昨日の徳さんのライブの余韻に浸りながら、昔を振り返ると、

私は2000年5月に、旅先のニュージーランドで生命の危機に

陥り、異国での入院を余儀なくされた。私は命の不安、そして

言葉の不安で心は張り裂けるような毎日だった。そんな時に

唯一救いだったのが、徳さんの「オリオンの炎」と福ちゃんの

「桜坂」をカセットテープで聴くことだった。日本語が恋しくて

彼らの歌声で、慰められ、励まされた。不安で眠れず

カーテンの隙間から映し出される群青色に染まった空間を

見つめ、「オリオンの炎」を聴きながらいつも泣いていた。

いまでもオリオンの炎を聞くと、その時の堪らない気持ちが

思い出され、涙が流れる。やっとの想いで帰国するも

その足で入院となる。そして病気を告知され命と向き合う

日々が続いた。そんな私を友人が徳さんのライブに連れて

行ってくれた。嬉しくて、嬉しくてライブ中は殆んど泣いていた。

その後徳さんが、病魔に倒れ私は回復を祈り、近所の神社に

通った。私自身は小康状態が続いていた。1年半後に、徳さんは

復帰。友人が私の誕生日プレゼントと言ってトークライブに

招待してくれた。久しぶりにみた徳さんは五分刈頭で、少年の

ように初々しく見えた。その後はボーカリストがヒットし、

人気がまた急上昇した。ライブに行く度に思うことは、彼は

在るがままの自分を受け入れ、力まずじっくり生きることに

向き合っていると思う。私も今は何が合っても、全てを受け入れ

焦らず、流れに反さず前向きに生きようと思っている。

生きたくても生きられない人々が大勢いるなかで、

生きているだけで幸せだと思う。

アルバム「We All」を聴きながら思った、今日の私