日本経済新聞 電子版
2017年6月28日
2017年6月28日
”日銀、株買い一辺倒 4社に1社で「超安定株主」に ”
日銀の日本株買いが止まらない。
異次元緩和の一環で上場投資信託(ETF)を買い入れる金額を
2016年7月に年6兆円に拡大してから1年近くがたち保有残高は
推定17兆円を突破。日本株保有額では第3位に急浮上した。
上場企業の4社に1社で日銀が「安定大株主」になった計算だが、
投資活性化で物価上昇につなげる目標の達成は道半ばだ。
海図なき株買いの出口は見通せない。
日銀タイム。日本株の個人投資家がこう呼ぶ時間帯がある。
午後の取引が始まる午後0時30分からおおむね午後2時まで。
日銀は直接買うのではなく信託銀行に一定のルール内で決定を委ね
ている。
相場が下がった時点で買うのが大原則のため、インターネットでは刻々
と買い出動を先読みする臆測が飛び交う。
日本経済新聞社の独自推計では上場する3675社のうち、833社で
日銀が上位10位内の「大株主」に入った。
実際に名簿に表れる株主名はETFを実際に買っている信託銀行だ。
ユニクロを展開するファーストリテイリングや半導体製造装置
アドバンテストなど日銀が15%超を持つ企業は着実に増えているもよう。
サッポロホールディングスなど3社は計算上、筆頭株主になったようだ。
保有総額は推定17兆円を超え、年金積立金管理運用独立行政法人
(GPIF)と米運用会社ブラックロックに次ぐ第3の機関投資家に
急成長した。昨年は個人株主が日本株を売り越す中で日銀が有力な
受け皿となったとみられる。みずほ総合研究所の大塚理恵子氏は
日経平均株価を最大2千円ほど押し上げたとみる。
主要国では例をみない中銀のETF購入は10年10月に始まり、
黒田緩和の一環で購入額が急増した。日経平均は6月に2万円を突破。
日銀は株価下支えに一定の効果を果たしていると主張する。
企業の間でもアクティビスト(物言う株主)より、日銀が「超安定株主」
になってくれるのを歓迎する声が多い。
アドバンテストは「株主は選べないが長期で持ってくれればうれしい」と
いう。
プラス面ばかりではない。割安になれば日銀がすかさず動くため
「民間の投資機会を奪っている」(ヘッジファンド運用担当)と
恨み節も漏れる。様々な情報を反映しながら適切な株価を見いだすのが
株式市場の生命線だが、個別銘柄の「価格発見機能」を低下させている
との見方もある。
日銀の悩みも深い。株高で現在は数兆円を超える大幅な含み益に
なっているもようだが、世界的な金融危機などで日本株が大きく
下落すれば特別損失が発生する。
しかも必ず償還期限が来る国債などと違って株式は売らない限り手元に
残る。
日銀は過去に銀行から買い入れた時価およそ3兆円の株式の売却を
静かに進めている。米金融危機などを経てようやく本格売却に
こぎ着けたのは16年春で、02年に購入を始めてから10年以上の年月が
かかった。
ETFによる日銀の保有分はまだ上場企業の時価総額の3%弱にすぎ
ず、購入を増やしてもすぐに問題は起きないというのが日銀の立場だ。
黒田東彦総裁は6月の記者会見で早期の買い入れ減額が
「理論的にはあり得る」と発言したものの、ある日銀関係者は
「ETF購入減額を急に決めれば瞬く間に株価が急落し、黒田緩和の
成果が一瞬で吹き飛びかねない」と強く否定している。
これだけの巨額ETF購入でも物価上昇率は前年比で0%台に低迷し、
デフレ懸念は払拭できない。株式市場を活性化しインフレ期待を高める
という目的の実現は遠い。
いまのような経済状況が続けば少なくとも数年はETF購入を続けざる
を得ない、というのが日銀主流派の考え方だ。
長期にわたり巨額の株を買い続け、事実上売却もしない異形の投資家。
強力なカンフル剤を投与しつづける市場はどこへ向かうのか。
その帰結を誰も予測できない。
(中村結、浜美佐、宮本岳則)
これは日経新聞の記事ですからこのような書き方をしていますが、
裏を返せば日銀のやっていることは経済好転の助けには殆んど
なっていない、その上株価上昇により外国株主に莫大な利益を
もたらしていると共に、円安という日本全体にとって害となる
事をやっているということである。
即ち、安倍の為に日銀は国内の上場企業の4社に1社と言う割合
で大株主となることになってしまい、当分の間株を買い続けること
にならざるを得ない状況である。
円安・株高の元凶は年金積立金管理運用独立行政法人にも
ある。これは株式市場原理から言っても異常なことである。
もし株価が下がったとしたら両者とも莫大な損失を蒙る羽目に
なるのである。世界恐慌は近いうちに必ず来る。
どうするのだ!
