★★☆☆☆☆☆☆☆☆

1988年 88min.

ネタバレ バレバレです

敬称略

 

 

 監督 テレンス・H・ウィンクルス

 製作 ジェリー・コーマン

 脚本 ロバート・キング

 音楽 リック・コンラッド

 

 リチャード:フランク・ラッツ

 エリザベス:リサ・ラングロワ

 エライアス市長:ロバート・ランシング

 モーガン博士:テリー・トリーズ

 ホーマー:スティーヴン・デイヴィス

 ベニントン:ダイアナ・ベラミー

 リリアン:ナンシー・モーガン

 ジェイク:ジャック・コリンズ

 チャーチ:ジェフ・ウィンクルス

 パーキンス:スティーヴ・タネン

 ジェニー:ハイディ・ヘルマー

 

 

 う~ん、観てはいるはずなんだけどなあ、全然覚えてへんなあ、で観始めました。なんかゴキブリの映画っぽいはぽいです。オープニングは「ジョーズ」感満載でしたけど……。

 

↑そうこうしてますとウィノナ・ライダーそっくりな方が現れましたよ。

 

 主人公、なんでしょう、ベス役のリサ・ラングロワです。

 

 本土から飛行機でやってきた市長の来週の誕生日のお祝いのスペシャルゲストというわけで、もう一人の主人公である、舞台となるこの島の保安官リチャードが迎えにきた、と。

 

 たしか冒頭でそういう話をリチャードが電話でしてたのですけれども、

 

↑保安官のリチャード(フランク・ラッツ)が電話しとりますよ。

 

 このリチャードが右手に持ってるコーヒーカップの中にですね、

 

↑見にくいですけど……、ゴキブリが入ってたわけですよ。

 

 しかもそのコップを飲もうとしたところで話すもんですからね、けっきょく口をつけるまで行って飲まない、なんてことを繰り返してまして、もう観ててそれが気になって気になって、会話の内容なんてまったく入ってきてなかったのですよ。まあ仕方なく、邪道ではありますが、いったんDVDを冒頭のシーンへ戻して、いったいこの二人はなにものなんやと把握した、というわけです。

 

 これ、邪道ではありますけれど、DVDだからできる技であって、映画館で観てたらなんのこっちゃかさっぱりわかんなかったと思いますよ。もうのっけからB級感満載なわけです。

 

 あ、で、ゴキブリのくだりは、

 

↑やってもうた、て感じで、

 

↑ゴキブリ吹き出してます。

 

 これ要するに保安官、いったんゴキブリを口に含んだってことですよね。ゴキブリの大きさと口のすぼめ方を見てると決していったん口に入るとは思えませんけどね、まあいいです。

 

 ところが保安官、

 

↑島の唯一っぽい食堂に入ると、

 

↑この食堂で働く女性リリアン(ナンシー・モーガン)とこんなしてますが。

 

 まあ要するにこの島で普通に平穏に暮らしていた保安官とリリアンのカップルのところに、島から出ていって別れることになってしまった保安官の元カノであるベスが帰ってきて三角関係勃発、ということになると、これは容易に想像できますね。それがこの話の筋にどう関わってくるのかはわかりませんけれど、たぶんそういうことやろなあ、と思ってましたら、やっぱりそういう方向で話は進んでました。

 

↑こんなに親しげですからね。

 

 もう不倫の臭い満載なわけですよ。まあでもそんな人間模様は、こんなB級ホラーには不要なんですけどね。ちなみにここでようやくベスが市長の娘ということが語られますけど、それも早い段階で想像はついてましたよ。なにせベス、市長へのサプライズゲストなわけですからね。

 

↑ということで、父娘再会なわけです。

 

 ベスは苦しそうですけど。

 

 で、予想はばんばん当たりますね。まあ、わかりやすくっていいっちゃいいんですけど、ただ、この再会のシーンはお父さんのエライアス市長(ロバート・ランシング)、めっちゃ名演技でした。

 

↑景色がいいです。

 

 そんなしてますとね、突然この写真のような場所が出てきたと思うと、ヘンな音がしておどろおどろしいBGMも流れてきて、音だけ聴いているとものすごくホラー感なのですけれども、ここはもうこれ景色が良すぎてですね、ホラー感はまったく入ってきませんでした。

 

 なんかいろいろ入ってこん映画やな、という感じですよ。B級らしいっちゃらしいですけど。

 

 ていうか、先にも言いましたけれど、ここまではほんとにこれ「ジョーズ」っぽいです。音楽も若干似せてるのかな、という感じですしね。

 

 でもここへきて開始15分くらいですか、犬が最初の犠牲になりまして、興味はわいてきました。いろいろ入ってこなかったり余分ちゃうかなんてとこもありましたけど、15分の出来事ですからすんなり受け流せるという感じで、流れは悪くないです。

 

↑で、20分でいよいよ人間が犠牲になります。

 

 こちらのお方は、さきほど出てきた保安官の今カノであるリリアンのお父さんだそうです。まあリリアンはもうちょっとすると元カノになりますけどね、ザンネンながら。

 

↑こんなして床に這いつくばった視線、みたいな映像見せれはゴキブリ感は容易に出せますね。

 

 このゴキブリにリリアンぱぱが殺られるわけです。

 

↑手がちぎられてしまいました。

 

 ゴキブリはデカいんですかね。それとも大量にいるとでもいうのでしょうか。

 

 ほらほら、興味がわいてきましたよ。

 

↑場面が変わって、市長が本土から博士を呼び寄せました。

 

 このシーンでようやく市長の名前がジョンソンだとわかりましたが、なんかこの映画、登場人物の名前がなかなか出てきません。ちゃんと原語で聞いていたらわかるのかもですけれど、字幕で観てますからね、こっちは。そうしたところの配慮は、日本側にもほしいところではありました。

 

 ちなみに市長が挨拶しているお方はハバード博士、テリー・トリーズです。

 

↑島は「ノースポート」というのでしょうかね。

 

 ところでこの看板ですが、わたしこれとそっくりなのを東京ディズニーリゾートで見た気がするのですけれども、違いますかね。どうやっても思い出せませんし、過去の莫大な数の写真見ても出てきません。Yahoo!知恵袋でも聞いてますが返答もなく……。どなたかご存じでしたら教えていただきたいとお願いいたします。

 

 さて、そうこうしてますと、

 

↑市長と博士がなにやら実験してます。

 

 う~ん、てことはこの市長、ゴキブリ凶暴化の元凶かということになりそうですね。

 

 博士はなにやら得体のしれない薬をゴキブリに当てて殺虫してますけれど、これ人間が吸っても命を落とす代物だそうでしてね。どうやら市長が絡んでいた、島を開発しようとしたインテック社ってのがいろいろしたらしいのですけれど、それは本作では、別にそう大した話ではありませんでした。まあ、観客の皆さんは言わんでもわかるでしょ、という感じで添え話みたいになってましたね。

 

 話としてはね、ここまでこう想像通りですと、ありふれた話ってことなんですけれども、でもおもしろくないかと言われればそうでもなくって、おもしろいっちゃおもしろいんですよ、B級なりに、ですけど。最初のうち、こんなんいらんわなあなんて思ってた不倫どうのこうのの話も極力抑えてありますし、抑えてあるからこそそれがメリハリになってていいんですよ。

 

↑早々にリリアンはフラれましたからね。

 

 そうなると、あとはこのゴキブリって地味な題材でどう盛り上げてくれるか、ってことになるのでしょうけれども、ここまで30分強、そろそろハデにしてくんないと尻すぼみになっちゃうよなあ、なんて思って観てました。

 

↑リサ・ラングロワだって熱演ですよ。

 

 こうしてみなさん演技上手いですしね。あとはハデにするだけ、なわけです。

 

 ここで思ったのは、でもやっぱりB級にしてはグロいシーンが少ないかなあ、てことでしょうか。イヌとネコと、ドクターの手が血まみれになったくらいですからね。あ、あと、おっちゃんの手がちぎれたとこですか。でもまだそれだけなんです。

 

 なんて言ってましたら、46分にしてとうとう出てきましたよ。

 

↑手をちぎられたおっちゃんです。

 

 リリアンぱぱですね。ジェイク役のジャック・コリンズ。何日か経ってはいるのでしょうけれど、だから白骨を想像してましたらそうでもなかったです。腐敗で白骨というよりも、ゴキブリに喰いつくされての、て思ってたんですけどね。そういう細かいところが行き届いてないのは、まあB級ホラーですから仕方ないこととしてこちらも受け止めざるを得ませんね。

 

 さあところが、です。ここらへんからどうにも怪しくなってくるんですよ。わたし最初っから、これ「ジョーズ」っぽいよな、なんて言ってましたけどね、

 

↑いやこれ「クリープショー」じゃん、ってなったんですよ。

 

 あれ、って思いましたね。

 

 でもまあ、そういうのもアリでしょう、ただそれならそれで迫力に欠けるなあ、とは思いました。「クリープショー」パクるならこのゴキブリの絶対量の少なさはアカンやろ、的な。いろいろゴキブリが拡散していく過程は悪くはないんです。でも、ならもうちょっと、いや、もう相当ゴキブリ増やさないと、つて感じなんですよ。そしたら……。

 

↑リリアンが食堂に大量発生したゴキブリと奮闘してるんですけどね。

 

 いや、あれ、これ「グレムリン」じゃん、てなりました。

 

 まあですね、B級ですからね、予算もあるでしょうから仕方ないのでしょうけれども、でもこうまであからさまにしないでも、もうちょっとそこかしこにオリジナル性だしてくれればよかったのに、ってなりました。なんか美人しかいないってのも気になりますしね。話はおもしろいわけですから、もったいないんですよ。まあ5つかなあ、という感じなわけです。

 

↑なんか直後にリリアン、お亡くなりになってました。

 

 これ、唐突でしたねえ。都合よすぎる感は否めませんが、ここでこうして殺られてしまうなら、あんな不倫まがいの話は最初っからいらんかったのになあ、とは思います。でもってこれ、殺られてる姿がまたキレイすぎるんですよ。キレイすぎて、だからなんで息絶えてるのかまったくわかりませんでした。最後までその説明もなかったですしね。ゴキブリに殺られたのではないなら、なんだったのでしょう。

 

 さて、ということでここらへんでようやく事実関係がわかってきましたよ。

 

 要するにですね、ゴキブリ駆除としてお互いに食べあうゴキブリを開発したら、なんか突然変異かなんかでなんでも食べちゃうゴキブリに進化してしまった、と。簡単に言うとそういうことですね。それにインテック社が絡んでる、とまあそういうことで。

 

 でもそうなるとこれ一気にホラーじゃなくなっちゃうんですよねえ。怪物ものとでもいうか、パニックものとでもいうか。あくまでもホラーというならこれ、「クリープショー」の足元にも及ばなくなってしまうわけですね。

 

 なんていってましたら……。

 

↑ネコ、生き返りますよ。

 

 もうおわかりですよね。「死霊のしたたり」ですよ。「ペット・セメタリー」も入ってますかね。

 

 でもってさらにですね、ここらへんからもうトンデモなことになって収拾収つかなくなっていくのですけれども、このゴキブリたち、あろうことかなんと食べたものに変身しちゃうっていうんですよ。「遊星からの物体X」をも凌駕しようというのかと、わたし愕然です。

 

↑ネコに変身したゴキブリだそうで。

 

 こうなってくると心配なのは、ひょっとしてこいつら、人間にもなってしまうのでは、ということになりますね。B級なんて言ってたのははるか昔の話で、イッキにC級へとランクを落とし、わたしの評価のもどんどん減っていきます。

 

↑こんな感じのシーンは「ゾンビ」にありましたね。ラストのとこで、ケン・フォリー。でもベスが持っているのはライフルでなくって消火器ですけどね。

 

↑さあさあ、いつのまにか殺られていた市長さんも復活です。

 

↑もちろんこうなります。

 

 ということで、ゴキブリが人間になるのではなく、なんか喰われた人間がゴキブリになるということらしいです。もうよくわかりませんね。内臓を食べて内側からゴキブリが支配していく、ということなのでしょうかね。これではもう「ザ・フライ」と「ドッペルゲンガー」です。

 

 要するにこの映画、ホラーでもパニックでも怪物でもなく、単にパロディ映画だった、ということですね。

 

↑見にくいですけど、車の中でパニックになってます。

 

 車に侵入してきたゴキブリを大騒ぎで叩き潰すという。わたしもう爆笑してましたよ。そしたらカーラジオのスイッチに手が触れて、かかった曲が「フィガロの結婚」……。まあ、そういうコメディということであればそれはそれでアリですけどね。運転の最中なのにまったく前見てないですけど。

 

↑ドクター、とうとうゴキブリの卵に囲まれました。

 

 「エイリアン」です。言い切ります。「エイリアン」です。

 

↑怪物になりました。

 

 もうね、そうくると思ってましたよ。「リバイアサン」をもほうふつとさせるわけです。まあ公開年は「リバイアサン」のがあとですけどね、1年。

 

 えと、まあということで、おもしろくないことはないんですよ、何度も言いますけど。でもあまりにこれパロディが過ぎるというか、脚本が稚拙というか。オリジナル性はまったくないですからね。最初っから最後まで、なんかどっかで観た感じがずーっと漂ってます。ところとごろのコメディ要素はイヤミもなくってわたし的には受け入れ可能ですけど、ラストは唐突でしたし、2つが限界となってしまいました。特撮はがんばってるな、の2つです。

 

 エンディング曲が当時流行りのロックだってのは、時代を感じました。

 

 

今日の一言

↑顕微鏡で見たゴキブリの映像ですって。

 

「いやこの顕微鏡、倍率何倍で見とんねん」

 

 

レビュー さくいん