MONEY VOICE
【年金】GPIFよ、おまえはアマチュアか?
あり得ない運用成績隠し=江守哲
2016年4月19日
国民の大事な年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用
独立行政法人)が、今回の株安でパフォーマンスを悪化
させたうえに、その運用成績の発表を政治的な都合に
より遅らせようとしています。ひどい話です。
”GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に
運用者たる資格なし”
株安で悪化、年金の運用成績
安倍政権の肝いりで始まったGPIFの株式中心の運用戦略。
中心ではないのかもしれませんが、これまでの株式への
投資比率を劇的に引き上げたことを考慮すれば、株式中心
といってもよいでしょう。
しかし、今回の株安でその運用パフォーマンスが大きく
落ち込んだとの試算がなされているようです。運用成績
というのは、どの期間で見るかで変わりますので、いまの
株安の時期だけをみると、パフォーマンスが悪化している
ことは明白です。
これは、投資している対象の多くが、いわゆるパッシブ運用
であることに起因します。つまり、上場投資信託(ETF)など
株式指数に連動する投信に投資をしていれば、株式指数が
下げると必然的に運用パフォーマンスも低下するからです。
これは市場任せの運用ですので、自分ではどうすることも
できません。株価が下げると思えば、早めに投資を解約する
しかありません。
ここには投資判断という、きわめて重い責任が入りますので、
一般的には投資を開始した際に決めた比率を維持しながら、
投資を継続するのが一般的です。その結果、相場が上下動
しながらも長期的に良い運用成績になっていればよいわけです。
しかし、これも実際にどうなるかはわかりません。
あくまで市場任せであることに変わりありません。
人為的に作られた相場の限界
やれることは、投資先の配分を見直すことぐらいです。
自分で売り買いのタイミングを決められないので、投資対象
の比率を変更することで、多少のパフォーマンス向上は可能です。
しかし、これもどの投資対象が上昇するかを見極めるのは困難
であり、実際には現実的ではありません。
安倍政権の肝いりで投資比率を変更したため、株価が上がって
くれないと困るわけです。ですので、円安・株高誘導に必死に
なっているのですが、それでも残念な結果にしかなりません。
所詮、人為的に作られた相場は長続きしません。
運用成績の発表遅延は意図的か
それ以上に問題なのは、運用成績の公表に関する政府の姿勢です。
年度が3月末で終了しているので、本来であれば、発表すべき時期
に来ているのですが、運用成績が悪いので、どうやら意図的に
発表時期を遅らせているようなのです。
GPIFの常識は世界の非常識
今回は、過去10年間のパフォーマンスの状況を詳細に公表
するとのことで、その精査に時間がかかっているとしています。
しかし、そんなものは、最初から決まっているのであれば、
すぐにできるはずなのです。
まして、運用というのは、保有している資産の現在価値を
常に時価評価して把握しておくのが、運用の世界では常識です。
このグローバルスタンダードと完全にかけ離れた、むしろ逆の
姿勢で運用管理を行っているのがGPIFということになります。
私もヘッジファンド運用をしていたからよくわかるのですが、
3月末時点の運用成績を7月末に出すなどというのは、運用者と
してはあり得ないことです。
それは、意図的に遅らせているか、それとも運用状況を
精査できないほど体制が貧弱であるかのどちらかです。
もちろん、今回のケースは前者でしょう。
先が思いやられる年金運用の将来
国民の大事な年金が運用されているのですが、その運用成績の
発表が政治的な都合で遅れる。ひどい話です。一般の運用業界の
話であれば、即座に投資家は資金引き上げを行います。
そのような運用者には、安心して資金を預けることはできません。
日本の年金運用の大本尊がこれではお話になりません。
日本の年金運用の体制の将来が思いやられます。
日本の運用業界は世界に比べて大きく遅れています。
そして、年金運用も同様というわけです。とても残念ですね。
年金原資や税金は国民からの預かりものであるという、基本的
な部分をすっかり忘れ去ってしまったようですね。
そして恐ろしいことに、司法まで私物化しています。
政府に都合の悪い発言やインターネットを統制する法律を、
熊本地震の報道だけしているメディアを隠れ蓑に国会を
立法化しています。
一般国民が知る権利、自由に発言する権利を奪う物です。
またまた、ここでも憲法違反です。
日本の今の国会は”日本国憲法”を完全に無視しています。
何処の国の国会なのでしょうか?
