戊辰戦争では、
驚くべき数の女性たちが自害している。

それは何なのか?
疑問だった。

書店で、(おんなたちの会津戦争)
という本を買い、
一気に読んだ。
星亮一様ありがとうございます。

まず感じた事は、
会津藩士の家族に対する、
教え、躾の徹底、
いわゆる武士道精神だ。

【什の掟】という会津武士たちに対する会津藩の教えがある。

(ならぬことはならぬものです。)
は有名、

それを徹底して叩き込まれる。

女子も幼年者心得という教えがあり、勉強した。

女子も会津藩の教えに精通していないと、母になって子供を家庭で教育が出来なかった。

その家庭での母の教えの最後に、
必ず切腹の稽古をさせる。
これには驚いた。

切腹がごく身近なものとして、
叩き込まれていた。

生きて辱しめを受けるより、
自ら死を選ぶ事を徹底させる。

辱しめとは何なのか?
簡単に言うと、
プライドが傷つけられる事、

女子は特に恥辱を受ける事を表すらしい、
つまり官軍の手で恥辱を受けるなら、自ら死を選ぶ事が、
会津藩士のおんなたちのにとって、
最高の名誉という事になるのか?

日頃そのような躾が徹底されている会津藩のおんなたちにとって、
十分考えられる結末だったのかも、
知れない。

官軍といっても、
暴行や略奪の限りを尽くし、
会津の人たちからすれば、
賊軍とうつったらしい。

官軍がついに会津に侵入してきたとき、鐘が激しく叩かれ、
鶴ヶ城に逃げ遅れたり、
西郷頼母家の女性たちのように、
自ら家にとどまった人たちは、
白装束をまとい、
水杯をあげて自害したとある。

今の世の中、
会社でプライドを傷つけられた、
といって腹を切っていては、
腹がいくつあっても足りない。

時代というのは、
凄いものだ。

生きている中で、
一番大事なものが、
変わって行く。


今の時代、
大事なものは、
何なのか?

それがわからないまま、
自殺する若者が多い。

残念だが、
会津のおんなたちの自害とは、
全く意味が違うように、
思えてならない。