大阪副首都にふさわしい大都市制度を考える 特別区?総合区?行政区? #副首都 #大阪都構想 | 選挙バカ一代~衆院選、参院選、統一地方選~

大阪副首都にふさわしい大都市制度を考える 特別区?総合区?行政区? #副首都 #大阪都構想

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http://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000369027.html

今日は大都市制度研究第3弾。いよいよ「特別区」「総合区」の中身に入っていきます。
一昨日、昨日と、なぜ大都市制度を変えないといけないのか、最終的にどこを目指しているのかを見てきました。
え?昨日触れたゴールについて(国の出先機関(地方整備局、経済産業局等)の関西広域連合への「丸ごと移管」や、政府機関の移転等(中小企業庁、特許庁))、現行制度のままでは不可能なのかって???
できるもんならやってみてくださいよ、って感じですね。もし現行制度のままでも実現可能なのであれば、それも立派な「対案」だと思います。
但し、単なる口だけのハッタリではなく、ちゃんと決裁権を持っている人に根回しをして、肯定的な反応を得た上で主張してくださいね。

さて、今日は特別区、総合区、行政区といろんな用語が出てきましたが、それぞれの具体的な中身を見ていく前に、これらの用語の整理をしていきたいと思います。
例によって、第4回副首都推進本部会議の資料を元に説明していきます

まず、行政区。これは今の制度の事。
大阪市は政令指定都市であり、270万人もの市民が住んでいます。
270万人もの市民を市長一人で見るのは無理なので、市内をいくつかの区に分割し、区長を置くことができます。
総合区と行政区はあくまで大阪市の内部組織であるという枠組みは同じ。ただ、区長の権限が異なるという事です。
で、その区長の権限ですが、まず行政区。
行政区の区長は一般職の扱いであり、市長が任命権を持っています。
区長には人事・予算・条例に関する権限はありません。え?バカな事を言うなって?橋下市長時代に区長の下で各区独自事業を行っていたじゃないかって?
平成26年度当初予算でも東成区独自事業だけで80億くらい予算があっただろって?

確かにそうです。というか、あれは都構想への移行が前提で、あくまで橋下市長の承認の下で行った事。吉村市長の間は橋下路線を継承するでしょうが、決定権はあくまで市長が持っているので、別の市長になればどうなるか分かりません。

一方の総合区。こちらも大阪市をいくつかの区に分けるのは同じ。区が大阪市の内部組織である点も現行の行政区と同じ。
しかし、区長の扱いが異なり、総合区制度では区長は特別職(議会の同意を得て、市長が選任)となります。
つまり、副市長などと同じ扱いとなります。
そして、権限ですが、総合区の政策・企画の立案、総合区のまちづくり等の事務を担えるようになります。
人事については、区役所職員の任免権があり、予算については市長への予算意見具申権があります。具申するだけで決定する権限はありません。これは後で出て来る特別区との大きな違いとなります。また、条例提案権はありません。

以上が総合区の説明。では、特別区はこれらとどう違うのか?
特別区とは、要は東京都の区の制度。
東京都も大阪市も住所で表すと同じ「○○都(市)△△区」ですが、権限は全然違います。
特別区は特別地方公共団体とも呼ばれ、特別区がそれぞれ基礎自治体を構成しているようなものです。
区長は選挙で選ばれ、区議会も設置され、区議会議員も選挙で選びます。
区の権限については、一般的な市町村の事務に加え、保健所の事務等も行います。
昨年否決された協定書は実はもっと進んでいて、都構想が実現していれば各特別区は中核市並みの権限を持てた筈なんですけどね。
はいまたよく分からない用語が出てきました。中核市って何?
同じ市でも実は政令指定都市の他に、中核市や施行時特例市などがあり、人口でいえば、
 政令指定都市:50万人以上
 中核市:20万人以上
 施行時特例市:20万人以上
 一般的な市:5万人以上
という違いがあります。
 中核市は政令指定都市と一般的な市の中間くらいの権限を持ちます。ぐらいの理解でいいと思います。
更に、特別区は基礎自治体と同じようなものと言いましたが、という事は課税権も持ってたりするんですね。

というわけで特別区・総合区・行政区の違いについて見てきました。
最初の方で、総合区・行政区は区長の権限が違うだけで、政令指定都市の一組織であるという話をしましたが、本来は総合区を導入するには住民投票は必要有りません。
というか、本来は昨年5月の住民投票で特別区への移行が否決された時点で、都構想に反対した自民党などによって行政区への移行案が練られるはずだったのです。
ところが二重行政解消の切り札であった筈の大阪会議が発案者の自民党のボイコットにより頓挫し、総合区案も全然出てこないので、業を煮やした大阪維新の会は昨年11月の府知事・市長ダブル選挙で知事に松井一郎を、市長に吉村洋文を立て、大阪都構想再住民投票を掲げて選挙に臨みました。
その結果大阪維新が府知事・市長共に勝利した訳ですから、この歴史的経緯を無視してもらっては困ります。
というか、住民投票という形で住民を巻き込まないと、自民党などはすぐに仕事をサボるので、特別区と総合区の二者択一の住民投票という形であれば、さすがに野党勢力もちゃんと対案作りをするであろうという事で、野党勢力の中でも真面目で市民のためを思って仕事をする勢力である公明党さんを中心に総合区案が作られるようになったという訳です。

今回副首都推進本部会議に提出された総合区案はあくまで副首都推進本部で策定されたもので、公明党さんとすりあわせをしているのかどうかは不明ですが、明日からは総合区案の中身についてもう少し詳しく見ていきます。
特別区については大阪府・大阪市特別区設置協議会の資料を見てもらえば大体わかると思います。
というか、去年の住民投票で散々勉強したから今更説明は不要ですよね?
忘れた!という方は、住民投票の際に当ブログでも解説記事を書いたのでそちらをご覧下さい。