「やまと花萬葉」(写真 中村明巳・文 片岡寧豊)は、

万葉集に詠まれた花152種の写真エッセイ集です。

 

 

そこにアミガサユリが載っていました。

 

〝時々の 花は咲けども 何すれそ 母とふ花の 咲き出来ずけむ〟

                        丈部真麻呂(はせべのままろ)

 

この「母」は、そのまま母と解釈されているようですが、

鱗茎が母子が寄り添う形に似ていることから、古名「母栗」と呼ばれていた編み笠百合(貝母)を指すという説もあるとか。

わたしは、「母」を深読みするよりは、

素直に花として詠んでいるこちらの説を採りたいような…

貝母は中国原産、日本種としては、似ているけれども小さい「小貝母」があり、

「細花小貝母」「美濃小貝母」「甲斐小貝母」に、いつかどこかで出会いたいものです。

ママに通じる真麻呂さん、古名の母つながりで、記憶できそう?

 

さて、葉を開きはじめたうちのバイモユリ、咲き出来ずけむ、なんてことになりませんように。

 

 

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戦争のない世界を希求します。