2年振りの初場所観戦記事です。
初日、二日目、中日、十四日目、千秋楽と5回行きましたが、そのうちの書ける分だけを書くことにしました。

とりあえず初日。
冬の早起きが苦手なことと、九重部屋の力士は三段目からの登場ということもあり、序二段中位あたりからの観戦になってしまいました。

しばらく何も考えずに観戦したあと、千代雷山の取組を気にしつつお相撲さん写真展を見に行くことに。
ネットで見覚えのある写真も大きなパネルで見ると新たな発見があって良いものです。
この日は写真が飾られている壁の前にひよの山の売店が出ており、毎場所購入している商品の買い物もついでに済ませたところ…
千代雷山の取組を見逃しました…。

あと1分でも早く気付いていれば見られた状態でした。


若者頭の花ノ国さん(千代雷山に注目中。昨年名古屋場所の中継で、千代雷山の相撲や体格を絶賛。)に怒られそうな大失態であります。

心に何かを引きずったまま観戦再開。


こちらは大露羅と魁錦の取組。
勝負がついた瞬間を境川審判もきっちりと確認。
大露羅さんとの取組で、相手が後ろに回り込んだ体勢になると何だかホッとします。
胸を合わせた体勢で大露羅さんがジリジリ寄りだすと、その後の展開が怖くて目を覆いたくなってしまうことが度々あるものでして。


続いて、四股名を坂邊から改め心機一転の淡路海と入江の取組。
淡路海は前みつを取りましたが、一枚廻しで引き付けが効かず、体格差のある入江に押し倒しで敗れました。

そうこうしているうちに関取の場所入りタイムに突入。
九重部屋の関取と付け人の組み合わせが気になる為、初日は入待ちの時間が長くなります。


土地の高低差が激しい文京区内に部屋を構える伊勢ノ海部屋からやってきた錦木。
平坦な墨田区の歩き心地はどんなものでしょうか。


幕下に落ちてしまった玉飛鳥。
温かい声援と拍手が贈られていました。
「相撲うまいんだけどなあ。幕下におっこっちゃったんだよ。」と呟くおじいさんの姿も。


そんな玉飛鳥と、雪が降った九日目に一緒に帰ったと思われる若乃島。(大相撲ジャーナル最新号参照。)


タイミングに失敗した千代皇と千代の勝の写真。
ご婦人がメインで二人がフレームのようになってしまいました。


防寒バッチリの千代丸。
肉厚でも寒いものは寒い。

千代翔馬の場所入りも見られましたが、そろそろ千代栄の取組が始まるのではないかとソワソワ落ち着かない頃でカメラを構える余裕がありませんでした。
白黒しましまバッグを提げた門倉そうまくんを付け人として従え、堂々とした場所入りでありました。

館内に戻ろうとしたところで、近くにいたご婦人から「まあ、あれが大露羅さんね。」と感動した様子の声が聞こえてきました。
しかし辺りを見回しても大露羅さんの姿はなく…どうやら萬華城さんを大露羅さんと勘違いされているようでした。

ここでまた大失態。
ソワソワした甲斐なく千代栄の取組を見逃しました。
館内に戻った時には千代栄の次に取組がある力士のアナウンスが流れていました。
ご婦人の声を気にしなければ見られたはず…。

そんな状態で迎えた十両土俵入り。


白廻しに続き、化粧廻し姿も復活した千代の国。
新十両の場所で一番はじめに締めた化粧廻しと共に、久々の土俵入り。
新十両だった2011年は日本が大きなダメージを受けた年で、一度このブログでも述べたと思いますが、この化粧廻しには日本が元気になるようにとの願いが込められているそうです。

千代翔馬は東海九重会さんからの化粧廻しで土俵入りデビューを飾りました。
名古屋場所の宿舎である徳源寺の住職による「喝」の書が今後も力を与えてくれることでしょう。

名古屋と言えば明瀬山。
一見、明瀬山が勝ったかのように思われた取組に物言いがついた瞬間。
思わず審判を見てしまう明瀬山なのでありました。(明瀬山は結局負けになりました。)


年男の千代鳳は幸先の良い2016年をスタートさせたいところでしたが…


このあと土俵から落ちた際に左ふくらはぎを負傷したようで、途中休場する事態になってしまいました。
写真を見ると半身の状態のまま片足で残すのは倒れ方によっては危険な感じが…。
昨年初場所はインフルエンザで途中休場。
今年も新年早々ついてない千代鳳なのでありました。


すっかりお馴染みとなった聡ノ富士さんの弓取り式で初場所初日の展覧相撲を締めます。
5年前のこの日に弓取り式を務めたのが、当時の九重部屋最年長である千代の花でした。


おまけ:両国国技館内のカフェのクリームソーダです。
メロンソーダの上に浮かぶのはあの濃厚なバニラソフトクリーム。
食べ進むにつれてメロンソーダ色に染まったソフトクリームがカップの内側に付着し、着色料が体に取り込まれていることを目の当たりにします。
クリームソーダにはガラスの器が必須ですね。

写真はたっぷりあるので残りの観戦記も書けたら書きます。
約一ヶ月前の出来事ですが…2015年末に九重部屋のお餅つきへ行ってきました。


入れ替え制導入ということで、今回はちょっと遅めの午前10時前着。
上がり座敷は既にほぼ満員状態。


千代の勝と門倉そうまくんの若手コンビを見守る、貫禄たっぷりの千代鳳。


険しい表情でお餅をつく千代翔馬。
背後でチビッコと一緒にお餅をつくチームと雰囲気が全く違います。
それにしても泥着の丈がずいぶん短いですね。
新十両で始まる新年への意気込みを表現しているかのようです。


千代の国の白廻し姿が復活!
5年前、この人の新十両から始まった九重部屋の関取誕生ラッシュ。
第一人者が白廻し姿だと何とも言えない安心感があります。


千代翔馬も負けじと泥着を脱いで白廻し姿を披露。
昨年まではお餅のかえし役が多かった千代翔馬ですが、今年は白廻しを締め、お餅つきの花形とも思えるつき役に徹しているようでした。


突然始まったマッサージ。
千代鳳がお餅をつく場面は見られませんでした。
もっと早めに行っていたら見られたかも。


ちゃんこ場では裏方さんと千代雷山、千代青梅達がもち米の下ごしらえやちゃんこの支度を行っていました。
美味しいお餅とちゃんこで楽しい時間が過ごせるのも、舞台裏での彼らの働きがあってこそなのであります。
親方と親しい方々にはちゃんこの他に様々なおかずも出されていたのですが、その中のたまご焼きがまるでサンリオのキャラクターのように可愛らしかったです。
ツルンとした表面に丸みを帯びた外見で、思わず見入ってしまいました。


千代嵐はゴム手袋係続投。
重太郎さん達が運んできた炊きたてのもち米を餅つき器に移す作業を主に行っていました。


佐ノ山親方は奥様と和やかな雰囲気でお餅つき。


午前中は外出していた千代丸も、帰ってくるなりお餅つき。


休む間がなさそうだった千代栄。
成績があまり振るわず同期も引退し、心に穴が空いてしまうのではないかと心配になった2015年でありました。


部屋の人達が食べる分と思われるお餅を急いで部屋の裏手へ運ぶ門倉そうまくん。
つきたてのお餅はアツアツで大変そうでした。


最後は九重親方のお餅つきで締め。
周囲の皆さんが「待ってました!」とばかりに一斉にカメラを構え出すのが面白いです。
「おい、餅にゴミが入ったぞ。」と呟いたところで終了。

2016年は関取6人でスタート。
怪我と健康に気を付けつつ今年も自己最高位更新を目指して頑張れ九重部屋!

※なるべく全員分の写真を撮影したかったのですが、千代大龍は主にちゃんこ場で食事、千代皇は全く見かけず、千代雷山は2秒ほどしか姿を見られず…という状態で撮影できませんでした。
千代皇は…体調でも崩していたのかな?
先月千秋楽を迎えた九州場所を以って、千代疾風さんが7年間の土俵生活に別れを告げました。

自分が千代疾風さんの引退を知ったのは九州場所が始まってからでした。
部屋の関係者の方も福岡入りする直前に知ったそうで、引退を決意するのに悩みに悩んだものと思われます。
突然のことで動揺しましたが、幸いにも今年の九州場所は最後三日間+打上げ参加の計画を組んでいたので、最後の取組も断髪式もこの目で見ることができました。

断髪式の様子の一部はSNSでも紹介されていましたが、最後の取組の様子は自分が知る範囲では確認できなかったのでまとめてみました。
※動画からの切り出し画像が含まれているので画質が粗いです。

☆☆☆

最後の取組は千秋楽に組まれました。
対戦相手は10歳年下ながら、192cm/149kgと立派な体格の湘南乃海。


土俵上から見る景色もこの日で最後…。


体格差があるため相手から離れて相撲を取ります。
相手の攻撃から素早く身をかわしつつ、叩きを繰り返しながら土俵の中を動き回るというのが千代疾風の相撲によくみられるパターンでした。


素早さでは相手の一歩先をいきます。
一瞬スキができた相手にすかさず襲いかかります。
右下には最後の勇姿を見守る佐ノ山親方の姿が。


お互いに動きをよく見合い攻防を繰り返して場内が盛り上がります。
勝ち名乗りを受けて土俵を後にしたいという気持ちが伝わってくるようでしたが、相手のひと押しにバランスを崩してしまいました。
押し倒しで湘南乃海の勝ち。


結果は残念でありましたが、千代疾風の名にふさわしい動きを存分に見せてくれました。


普段通りに礼をしたあと、もう一度深く礼をしていました。
佐ノ山親方と仲良し(だと思われる)立川親方も気にかけている様子ですね。


約7年間命を削る思いをしながら戦ってきた土俵から降りた直後の表情は非常にすがすがしいものでした。


花道奥で花束を抱えて待っていたのは千代の海。
ちゃんこ番や付け人で忙しく駆けつけられない兄弟子達に代わって大役を果たしました。
呼出しの海人さんも一緒にお迎え。

☆☆☆

九州場所では千代丸の付け人を担当していた千代疾風。
赤い着物を着ていて結構目立っていたこともあり、花道奥で千代丸の背後に立つ姿は毎日のようにテレビ画面からも確認できました。
千秋楽のこの日も淡々と付け人の業務をこなしていました。

☆☆☆

観戦中に大事な用事ができてしまったので千代丸の取組まで見て会場を出ます。
当初は千代鳳の取組まで見てからでも間に合うかと思ったのですが、福岡国際センター~天神までのバスも、天神~打上げ会場のホテル前までのバスも本数が少なく早めに出ざるをえませんでした。

打上げ会場に着いてウロウロしていると、既に大銀杏を結い終えた千代疾風が控え室を出入りしている姿を見かけました。


千代秋豊の時もそうでしたが、この姿を見ると大銀杏姿を見られて嬉しい気持ちとお別れの寂しい気持ちとが入り混じって何だか落ち着きません。

前述の通り引退を知ったのは九州場所中だったのですが、2015年に入ってから引退が近いのかな…と感じる場面は度々ありました。
2015年は春場所14日目、夏場所前のGWと北海道の夏合宿時に稽古見学させていただいたのですが、春場所中とGWは田岡に軽く胸を出すのみで自分の為の稽古は行っていませんでした。
夏合宿ではウォーミングアップのみで稽古場から姿を消してしまい、みっちり四股や腕立て伏せに励むこともありませんでした。
稽古に関しては千代疾風本人も「相撲」で語っていましたね。

今後は地元の長崎県松浦市で過ごす予定とのことですが、「また東京にも遊びにいきますよ。」と話していました。
いつか国技館で再会できるかもしれませんね。

7年間お疲れ様でした!
続いて千代の国、千代翔馬、千代栄による申し合い稽古が始まりました。


千代の国は幕内経験者、千代翔馬は幕下上位の常連、千代栄は幕下優勝寸前までいった経験があり3人とも実力者です。


立合いのスピードも体と体がぶつかり合う音も、奥の2人のように思わず動きを止めて真顔で見入ってしまうほどの凄まじさ。


土俵上の展開が目まぐるしく、動きが止まった瞬間に写真を撮るのがやっとでした。


千代の勝に何かアドバイスする様子の千代鳳。
千代鳳は土俵から目を離しているように見える時でも実は土俵上の力士達の動きを把握しているようで、千代翔馬や千代栄に悪い癖が出ると即座に注意する時がありました。
夏場所前に稽古を見に行った時も手首のテーピングをいじりながら、ある技を仕掛けようとした千代翔馬に一言発して中止させていました。


腕立て伏せを行う千代皇。
千代皇が土俵外から何か言葉を発する場面を見たことはありませんが、同等または格下の力士に胸を出す際、顔を向かい合わせる度に何かアドバイスをしている場面を見たことがあります。
その稽古の翌日に千代丸が新十両をほぼ確定させる勝ち越しを決めたり、田岡(2015年秋場所で引退)が佐ノ山親方から「田岡が生まれ変わった!昨日何かいいモン食ったんか。」と褒められてその年の稽古を締めくくったりと、とても効果的なアドバイスのようです。


四股を踏み終えた千代青梅も腕立て伏せを行っていました。
30回1セットを何度も。
腕立て伏せも終えると写真のように壁に手をついて左右に上半身をひねり始めました。


千代鳳は千代栄を相手に立合いの稽古を何度も行っていました。
千代栄の背後には千代の勝がタオルを広げて構えており、千代栄が壁に激突しないようにクッションの役割を果たしているようでした。
下がる千代栄を受け止め、代わりに壁に激突する様子はかなり辛そうで、毎回グフッという表情を浮かべていました。


朝稽古も終盤になると力士達の表情が和やかになってきます。
1991年生まれの3人も何やらお話し中。

3人が20歳だった2011年の秋場所は千代嵐が新十両、千代皇と千代翔馬が同時に新幕下という嬉しい場所で、九重部屋が上り調子だった頃でした。
あれから4年、新たに関取も誕生しましたが怪我人が続出し幕内~十両に限っては一時期ほどの勢いはなくなってしまいました。
しかし幕下以下は自己最高位更新者が相次いでおり、現在も活発な状況です。
今年の秋場所では千代翔馬が4年間揉まれてきた幕下で遂に優勝を飾りました。

幕下以下の力士達の追い上げと関取達の意地で、これからの九重部屋の盛り上がりにも期待したいと思います。
だいぶ時間が経過してしまいましたが、朝稽古のご報告は以上です。
※北海道旅行2日目に続き3日目も見学したので、両日の写真が混在しています。

ウォーミングアップが終わると土俵上での稽古が始まります。


まずは千代嵐、千代の勝、田岡による申し合い稽古。
夏場所前の稽古ではひたすらぶつかり稽古に励んでいた田岡ですが、申し合い稽古に参加させてもらえるようになったんですね。
しかし全く歯が立たない状態で、自分が確認できた限りでは千代の勝に1勝するのがやっとでした。


夏場所中に右膝を負傷し途中休場、親方の還暦土俵入りにも出られず、名古屋場所は全休…と辛い三ヶ月を送ってきた千代嵐。
回復具合が心配でしたが普通に稽古ができるまでになっていて安心しました。


3力士の申し合い稽古中、目の前で腕立て伏せを行っていた千代疾風。


ちゃんこの準備があるのか目を話している隙にいつの間にか姿を消してしまいました。


ちゃんこ長の千代青梅も2日目は8:30頃には切り上げてしまいましたが、3日目はその時刻を過ぎても黙々と四股を踏み続けていました。
土俵上での申し合い稽古が始まると、写真のように四股を踏みつつ弟弟子達に目を向けていました。
田岡に足を出せ、前に出ろなどと声を掛ける場面も。

やがて申し合い稽古をしていた3力士達のぶつかり稽古が始まります。


千代の勝に胸を出すのは千代翔馬。


翌日は高校の先輩でもある千代皇に胸を出してもらっていました。
髪が大きく乱れ、「頑張っている若い子」という認識がお客さん達に広まっていくのが伝わってきました。


千代嵐には千代の国が胸を出します。
かつて関取の地位を掴むも、相次ぐ怪我で番付を落としてしまっている者同士。
2人に何度でも立ち直れる強さがあるのは、お互いの存在によるものも大きいのではないでしょうか。


田岡には千代大龍が胸を出します。
おとなしい性格だという田岡に兄弟子達から「怒れ!」と声が飛び交います。


千代大龍が踏ん張ると全く前に出られなくなってしまいました。
「ほら、どうした。」と思わず笑ってしまう千代大龍。
体格はさほど千代大龍と変わらない田岡ですが、土俵上では千代大龍がまるでアフリカゾウのように感じられたことと思います。


毛根から元結にかける部分が膨らみ、タマネギ型に髪が乱れた田岡。


千代の勝は横結び風に乱れました。
体力を使い果たしたのかぐったりした様子でした。


ひたすら四股を踏み続け、回数を記録している千代青梅。
まだまだ稽古は続きます…。