ダニエル・T・マックス著 柴田裕之訳「眠れない一族」

サブタイトルに「食人の痕跡と殺人タンパクの謎」とあります。

 

 

数世紀に及ぶイタリアのある貴族一族を悩ませていた「致死性家族性不眠症」、

この奇病は、中年になると異常発汗、頭部硬直、瞳孔収縮がはじまり、

壮絶な不眠症に陥りやがて亡くなってしまいます。

これは、異常タンパク質が起こす「プリオン病」なのでした。

これを縦糸に、同じプリオン病のクール―病・ヤコブ病や狂牛病、

その医学者、研究者、狂牛病に対するイギリスやアメリカ政府の食肉業界への対応等々を絡めて、遠い「食人」へとたどるノンフィクションです。

わたしには少々難解だったものの、そうだったの!と目から鱗、でした。

特に、忘れかけていた狂牛病(BSE)を思い出し、ぞっとします。

うまく書けませんが、人のタンパク遺伝子中アミノ酸には、「ヘテロ接合体」と「ホモ接合体」があり、狂牛病を発症しやすいのは、ホモ接合体を持つ人なのだとか。

日本人のほとんどは、ホモ接合体!

怪しい肉は避けるにこしたことはありません!!

世界的に見ても、ヘテロが多いのはなぜか、

それは初期の原人が食人をした結果なのではないかと書かれています。

 

新型コロナやサル痘も怖いですが、

ついに人間の遺伝子にまで手を付けたデザイナーベビーの誕生、

次に何が来るかと思うと本当に恐ろしいです。

 

 

 

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ウクライナに平和な日々が戻りますように。

一刻も早い終戦を願っています。