9月に入り、巨峰ブドウの収穫はボチボチ終盤です。

8月のお盆頃から開始して、早1か月、さすがに完熟です。

完熟になるほど粒が甘くなってきていますが、同時に晩腐病に罹った粒も増えてしまっており、調整(病害の粒を落とす)にかなり時間がかかります。

 

今年は梅雨の後、雨が少なく気温が高かったせいか、周りのブドウ農家は萎れ気味の房が多い一方、当園は傾斜地が幸いしてか、さほどの影響はありません。

それだけに、まともな粒はプリっとして美味しいのですが、まともな房がないためにB級品のような扱いにせざるを得ないのが、非常に残念です。

 

今年はほぼ全面を簡易雨よけにしましたが、それだけでは不十分でした。

もちろん、剪定枝は全て焼却し、棚に巻き付いたヒゲも取り除く…といったこともしましたが…。

雨よけが全くない露地部分は、房丸ごと晩腐…という状況に較べれば、さすがに雨よけでそこまでではないものの、中には半分近く病害(茶色いカビに覆われて傷んでいる)房もあります。

 

思い当たる反省点(改善点)としては、以下が考えられます。

1) 落葉の処理

下草に埋もれた落葉は、ほぼそのまま放置でした。剪定枝だけでなく、落葉もできるだけかき集めて廃棄・焼却することで、園内の伝染源(糸状菌)を減らせそうです。

 

2) 梅雨時の防除方法(特に展着剤)

今年の梅雨時はタイミングが難しく、農薬散布後、数時間で雨が降ることがありました。展着剤は機能性(アプローチBI)をいつも使っていましたが、降雨のおそれがある時は、固性(パラフィン系など)のものにする、殺虫剤と混用せずに殺菌性を高める…などの工夫が必要だったかもしれません。

 

3) 露地部分のみにカサ

昨年は雨よけ・露地に関わらず、全ての房にカサをしたことで、雨よけの効果を確認しました。今年は露地部分にしかカサをしておらず、雨よけ部分は袋のみでした。手間にはなるものの、病害の影響(収穫・調整時の手間、品質低下など)を考慮すれば、カサかけはやっておくべきでした。また、少し大きなものに代えてもいいかもしれません。

 

収獲から約1か月が経ち、ようやく終わりが見えてきました。まだまだ、汗だくの草刈りも続いています。

 

露地部分はカサをしていますが、来年は少し大きめのものも試してみたいと思います。

 

毎朝、袋のままで収穫して、この後の調整にだんだんと時間がかかるようになっています。そのまま使える房は、1コンテナに1房あるかどうか…。

 

先月はこのように房がそろっていましたが、今は増量してしのいでいます。それでも、粒落ちするのが美味しい…とりピートして下さる方もおり、有難い限りです。

 

周辺ではデントコーン(飼料用トウモロコシ)の収穫が始まり、すっかり見晴らしがよくなりました!

 

 

↓9月に入っても、まだ酷暑の草刈りが続いています。収穫や直売がない日は、大半を草刈りに費やしていると言っても過言ではありません。本著では、雑草に関する基礎知識や制御方法(主に機械除草や除草剤)に加えて、農業や河川、道路における雑草の害、特に中山間地域での今後の雑草管理の問題への対応として、里山雑草管理センター(仮)の必要性を提唱しています。雑草管理を多面的機能など環境保全として位置づけ、公金も活用しながら遊休農地の雑草を管理し、地域振興につなげていかなければ、田舎は荒れていくばかりでしょう。「農地を放置しておけば、いずれ自然状態になる…」と言う方もいますが、一旦、人が手を加えた農地が、自然に森になったりはしません。