葛城市の笛吹神社、またの名を葛木坐火雷神社(かつらきにいますほのいかづちじんじゃ)、

ここにもハハがありました。

ハハカノキ(波々伽木)。

 

 

この木はウワミズザクラ(上溝桜・上不見桜)とのことだと知り、

あ、と思いだしました。

20年くらい前、友達の家近く、昔から残る緑地帯に一本あるのを見にいったことがあります。

あの頃も、もう樹勢が衰えつつあり、花は咲かなくなったと聞きました。

自然環境の悪化に弱い木のようです。

ウワミズザクラは、房状に花をつける珍しい桜の仲間、

幹肌は荒く、桜のようには見えませんが、細い枝には桜特有の艶がありました。

 

ハハカノキは、天皇が即位された年の大嘗祭で使う米を収穫する斎田の卜定(占い))に使われるそうで、この神域の木が使われたとの古い記録があるとのこと。

古事類苑〝波々伽木は大和笛吹の社からこれを請け取るなり〟

奥義抄〝笛吹のはゝかの木をきりて都に奉りぬれば神司亀の卜する事にぞ侍りけるとかや〟

今生天皇の大嘗祭の折り、波々伽木はどうだったのでしょう。

 

あのウワミズザクラは、まだ元気でいるのでしょうか。

春になれば、ひさしぶりに会いに行くのもいいかもしれません。

 

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