宙組エリザベートを観たよ!を書いた中で、何か足らないなあと思ったら、フランツヨーゼフの真風涼帆について全く抜けてた‼︎
決して言及するに及ばずっていうわけじゃないのに、何で抜けたのかな?
最初配役発表があった時に、真風にフランツヨーゼフか?って思った。2番手だから順当な配役とも言えるけど、ルキーニで観たかったつてのが本音。
じゃあフランツヨーゼフは誰が?
組子の中では荷が重いから、専科から星条海斗あたりでもよかったんじゃ無いか?現に今まで歌に定評のある初風緑や北翔海莉が演ってるし。
でも今回は小池先生は、よりトートとフランツヨーゼフの対決色を出したかったのかな?
東宝エリザはトートとシシィを巡って争うというより、シシィの成長物語いやシシィの女の一生的な要素が強いからフランツヨーゼフの役割が宝塚版とは違う感じがする。
で、真風涼帆のフランツヨーゼフ。
思ったより良かった。歌が苦手な印象が有ったけど、低音もちゃんと出てたし、こもりがちな声もちゃんと歌えてたと思う。何より最初の青年皇帝の場面からお見合いして結婚するまで、美しく憧れの旦那様としては合格だった。
シシィからドアを隔てて最後通告を突きつけられる場面から鏡の間の告白と、1幕は十分演じきれてたと思う。
それだけに2幕の印象が薄いのが惜しい。
シシィに拒絶され、皇帝として国家人民のために生きる中で、反乱分子に踊らされた息子ルドルフへの対峙の仕方、シシィへの変わらぬ愛情を持ちながら分かり合えない苦悩が伝わってこない。
それだけフランツヨーゼフという役は辛抱役ということか?
でも初演の高嶺ふぶきや稔幸はバリバリの2番手男役の色気も有りながらも、2幕の苦悩も伝わってきたし、トートとの最後の審判も見応えが有ったように思う。
ここが宝塚版の肝、愛と死の輪舞の副題が付いてる所以だと思うのよね。だから2幕最初のシシィがトートとにらみ合う「私が踊る時」は宝塚版には要らないと思う。東宝版はシシィが自我に目覚め、ますます自分に対する自信からトートを鼻で笑う強さを出すナンバーとして効果的だと思うけど、宝塚版には要らないなあ。っていうか、初演あたりのハンガリーの民衆に熱狂的に歓迎され自信満々のシシィが舞台奥に引っ込んで行って、それを置いてけぼりにされた少年ルドルフの「ママ〜‼︎」からソロへの流れが好きだったから。いかにもシシィがルドルフより自己実現に邁進していってる感じがよく出てた。
それと瞳子ちゃんの少年ルドルフのボーイソプラノをような歌声。少年らしい可愛さも有りながらも屈折した残虐性を持つルドルフの人物像が、青年ルドルフのタータンに入れ替わるまで、1本芯が通ってた。少年ルドルフは月影瞳がやってから娘役がやることも多いけど、やっぱり新人男役がやって欲しいなあ。じゃないと青年ルドルフとのつながりがブチ切れてしまう。
真風プランツヨーゼフから脱線してしまったけど、宝塚版と東宝版は違っていいと思うし、小池先生も東宝版に専念して、宝塚版は中堅座付演出家が深めて行ってくれたら、もっと面白いのになあつて思う。今の宝塚版はダイジェスト感が否めないな〜。
かつてベルばらが再演を重ねる毎に原作から離れて行ってしまう改悪の演出を苦々しく感じてた身としては、宝塚版エリザベートはあまり改悪は無いかもしれないけど。少年ルドルフの出の場面や、ミルクの場面が銀橋に出て来たり、ハンガリーの革命家に余計な台詞を言わせたり、小池先生が新しいものをやろうとするとどんどん変になってしまう。
ここはかつての荻田先生のような宝塚ならではの、きらびやかな中にも妖しさを感じさせてくれるカタルシスを味あわせて欲しい(*^^*)