先日、高浜原発3号機が国内5基目の原発再稼動という

    ニュースが流されましたが、その直ぐ後にこんなニュースにも

    遭遇したのです。

    ”放射性セシウム含む微粒子 「3.11」後、都内にも飛来 ”

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 東京電力福島第1原子力発電所の事故後、放射性セシウムを

含む微粒子が関東地方の広い範囲に飛んできたことが、

東京理科大や東京大などの研究チームの調査でわかった。

事故の進展過程を知る手がかりになるほか、放射性物質の環境や

健康への影響を調べる材料となる。

千葉市で開催された日本地球惑星科学連合大会で25日発表した。


    大分遅れての発表ですが、東大等の信頼性のあるところの

    発表ですからそれなりの価値はあるかも?

    などと思っていたら、今度は日本原研の大洗開発研究センター

    で放射能漏れ重大事故ですって。

    自然界では殆ど無いと言われている核分裂が人工的に

    作り出されて以来核に関する事故は無くなりません。

    人間の愚かさというか、あさましさでもあるでしょう。

    
MAG2NEWS によりますと

過去に何度も事故を起こし、「無用の長物」と揶揄されてきた

高速増殖炉もんじゅ。7日には廃炉を福井県知事が容認しましたが、

そのもんじゅを運営する日本原研の大洗研究開発センターで

6日に放射性物質漏れ事故が発生、作業員4人の内部被曝が

確認されました。

著者でジャーナリストの内田誠さんが、新聞各紙がこの事故を

どう報じたのかを詳細に分析しています。


プルトニウム漏れで年間1.2シーベルトの内部被曝! 

茨城県・大洗の放射性物質漏れ事故を各紙はどう報じたか

【ラインナップ】

◆1面トップの見出しから……。

《朝日》…「作業員4人 内部被曝」
《読売》…「イラン同時テロ12人死亡」
《毎日》…「イラン国会と霊廟テロ」
《東京》…「作業員4人 内部被ばく」

◆解説面の見出しから……。

《朝日》…「ずさん管理 重い被曝」
《読売》…「内部被曝 甘い安全意識」
《毎日》…「IS イランにも浸透か」
《東京》…「微量でも危険度高く」

ハドル

かなりの内部被曝があったようですね。

もちろん、日本原研での放射性物質漏れ事故のことです。

《毎日》を除く各紙が、メインの解説にこのテーマを選びました。

《毎日》も大きな解説を別建てにしていますので、これを俎上に

    上せましょう。


    今日のテーマは…「プルトニウム漏れで年間1.2シーベルト

    の内部被曝! 茨城県・大洗の放射性物質漏れ事故を各紙は

    どう報じたか」です。


基本的な報道内容

茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」

の燃料研究棟で放射性物質が入った容器が破損し、作業員5人に

放射性物質が付着した事故で、機構は、内部被曝した4人のうち、

50代の1人の肺から2万2,000ベクレルのプルトニウム239が検出された

と発表。他の3人も5,600~1万4,000ベクレルを検出。

残る1人も内部被曝したとの疑いが濃厚とした。

過去最大級の内部被曝事故で、機構の安全管理態勢が問われることになる。


高まるガンのリスク

【朝日】は1面トップに2面の解説記事「時時刻刻」、14面社説、

    34面社会面と大きな扱い。見出しから。

1面

作業員4人 内部被曝
原子力機構 容器内、26年未点検
最大2.2万ベクレル 国内最悪

2面

ずさん管理 重い被曝
ビニール破裂「想定外」
26年前の容器 密閉されぬ場で開封
「長期の健康観察必要」
入院の作業員5人、体外排出へ治療
臓器・組織にダメージの恐れ
安全軽視 また不祥事
14面

作業員の被曝 想定外ではすまない(社説)
34面

原子力機構 不信の的
もんじゅ・東海村…首長ら注文


uttiiの眼

1面。事故が起きた燃料研究棟の分析室は、高速炉の新型燃料等を開発。

既に廃止の方針が決まっており、廃棄物として処理する放射性物質の

種類と量、状態を確認する作業を進めていたところだったという

(今回作業がなぜ行われたかについて《毎日》は、機構が規制委から

別の施設での不適切な核物質管理を指摘され、この施設でも保管されて

いるものを点検する必要があったと書いている)。

保管状況を確認するために蓋を開けたところビニール袋が破れ、

粉状の放射性物質が飛散したとのこと。

ここで強調されているのは、26年間、内部は一度も点検されていなかった

ということ。同様の保管容器がまだ20個も残っているという。

2面は「時時刻刻」流に、出来事を時系列で並べている。

全体に、見出しの「26年前の容器 密閉されぬ場で開封」という言葉

に象徴される管理の「ずさんさ」を指摘。

イラストで室内の様子、作業のイメージ、内部被曝と外部被曝の違い、

放射線の種類などが説明されている。

なぜ密閉された場所での作業にならなかったのか、特殊なマスクを

していたのに多量のプルトニウムを吸い込んでしまったのはなぜ

なのかなど、疑問が湧いてくる。

作業員は千葉市の放射線医学総合研究所に搬送されて入院。

最も多量の被曝をした50代男性は年換算で1.2シーベルトの内部被曝。

ヒロシマとナガサキの被爆者の例から、全身被曝が100ミリシーベルト

を超えればガンのリスクが明らかに高まるとされており、

その10倍以上の被ばくをした男性の健康が心配される状態。

他の職員とともに、キレート剤の点滴で体内のプルトニウムを

排出する治療を受けている。

記事には記者による「視点」が付いていて、同じ原子力機構が運転

してきた「もんじゅ」と通底する「ずさんさ」が指摘され、

「使い終わった放射性物質が詰め込まれた大小の保管容器を

数十万個も抱えて」いるのだという。「20個」から「数十万個」に

規模感が変わったが、これは原子力機構全体でということらしい。

「もんじゅ」も含まれての話。


伝票が見つからない…?

【読売】は1面中央に事実を伝える小さめの記事。

関連で3面の解説記事「スキャナー」と30面社会面。

まずは見出しから。

1面

内部被曝 4人に 最大2万2,000ベクレル


3面

内部被曝 甘い安全意識
原子力機構
非密閉型の作業台■マスクにすき間
内部被曝年間1.2シーベルト 国内最悪の線量


30面

核燃料物質 保管期間把握せず
原子力機構 管理履歴も不明
uttiiの眼

《読売》が強調するのは、作業の安全対策だけでなく、

「保管物質の管理体制」がそもそもずさんだったのではないかと

いう点。今回事故を引き起こした核燃料物質の保管をいつ始めたのか、

管理履歴はどうだったのかなど、把握されていなかったのだという。

会見の場で機構の責任者は、91年に現在の状態で棟内に置かれていた

ことは確認できているが、その後、中身を確認したかどうかについて、

伝票は残っているのだが、電子化されておらず、記録が見つからない

という。

《朝日》の記事だと「26年間チェックしていない」ことになっていて、

もちろん、それ自体酷い話だと思うが、《読売》の方は

「26年間チェックしたかどうか、残っている紙の伝票をチェックして

みないと、分からない。

その伝票が見つからない」という意味のようで、一層、もの凄い話

に見えてくる。事務所はゴミ屋敷のようになっているのだろうか…。

とてもじゃないが、核燃料というような危険なものを扱える組織

ではないと断言してもよさそうだ。

91年からなにもしていなかったのだとすれば、死者2人を出した99年の

東海村JCO臨界事故のあとも、なにもしなかったことになり、

その爛れきった組織の有り様には、背筋が凍る思いがする。


ヘリウムガスが溜まっていた?

【毎日】も《読売》と同じように、1面中央付近に短い記事。

関連で2面と社会面にも。見出しから。


1面

内部被ばく 作業員4人に
最大2.2万ベクレル 管理体制を調査 原子力機構


2面

機構・内部被ばく2.2万ベクレル
保管26年 ガス発生か
点検最初の袋破裂
体外排出まで影響


27面

原子力機構被ばく 住民「慎重に作業を」



uttiiの眼

1面記事には、作業員の3人からはプルトニウムではなく

アメリシウム241が検出されたと書いてある。

プルトニウムの毒性は論外だが、アメリシウム241も半減期が400年以上

あり、体内にとどまればずっとアルファ線を出し続けることになるはず。

2面記事は、今回飛散した粉末が、敷地内にある高速実験炉「常陽」で

使う燃料の試料を作った際に出た屑であって、約300グラムのもの。

そして今回の点検作業は、機構の別の施設で核燃料物質が不適切に

管理されていたことを原子力規制委から指摘されたことに伴い、

実施されたものだったという(《朝日》の項目を参照)。

また、ビニール袋が破裂した原因について専門家は、

「ウランやプルトニウムは時間が経つと原子核が崩壊し、

ヘリウムの原子核(アルファ線)が飛び出す。

長期間保管したことによりヘリウムガスが溜まり、破裂した

可能性があるという。

逆に言うと、規制委からの指摘がなければ、こんなことになっている

ことも分からなかったわけで、さらに長期間同じ状態で保管し続けて

いたら何が起こっていたか、想像もできない。


プルトニウムの恐怖

【東京】は1面トップに2面の解説記事「核心」、27面社会面まで。見出しから。


1面

作業員4人 内部被ばく
大洗・原子力機構事故
プルトニウム 2.2万ベクレル 最悪レベル
体の中から放射線浴びる


27面

黒い粉 突然飛んだ
被ばく事故 「防止設備内 なぜ」



uttiiの眼

1面記事には、被ばくした5人のうち、2人が機構の職員で、残る3人は協力会社

の従業員であることが記されている。

27面の記事を見ると、直接の作業を担当した50代の男性は機構職員で

あったことが分かる。他紙も、被ばくした50代の男性については「職員」

と一様に記しているが、他の4人も全員機構職員であるような印象に

なっている。協力会社従業員の存在に明示的に触れたのは《東京》のみ。

2面「核心」はプルトニウムの恐ろしさを強調する内容。

今回、作業員の男性が吸い込んだのは、0.01ミリグラムほどのプルトニウム。

たったそれだけで、確実にガンのリスクが上昇する年換算100ミリシーベルト

の10倍以上のリスクを負ってしまったことになる。

プルトニウムが万年単位で放出し続けるアルファ線はガンマ線やベータ線と

比べて重く、遠くへは飛ばないが、近くの細胞を傷つける力が強いという。

だからこそ、「吸い込むと厄介」ということになる。

大きな事故だったということだ。


あとがき

以上、いかがでしたでしょうか。

まるで、浦島太郎のお話のようだと思いました。

浜に戻った太郎が、竜宮城で享楽のために使ってしまった「時間」の

請求書を突きつけられたのは、禁を破って「玉手箱」を開けてしまった

からですが、今回、気の毒な作業員が作業の一環として開け、

不幸にして被ばくしてしまったのは、いわば膨大な核エネルギーを

取り出してしまったのに支払ってこなかった私たち全員の借財を、

彼らを身代わりとして受け取らせてしまった、そんな意味があった

のではないでしょうか。

同じ「玉手箱」は、まだまだ山のようにあるわけですね。

日本中の原発や六ヶ所村再処理工場に集められた廃棄物を含めれば、

私たち全員に請求書の「玉手箱」が突きつけられている。

そして、この「玉手箱」を開けなければならないときが必ずやってくる。

気の重いことです。

image by: WikimediaCommons(今井智大)


    原発などというものを利用してきた大きなつけが、これからも

    やって来るでしょう。

    それなのに尚且つ玉手箱の中身を増やそうというのですから、

    人間業とは思えません。

    地球温暖化はある種の目的で作られた殆どデマと言って良い

    と思いますが、半減期400年という猛毒の放射性物質は

    地球上にばら撒かれているのです。

    この地球上に原発は必要ありません。

    夢を求めるためにも『テスラ』方式等を開発しましょう。