★★★★★★★★★

2006年 94min.

ネタバレ

 最近はラストを伏せる傾向にあります

敬称略

 

 

監 督

 ハンス・ホーン

製作総指揮

 ステファン・バース

製 作

 ダン・マーグ

 フィリップ・シュルツ=ダイル

脚 本

 アダム・クルートナー

 デイヴィッド・ミッチェル

音 楽

 グイド・ツェッティア

 

エイミー:

 スーザン・メイ・プラット

ジェイムズ:

 リチャード・スパイト・ジュニア

ローレン:

 アリ・ヒリス

ダン:

 エリック・デイン

ミッシェル:

 キャメロン・リチャードソン

ザック:

 ニクラウス・ランゲ

 

 

 これは隠れた名作じゃないですかね。

 

 いや、話は簡単なんですよ。6人の男女がクルーズ船で海に出て全員が海に入るけれども、考えなしに飛び込んだためにハシゴをおろすのを忘れ、そのために船に上がることができずに次々と脱落していく、て。でもね、ただそれだけ、それだけなのにめっちゃコワいんですよ。しかもこれ、いやいやそんなことないやろ、上がれるやろ、って検証してほしい旨の依頼が「探偵!ナイトスクープ」にあった、なんてこともありましたから、これ観ないとソンやないかと思うわけです。

 

 ちなみに「オープン・ウォーター2」て言ってるからには「オープン・ウォーター」て1作目もあるわけで、こちらもコワかったですねえ。わたし高校時代は水泳部でしたのでゼッタイに海では泳ぎませんけど、ほんとこれ、海はコワイわ、て思った映画でした。

 

↑こちらが主役のエイミー(スーザン・メイ・プラット)。

 

↑そしてこちらがザック(ニクラウス・ランゲ)。

 

↑仲は良さそうなんですよ。

 

 やってることはアホでしたけど、アホっぽくはないし、見てくれはみんな悪くはないです。右から2人目がダン(エリック・デイン)、ウルトラ警備隊員ですね。違いますね。

 

 えと、左からエイミー、ザック、ダン隊員、そしてザックの彼女のローレン(アリ・ヒリス)というスターティングラインナップです。

 

↑だそうです。

 

 いやいや、そうなってくるとけっこう入り込みますよ。なんて言ってたら、

 

↑あ、そうなん、てなりました。5年後。

 

↑5年後のエイミーは結婚してました。

 

 右が夫のジェイムズ(リチャード・スパイト・ジュニア)です。

 

↑こちらのふたりと合流です。

 

 うしろがローレン、前がザックですよ。

 

 ザックの誕生祝に親友一同が集まってクルーズヨットでパーティーしようぜ、ということのようですね。ところがエイミーは

 

↑桟橋に出たら表情が一変しましたよ。

 

 なんかいわくありげでいいじゃないですか。演技はしっかりとしてますね。いい役者さんです。

 

 とはいえヨットは

 

↑あっという間に出航です。

 

 ここまでで余分なとこはまったくないですね。まあ始まって10分も経ってないんですけどね、でもいい感じですよ。幸先良いスタートじゃないですか。て、あ、ヨットはダン隊員のやつみたいですね。

 

 えとエイミーにはだんなのジェイムズがいて、ザックはローレンとカップル、ダン隊員だけ一人ものなんですけど今回のクルーズには街で引っ掛けた女子、

 

↑ミッシェル(キャメロン・リチャードソン)連れて来ましたよ。

 

 あ、もうひとり忘れちゃならないのは、エイミーとジェイムズの娘

 

↑サラ(マッテアとルカのギャバレッタ双子姉妹)です。

 

 て、赤ちゃん連れてくんなよ、とは誰しもが思いますかね。

 

↑タイタニックもありぃので、

 

 当のザックは、古いな、言うとりますよ。本作2006年、「タイタニック」1997年。まあ確かに10年近く前となると古いのでしょうか。10年なんてあっという間やけどなと思ってましたよ。

 

 で、みなさん、

 

↑やっちまったなあ、です。

 

 次々と無配慮に海に飛び込みました。赤ちゃんがぐずったのでエイミーはまだヨットにいますけどね。そもそもエイミーはなにかしらのトラウマがあるようですからね、海には入らんかったんじゃないのか、って思ったんですよ。

 

↑そしたらヨットにはエイミーだけでなくダン隊員もいて、

 

 なんか昔は好きだったとか言うとられますよ。こんなとこで人妻ナンパしてどうにかなるとでも思ったのでしょうかね。やっぱアホなんかななんて思ってましたら

 

↑やってまいよりました。

 

 そらね、ダン隊員的には昔愛した人が海にトラウマを抱えてるならそれを払しょくさせてやりたいと、それには荒療治が必要だと、思ったとしてもそれはそれでナットクはするんですよ。でもね、もうちょっと熟慮がほしかったと、こと本作に関しては思うのですよ。せめてハシゴのことを思い出してほしかった、て。そしたらあんな悲惨なことにはならなかったのに、て、なんかもうつくづくザンネンなわけです。

 

↑こちらはエイミーの子どものころの回想シーンです。

 

 エイミー、子どものころに海の事故で目の前でパパを亡くしてるということだったのですね。そら海にトラウマになるわさ、となります。それをダン隊員は知ってか知らずか、ウルトラ警備隊員のくせに一番浅はかなんですね。地に落ちたもんです。もうウルトラ警備隊は除隊ですね。

 

 でいよいよ、

 

↑ハシゴない、って言って大騒ぎになっとりますよ。

 

 とはいえ、

 

↑エイミーがヤバいから戻らねばならないのですね。

 

 いやもうほんと、ドキドキしてきましたよ。コワいです。

 

 ていうか、

 

↑これは登れんですね。

 

 わたし、アカンやん、て笑ってしまいました。

 

 ジェイムズは愛する妻のエイミーを安心させようとするんですけど、

 

↑この笑顔でよけいにキンチョー感が増します。

 

 いや、赤ちゃんも残ってるわけですしね。エライこっちゃです。

 

 ここでちょっとザンネンだったのは、ヨットがまったく揺れてないところでしたねえ。いやたしかに、普通に役者さんたちにこんなとこで演技させてたら危なくて仕方ないですよ。海での危険なホラー映画撮影中にほんとの事故になってしまうというのは誰が考えてもわかることではありますよ。海ではない、ひょっとしたらスタジオ内のプールでの撮影かもしれないですけど、いずれにしても本物のこれだけ大きなヨットを浮かべてその船底に役者を近づけるなんて、事務所が許さないですよね。それはわかるんです。でもね、

 

↑これヨット、微動だにしてませんでしたからね。

 

 波に揺れてないのはやっぱりおかしいですよ。う~ん、いやいや観ててもそんなとこには気づかないよ、て言われるかもしれないですけど、わたし気づいちゃいましたからね。わたしが気づくんですから、ほかにも気づいた観客はたくさんいると思うんですね。そうなるとやっぱり、ザンネンやなあ、てなっちゃいますね。

 

 まあそれはそれとして。

 

 いずれにしてもこれ、どうやってもアカンですね。どう考えてもムリなのでは、と。まあね、そらなんとかなりそうっちゃなりそうだから「探偵!ナイトスクープ」にも依頼したのでしょうけれども、これ遠目で見てもやっぱり足がかりがないとムリですよね。でもこれ実話じゃないですか。当人たちの気持ち思ったらもうなんかほんとにドキドキしちゃいますよね。ヘタなホラー映画よりはるかにコワいわけです。

 

 そしたらミッシェルが

 

↑なにかが足に触った、て……。

 

 そうなんですよ。サメのこともありますからね、さらに怖さが増します。

 

↑ずっと立ち泳ぎだし。

 

 いくら海とはいえこれは疲れますよ。さらに、どれだけ暑くても長時間水に浸かってたら低体温症にもなっちゃいますし、もういいことひとつもないです。

 

 で、そうなってくるとやっぱりヨットの持ち主の

 

↑ダン元隊員が全員から糾弾される、ということになりますね。

 

 おまえ持ち主のくせになんでハシゴ下ろしとかんかったんや、て。ダンだけに糾弾、です。まあいいです。

 

 これフツーだったら観ててイヤ~な気持ちになるんですけど、こと本作に関しては、恐怖はみんな同じだし、じつは親友どうしだし、そもそも責めても始まらんというのもみんな知ってることですからね、で、そういういがみ合いみたいなのも長くは続かないし、逆にいがみ合いというよりはダン元隊員がシュンとなってしまって、かわいそうしかないんですよね。そもそもけっきょくみんなで協力しないと、赤ちゃんもいるわけですしね。

 

 これほんとよくできてますよ。観せる、ということに徹してますからね、ほんと観応えあるんですよ。監督さんはぜんぜん知らない人なんですけど、どういう人なんでしょうか。もちろんこれ、実話だってこともありますけど、そうだとしてもこの出来は秀逸だと思いますよ。イヤな気持ちにさせず怖がらせる。素晴らしいです。

 

 で、まずこの方、

 

↑ミッシェルがパニックになりました。

 

 最初っから怪しかったですからね。でもこの子からしてみれば、ダン元隊員に連れてこられただけで、ほかのみんなのことはよく知らんわけですよ。ほかはみんな親友でしょ。そらそうなると、こんな状況では疎外感はハンパないですよね。しかも頼みの綱の元隊員はみんなからいじめられてるし。そらパニックにもなりますって。

 

 そういうこともあって、基本こちらからしてみればみんながかわいそう、なんです。完璧に全員に感情移入してますよ。いい脚本です。

 

↑意外にこの子、演技うまいですし。

 

 いや失礼ですけど、役がら的には意外です。

 

↑途中、ほかのボートもわきを通るんですけど、

 

↑こんなですから、

 

 酔っ払い運転状態なのでなにも気付かず

 

↑行ってしまいました。

 

 実話でもこんなんだったのでしょうか。もしそうなら、あとからこの事件のこと知って自分たちの愚行に気づいて一生悔やめばいい、とさえ思ってしまいましたよ。

 

↑かわいそうでなりません。

 

 命の瀬戸際、ですからね。

 

 このあと元隊員が、いいこと考えた、って行ってみんなの水着を脱がせて結んで縄にして、ヨットの手すりに引っ掛けて登ろう、ということになりました。

 

 ここのシーンでも、えっ、てなるとこありまして。

 

↑みんなの水着をザックがナイフで切っとられますけど、

 

 いやいやこのナイフ、どこにあったん、とはなりました。なんかこんなナイフあったらもうちょっとなんとかなりそうな気もしたんですよ。なんともならなかったかもしれないですけど、でもいろいろ考えようもあったのでは、と。そもそもこれ、誰がどこにどうやって持っていたのか、まったくわからないのですね。唐突に出てきた感があって、ちょっとここもザンネンではありました。もちろん致命的なことではないですけど、そういうことは最初っから言っといてくれれば、と思ったのも事実ではあります。

 

 さて、話は

 

↑意外に簡単に引っかかってザックが昇るんですけど、

 

 いやいや、お前みたいなでっかいのじゃなくって、きゃしゃな体重も軽い女の子のほうがええやろ、て思ってましたよ。

 

 そんな思いをちょっと逸らせるかのように、ジェイムズが一人で船底を調べるって言って海に潜るのですけれども、持って行ったナイフを落としてしまい

 

↑深追いしすぎちゃいましてね、

 

 ヤバいって~、なんて思ってましたら、船に登ろうとしていたザック、

 

↑落ちました。

 

 いや、この交互の畳みかけはもう脳がパニックになります。めっちゃキンチョーするんですよ。手に汗握ってましたね、わたし。

 

 で、ジェイムズは

 

↑こうなっちゃいました。

 

 ナイフを深追いしすぎて息が続かなくなって、あわてて浮上して船底に頭ぶつけて、て。頭蓋骨骨折だ、って確かローレンが言ってましたけど、看護師かなんかなんかなあ、とは思いましたが、誰の職業も説明なかったので、そこは別にいいでしょう。いずれにしても事態は悪くなる一方なのですね。

 

 そうこうしてたらザック、

 

↑ナイフが腹に刺さりました。

 

 ナイフ自体はジェイムズが持って帰ってきたんですね。よう見つかったなとは思いますけどね。海の中を漂っていたのでしょうか。なんて観終わって冷静になって考えたらそうも思うんですけど、観ている最中はもう極度のキンチョー感とみんながかわいそうなんていういろんな気持ちが錯綜しすぎてて、脳が追いついてきてませんから、そんなこと思いもしませんね。

 

 まあそれが、出来がいいのかどうなのかってとこはありますけど、ここはしてやられた、ということにしておきましょうか。

 

 えと、で、ザック。船の腹にあった四角いハッチみたいなものをナイフでこじ開けようとして、それを、船に傷つけるななんて言うダン元隊員に阻止されてもみあいになって、ということです。もうねザック、かわいそすぎるでしょ。誕生日ですよ。サイアクじゃないですか。

 

↑おっしゃる通りです。

 

 パニックになってますから、悪い方にしか考えが行きません。

 

 けっきょく最後までサメの脅威はなかったですけど、サメがいない海域だったのですかね。そんなとこないと思いますけどね。サメは暖かい海にしかいないっていいますけど、サメの棲めないような冷たい海にこんな長時間は浸かってられないですしね。ちょっとここもどうだったのかはわからないところですが、実話でほんとにこうなっていたのなら、まあそれはそれで不幸中の幸いだったということでしょうかね。よくわかりませんけどね。

 

 そうこうしてたら赤ちゃん泣きだしました。部屋に見守りマイクを置いておいて、スピーカーをヨットのヘリに設置してあったそのスピーカーから泣き声が聞こえてきた、ということです。

 

 で、もちろんお母さんも

 

↑こうなりました。

 

 サイアク、ですね。

 

 そして、

 

↑ワンダウンです。

 

↑コワすぎます。

 

 いくら亡くなっているとはいえ、これから光りの届かない深海に沈んでいくんですよ。ゾッとしかしないですよね。TATSUYAではサスペンスてジャンルになってましたけど、これ紛れもないホラーですよ。

 

 そして、

 

↑ザックも亡くなりました。

 

↑そらジェイムズも怒ります。

 

 激オコですよ。

 

 ダン元隊員はジェイムズに殴られて、

 

↑みんなに告白します。

 

 自分はそんなヨットを持てるほどの金持ちじゃなくって、ええカッコしいなだけだった、と。さらに可哀そうになってきました。なんなんでしょうかね、この全員に対する感情移入は。みんながみんな同じ恐怖を味わっているからなのか、超人的なヤツが一人もいないからなのか。よくわかんないですけど、そうさせる脚本と演出と演技はほぼ秀逸ですね。

 

 音楽もいいですよ。ヘタに煽ることはまったくなく、ちょっと海の神秘的なところも漂わせて。最高ですよ。やってることはこれだけなのに、ホントいいホラーですよね。

 

↑ローレンは陸を目指して泳ぐ、だそうです。

 

 まあそれもアリなんでしょうね、こうなったら。このあとのローレンがどうなったかは描かれてませんでしたから、実質これがローレンとの最後となりました。

 

 あたりはすっかり暗くなってきましてね、夜は寒さでアウトでしょうね。ワンチャン、ライフジャケット着てるエイミーがどうなるか、ってことでしょうか。ジェイムズは頭がい骨骨折で時間の問題ですし、ダン元隊員は責任感じすぎて使いもんにならなくなっちゃってますし、ドキドキが止まりませんね。

 

 えと、ナイフ自体はさきほどのザック事件ですっかりどっかいっちゃいましてね、ダン元隊員は探しに行くって言って潜りますけど、

 

↑そらムリですし、

 

 絶望しかないです。て、ほんとに探して見つかると思ってはなかったんじゃないですかね。ダンくんは責任を感じてなにかしなきゃいけない、でもすることはナイフを探すことしかない、じゃあへとへとになるまでやることやって最後は力尽きてもいい、くらいに考えてたんじゃないでしょうか。だって水深何mあると思ってんねん、て。もうすっかり暗いですし。

 

 て、なんかそうやってポジティヴに考えてあげちゃうほど感情移入してるってことですね。

 

 で、

 

↑ジェイムズ、逝かれました。

 

 わたし、泣いてしまいましたよ。

 

 もうほんと、良質なホラー映画です。

 

↑こんなとこで愛する人が亡くなって、

 

 子どもの父親も亡くしたってことでしょ?サイアクしかないじゃないですか。胸が締め付けられます。

 

 えと最後は、ダン元隊員があんなふうにするイミがなかったような気もするんですけど、とはいえ彼の気持ちを慮ったらそれもわかる気もするし、そもそも実話に基づいてるならそうだったんかな、ていうとこもありますかね。まあ、「基づいてる」ってだけで実話をそのまま映画化したってわけではないですからね、けっこうフィクションはあるんでしょうけれども、でもやっぱりいいホラー映画だ、ということに変わりはないです。

 

 ラストシーンはエイミーの過去の記憶もフラッシュバックして、珠玉のラストとなっとりましたよ。

 

 曲も含めてすべてが融合してできた最高質なホラー映画。ヨットが微動だにしてなかったのとナイフはどこから出てきた問題を合わせてマイナス1ということで。

 

 いやあ久々にキンチョーしました。ああコワかった。

 

 あ、ちなみに原題の “ADRIFT” 、意味は「漂流する」です。まんまやんけ。

 

 

今日の一言

「死霊もバケモノも殺人鬼もいないのに、コワすぎる」

 

 

レビューさくいん

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