前回「カムカムエヴリバディ⑫」で最後に
「「ひなた編」で再び偶然の出会いから、カムカムエヴリバディが動き出す。」
と書いた。
それは英語との繋がりで、ひなたにとって祖母にあたる、「安子」への回帰が見られるのかという期待を込めていたが、先週はそれが裏切られてしまった。
それはひなたが母るいに似ず、飽きっぽくて何にも長続きしないためである。やっぱし生き方が不器用なのは父親のジョーに似ているようだ。
ひなたは自分が先行きどうなるか不安もある。それをひなたは、「命懸けでやり遂げる夢が見つからない」と表現している。
しかしるいはひなたに、「今は真っ暗闇に思えるかもしれないけれど、いつかきっと光が差してくる」と言って慰める。
るい自身が岡山で暗闇にいたかの状態から、大阪へ出て様々な出会いによって、暗闇から抜け出せたからこそ言えるのだろう。
これからひなたが、何を見つけるのかも注目だ。
ところで今のところひなたは、”ヘタレ”キャラのようにも見えるが、朝ドラ史上一番の”ヘタレ”キャラと言えば、今回の「カムカムエヴリバディ」と同じ藤本有紀氏が脚本を書いた「ちりとてちん」の主人公和田喜代美(貫地谷しほり)である。
喜代美の同級生に、優等生で学校の先生からも信頼されている、和田清海(佐藤めぐみ)がいて、読み方が同じ「わだきよみ」なので主人公喜代美の方は”B子”と呼ばれ、全てに対して自信を持てない。
そんな劣等感ばかりの主人公が、故郷福井を飛び出し、大阪で偶然の出会いから女落語家を目指すというストーリーであった。
そして、福井と大阪という2つの舞台を描くとともに、関西落語のネタがストーリーに膨らみや伏線をもたらしていた。
元来朝ドラのヒロインと言えば元気で何事も前向きに考え、見ている人にも朝から元気を与えるようなのがほとんどであった。それが「ちりとてちん」の場合は、視聴者が思わず主人公を助けてやりたいと思わせるような朝ドラであり、今でも人気のある朝ドラのひとつである。
「カムカムエヴリバディ」も同じ藤本作品なので、やはり人間同士、特に家族や友達の大事さを描くのも、「ちりとてちん」と同様だ。
また意外なところに伏線が張り巡らされているようで、今後どうそれが回収されていくかも楽しみである。