2月17日は、一般社団法人日本記念日協会認定の
電子書籍の日
トッパングループの会社が運営する
総合電子書籍ストア「BookLive!」のサービス開始日だそう
また今日は、夕焼けの西の空にひときわ明るく輝く
金星が最大光度を迎えるとのこと
1等星の170倍、マイナス4.6等で三日月型に煌く
キラキラつながりで昆虫関連文壇界に燦然と光り輝く一冊
メレ山メレ子さん著 イースト・プレス社 2014年4月発刊
『ときめき昆虫学』を心を込めて紹介したい
著者のメレ山さんは、1983年生 東大法学部卒業
ブロガー・エッセイストとのこと
本書の他にも『メメントモリ・ジャーニー』(亜紀書房)を出版され
ブログ:メレンゲが腐るほど恋したいも大好評
映画にもなった秋田犬「わさお」の名づけの親(?)
「昆虫大学」なるイベントも学長職として企画・主催
過去複数回開催されているよう
直近では、昨年12月17日(土)18日(日)に
新感覚昆虫イベントとして昆虫大学2016in横浜が開催された模様
この催し、規模的には”Night Forst オオク輪in品川”に匹敵し
参考:夜の森 2016/9/25(日)掲載
内容面では、「昆虫大学」だけに盛り沢山
アカデミックな側面からの比較ですと一枚も二枚も上手、白旗
凌ぐためには、潜入捜査も必要なんぢゃなかろうか
そんなこんなでマルチなメレ山さん
冒頭の出版社イースト・プレスさんが運営するWebメディア
【マトグロッソ】で連載していた内容を書籍として編集・出版したのが
『ときめき昆虫学』ということ
HPでは、バックナンバーとして何話か閲覧可能
内容はというと(「BOOK」データベースより)
いわゆる“虫屋”でも研究者でもない一介のOL・メレ山メレ子が、
わたしたちの身近なところにいる20の虫について、
日本、はたまた世界へ飛び出し体当たりで総力取材。
等身大の言葉でもって語られる虫たちの、なんといとしきことよ・・・!
あなたの中に眠る「虫スイッチ」を押す一冊、ついに誕生!
...とワクワクする紹介文
実際、手にとって読んでみるに
その文章は、細部まで
・・・絶妙な
・・・・巧みな
・・・・・洗練された
・・・・・・磨き抜かれた
合理的かつ無駄がない文章表現
そのテキストは、テンポ良く、センス溢れる描写
しかしその内容はといえば昆虫学だけに興味がない人には
・・・無駄
・・・・無用
・・・・・役立たず
・・・・・・値打ちなし
...要するに
”極めて洗練された無駄のない無駄な文”という感じ
言葉遊びもふんだんに比喩も適度に盛り込まれ
・・・様々
・・・・多彩
・・・・・まちまち
・・・・・・バラエティ豊か
..な表現で読者を惹きつける
幾つか引用するにハチの章では、
マメコバチにとって、いちばん恐ろしい天敵はダニだ。
古いヨシの束には高確率でダニが潜んでいて、
マメコバチが泥の仕切りと花粉ダンゴで作った幼虫の部屋を侵食し、
花粉ダンゴも幼虫も食べつくしてしまう。
その様子を永幡さんは「明太子を食べる気がなくなる程悲惨です」
と、明太子屋が総決起して福岡から攻めてきそうなネガティブワードで表現していた。
※明太子に例えた永幡さんとやら方も素敵だけどそれをさらに飾り付ける言葉の魔術
クモの章では、
フンチ(ホンチ)は、房総半島におけるネコハエトリという
ハエトリグモの愛称、またそのオス同士を戦わせる遊び。
かつて子供たちのあいだで、ポケモンばりに一世を風靡したという。
※執筆当時ポケモンGOは世に出ていなかったがそれを予感させる卓見力
セミの章は、
・・・それが街路樹で鳴きたてるだけならまだしも、
ベランダやドアの前にしばしば瀕死の状態で転がっている。
死体ではなく瀕死というところがポイントで、
意を決して片づけようとするとジジジジジッと大声で鳴いて暴れまわる。
この現象は巷では「セミ爆弾」「セミファイナル」と呼ばれ、ひどく恐れられている。
<中略>
実は、完全に死んでいるセミ(セミリタイア)と
生きているセミ(セミファイナル)を見分ける方法がある。
セミリタイアは、死後硬直が進み、6本の脚をほぼ完全に畳んでいるのに対し、
セミファイナルは脚を外側に向けて開いている。
起き上がる気力を一時的に失った状態なのだが、
人の気配を感じると最後の力を振り絞って暴れてしまうというわけだ。
<中略>
死んだと思わせて反撃してくるなんて、まるでサスペンス映画の犯人ではないか。
※生死の見分け方の薀蓄も交えた見事な構成
個人的には、最高に思えたカイコの章の一節
カイコと人のつながりが消える中、彼らと新しい関係を築くことはできるのか?
社畜化された人類の代表として、
わたしは家畜化された昆虫と暮らしてみることにした。
※チョネ省さんに匹敵する程の巧みなダジャレも差し込まれオヤヂ感激
...等々ご紹介しきれませんがどれをとっても
・・・見事
・・・・絶妙
・・・・・あっぱれ
・・・・・・文句なし
なセンテンスのリズム感
さらに、ムシ(昆虫以外も含まれるが)の薀蓄も
・・・豊富
・・・・十二分
・・・・・たっぷり
・・・・・・盛り沢山
ムシ関連の物語(エッセイ?)最高峰の作品
これは、ムシを愛でる皆様必読の書
バイブルといっても決して大げさな表現ではありません。
是非ともご覧あれ!!!
ちなみに、中ほどで登場した”マトグロッソ”
ポルトガル語で”深い森”の意味らしい
こちら由来のメレ山さん
と
なんだか秋に実施されそうなオヤヂ達のイベントと
表面上は、色んな意味で親和性がありシンクロしているようにも受け取れますが
メレ子さんの思考や取り組み姿勢等とは別次元