実感があります。盗難や病害のような困難はあるものの、生産や直売を通して、「宛先」のある経済の場を提供し、豊かさや喜びにつなげる道筋が少し見えた気がします。