6月半ばにブルーベリー園の開園をご報告したところですが、なんと継承が白紙となり、研修も6月末で終了となりました。

多品目果樹農家としての就農認定を11月に控え、ここにきて営農計画を大きく変更せざるを得なくなり、さすがにショックです。

 

更地にしようと業者まで手配していたところを、研修の名目で管理させて頂いて2年、つみとり売上は全て園主のものでした。

10月に地域おこし協力隊としての研修を終えるにあたり、正式に利用権設定の手続きに入ろうとしたところで、「買い手が見つかったから、続けたければ同額を支払うよう…」との要求…。

何とかならない額でもなかったのですが、そこまでして欲しいとも思えず、これ以上、金も気力も費やすのは無駄と判断しました。

 

幸いまだ2つのほ場があるので、これらの整備に専念して、早期に自立できるよう励みます。

こういうことがあると、30年も続けてきた巨峰ブドウ園を手放して譲ってくださった先輩農家さん、本当に勇気のある決断をしてくださったのだと、感謝の念に堪えません。

悔しい想いはありますが、今の研修期間中でまだよかったと開き直り、前に進んでいきいたいと思います。

 

雪の降る寒い日々、500本もの剪定を2年間させて頂きました。剪定枝の処理なども重労働でしたし、来年からはどうなるのか…。

 

何度も草刈りしましたし、妻と共におがくずマルチを敷いたり、根元の草取りなどもしました。思い出と愛着が芽生えたブルーベリーの木々と、急な別れになりました。

 

夏の青空に映るブルーベリーは美しく、美味でした。数年かかるかと思いますが、新たな圃場で苗木から育ててみます。

 

千波湖で行われている水戸ファーマーズマーケットで、6月末に出店させてもらいました。ここでブルーベリー摘み取り園の宣伝をするつもりでしたが、奇しくも最初で最後となってしまいました。

 

巨峰ブドウは摘粒をほぼ終え、梅雨明け頃には袋かけです。「捨てる神あれば拾う神あり」感謝と謙虚を忘れず、目の前のことにしっかり励んでいきたいものです。

 

 

↓昨年逝去された農民作家による、聞きかきながら思想書とも言える、70年の農業を通じた想いが語られている。「これまで日本をはじめ近代社会以前の農法は、収奪農業ではなく、資本(土)の利子として農作物を収穫し、人間のあり方と一体となって2千年以上も伝承されてきた。それは小農であり家族農業であり、人間のあり方と遊離した近代農業、欧米の収奪農業とは対極にあるもの。」儲かる農業とは、儲かる作物を、農かる間だけしか作らない短期的な農業で、利潤を目的とした経営に持続性はない。」「農業は日々発見。自然環境は常に変化し、これが絶対というものがない。謙虚にならざるを得ない…。」これから一小農を志す上で、道しるべとも言えるような言葉に溢れています。