第九回
琢己に向けてユナは銃を乱射する。琢己は、「殺さない。どんなに憎くても。俺はそのことを大切な人達から教わった。」と言ってユナを諭し、警察に自首する事を勧める。
「俺はどうなっても構わない。神狗を潰すためなら。」そう言う琢己に宋が出て来て言う。
「娘を見逃してやって欲しい。私は神狗の情報を握っている。娘を逃がしてくれたらすべてを話す。
「本当にすべてを話すんだな。」
サイレン音がする。ユナはユニを守るために病院へ。琢己と宋は、駆けつけた警察達によってパトカーに押し込められる。だがそれは神狗のワナ。逃げ出す琢己は走行中のパトカーから抜け出す。戻った宋は、「プログラムさえ完成すれば、三人元の生活に戻れる。」とユナに言い、残りの作業をする為に韓国へ行くように言う。
伊崎がロックしていた琢己の1982 11 .05というパスワードは宋がユナとユニを引き取った日と同じだった。だが宋は聞かないフリをしてユナを行かせる。
ヨンジュは琢己に、ユナは神狗の優秀なコンピュータープログラミング技術者だと教える。だが不思議な事に、どれだけ調べてもチェ一家の1982年以前の記録が出てこないと言う。
「ジャス、さよなら。」ユナは松平夫婦にジャスを託して出て行く。ユナからの手紙には、「親切にして頂き有難うございました。皆さんと過ごした日々を私は忘れません。絶対に・・・」と書かれていた。
ユニはユナに会いに行かなければと、発作を起こす。松平からそれを聞いた琢己は、自分が韓国に行くことを決意する。
あきらは琢己の危険な旅行に、「こんな時、行かないでなんて言える泣いてすがりつくキャラに生まれたかったな。」と言い、琢己を送り出す。「必ず帰ってくるから・・・」と答える琢己。
偽造パスポートの事で警察から尋ねられたヒデは、琢己に韓国行きの貨物船ルートを教える。一方琴美は神狗の見張りを遠ざけて琢己の密航を手伝う。
ユナは懐かしい町に帰ってくる。琢己も韓国に渡ってヨンジュと合流し、ユナのアジトに踏み込もうとする。ヨンジュがモグラだと気付いた宋はユナに逃げるように電話をして、間一髪ユナは追手を逃れる。ヨンジュと琢己はアジトへ。現場に残されたユナのコンパクトには宋一家の家族写真があった。宋の肩に傷を認めた琢己は、自分の父を殺したのは宋だと気付く。ユニがユナの為に贈った「浜辺の歌」からもう一つ何かを思い出そうとする琢己。ユナが爆発事件のあったオーシャンキャッスルホテルに行く予定があったことを聞いて、あきらに爆破事件の資料を調べるように頼む。あきらは、ユナかユニの髪の毛により、爆破事件の被害者の警官とユナ、ユニ姉妹の親子関係が証明されたと言う。
「私は君という男を甘く見ていた。」
満州で苦労し、神狗がそこからはじまっていたことを回想する風間龍一郎は面会に来た宋に言う。
「いかがですか。飼い犬に手を噛まれた気分は?」と宋は答える。
韓国の街を見下ろしながらヨンジュは、ユナは被害者だから救ってやって欲しいと頼む。
遠くを見ながら考えている琢己。ヨンジュは琢己の胸倉を掴んで言う。
「本当なら俺がユナを救いたい。だが彼女は確かにお前を愛していた。彼女を地獄から救えるのはお前しかいない。」
そして琢己はユナの前に現れる。
「ユナ、覚えてないか?二十四年前俺達はここで会ってる。」
琢己はユナに爆破事件の事を話して言う。
「君の両親を殺したのは宋だ。君の本当の名前は、サクラアイ。」
レビュー
二人の歴史が解きほぐされ、共通の悲しみを負った過去が明らかになる。くたくたになったような琢己の正義感が方々で思わぬ励ましを受けるシーンも盛り込まれた。孤独を気取っていたショウとしての自分がふと過去への目線で描かれていき、琢己は、失われたものの暖かさを受身で感じていく。滑稽さは熱さに変えられ、きっとした情感が危機的な状況に輝いており、同時にまどろみを感じさせる。さて、九回が終わった。そして金山琢己と佐倉愛はようやく始まったが、行き着くのはやはり悲劇なのだろうか・・。
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