今話題の『悪人』を見に行った。
月曜日ということでお客さんは少ないだろうと
思っていたが、結構に人が入っていた。
深津絵里が賞を取ったことが大きいだろう。
私もそれまではこの映画のことは知らなかった。
どんな内容かも知らず、タイトルが「悪人」だけに
相当な悪が描かれているのだろうと思っていた。
しかし映画を見て思うことは、悪人、善人は紙一重
だということ。今の世の中は真面目に生きている
人よりも、要領よくて適当に生きている人の方が
多い。できるだけ人と関わらず、浅い関係の中で
生きている。日本が昔貧しかった頃が、人間関係は
深いつながりがあった。しかし現在は物質的に恵まれ、
物で自分の欲求が充たされることが多くなり、わずらわしい
人との交わりよりも面倒くさくなくて良い。
世の中の便利さに心がついていけなくなった。
正義のものさしは何で計ったら正しいのだろうか。
妻夫木聡が演じた悪人は心のそこから悪人だろうか。
彼は幼い頃から、ず~と心が孤独で気持ちを
許せる人がいなかった。
私には樹木希林を騙した悪徳商法のやつらが真の
悪人に見えた。考え深い映画だった。