今回は「アバランチ」について書いてみたい。
前回「最愛」と同様、最終回が面白いと書いたが、正確に言うと5話以降の後半が圧倒的に面白かった。
アバランチの最終目標は内閣官房副長官大山(渡部篤郎)であったが、前半はその大山の手足になって動いている人物に狙いを定め、その秘密をネットに暴露して破滅させていくという展開であった。
言わば現代版“必殺仕置き人”というよくあるパターンかと思っていた。
それが後半に入ると大山側の逆襲が始まり、一時期アバランチは壊滅かというところまで追い込まれる展開になってきたあたりから、俄然面白さが増してくる。
そして、最後の数話は大山VS山守(木村佳乃)・羽生(綾瀬剛)の直接対決のシーンはどうなるかとヒリヒリさせてくれた。
また亡くなっていたはずの人物の登場ということで最終回直前と最終回で形勢がアバランチ側と大山側に行ったり来たりする展開はスピード感もあってわくわくさせてくれた。
こういうアクションシーンの多いドラマは、割と設定が大雑把なものも多いのだが、「アバランチ」は設定もしっかりしていた。
例えば最終回で山守が大山に対して「これから一気に雪崩が起きます。」と言った何気ないセリフがあるが、雪崩=「アバランチ」(Avalanche)の逆襲を暗に指しているのであり、こういった細かいところにも仕掛けが施されている。
また第5話では、「episode0」として、羽生がアバランチとして、山守と一緒に行動することになった過去が描かれるが、丸々1話を使って丁寧に描かれている。
だがこのepisodeによって絶望の淵にいた羽生が、“正義の力”を信じて再び立ち上がることになる、重要な回になっている。これは自分の勝手な見方であるが、最終回から遡ってepisode0まで見ていくと非常にストーリーが良くわかるのではないだろうか。
つまり、全体の構想がしっかりしているドラマは、見ている方も納得感が得られるのである。逆に言うとあまり“ご都合主義”の多いドラマは、白けてしまう。
最終回では羽生が姿を消し単独で動いているシーンで終わる。また大山も「ここはひとまず引くとするよ・・・」と不気味な言葉を山守に残しているので、大山の再逆襲を描く第2弾があるかもしれない。