大阪音大のコンサートに興味があった。
第九のチケットを買って、
庄内に降り立った。
音大と庄内のイメージは全く合わない。
北野高校が十三にあるのに近い。
音大前にはオペラ通りがある。
うっそうと茂る並木道を連想するが、
通りに面して古ぼけたアパートが建っている。
アパートの住人は、オペラ通りを避け、
裏道から出入りしているに違いない。
日本三文オペラは開高健の傑作だが、
庄内三文オペラはどんな展開になるか、
興味がある。
自由席であり、
入場前にかなりの列があった。
そこそこ立派なホールだ。
このホールは2階が良い。
全体が見渡せて、音の響きも良い。
音大の管弦楽団は
実に素晴らしかった。
団員の9割が女子だったが、
その女子が実に素晴らしい。
各パートの首席も当然女子なのだが、
彼女たちの実力は相当のものだ。
オーボエ上岡麻衣
ホルン池田留位
ファゴット篠原楓
他実に良い音だった。
彼女たちは、明日からでも大フィルで
演奏出来るはずだ。
特に第三楽章のメロディーが
余りにも美しく、
涙が滲んできた。
第九は合唱が余りにも有名で、
確かに圧倒的に迫るものがあるが、
ベートーベンは、第三楽章のメロディーを
奏でる為に、第九を書いたと確信する。
その美しさは、
この世のものとは思えない。
感動した。
大阪音大のコンサート、また行きたい。
オペラ通りを通ってね。