
始めにお断りしておきますが、ここに書くことは誹謗中傷では
ありません。
『三橋貴明の「新」日本経済新聞』
2016/3/11の記事を読んで
1万8000人以上の死者・行方不明者を出した東日本大震災
から5年が経ちました。私たちはこの間、戦後最大の被災経験
から何を学んだと言えるでしょうか。
福井県高浜町にある関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止めを、
隣接する滋賀県の住民29人が求めた仮処分で、大津地裁
(山本善彦裁判長)はこの9日、「住民らの人格権侵害の恐れが高い
にもかかわらず、関電は安全性確保について主張、説明を尽していない」
として運転差し止めを命じる判決を出しました。
今回の大津地裁の判決は、原発の「ゼロリスク」を求めるものですが、
そもそもこの世の中に存在するものでゼロリスクがあり得るか。
マッチは火事の元にもなり、自動車は交通事故の元凶ともなって、
これまでに日本国内で数十万人の死者を出しています。それでもマッチ
をなくせ、自動車を走らせるな、と真顔で意見する人はいない。
「安全性」を追求することは不可欠ですが、「安心」という人間心理
を完全に満たすことはできない。それが現実の世の中でしょう。
人々は、それを本当は理解しているはずです。
東日本大震災という国難に立ち向かう力が日本には十分あるはずなのに、いまだにそれを発揮できていないのはなぜか。この機能不全は何に
よるものか。突き詰めれば、「国家」や「非常事態」というものを
考えずに、忌避して過ごしてきた戦後日本人の怠惰を未曾有の
自然災害に衝かれたということでしょう。その意味で、日本人に覚醒
を求める歴史的な出来事だと私は思っています。
福島第一原子力発電所の事故の教訓が、「ゼロリスク」を証明できない
かぎり運転は認めないというのであれば、これはまことに幼稚な退行
と言わざるを得ません。
恐怖心であれ、偏ったイデオロギーであれ、それに囚われた心理状態
からは、観念の世界はともかく、現実を生きるうえに必要な教訓を
導き出せないでしょう。
そもそも東京電力は法令に違反して福島第一原発を建設し、運転して
いたのか。ならばその罪過はきわめて大きい。法によって定められた
危機管理を行っていなかったら、その点に弁解の余地はない。
東電には過去に“事故隠し”もあり、事故当時、先入観を持って
見られたのは自業自得の面もありますが、問われるべきは、彼らが
法治国家の民間企業として法の遵守を怠っていたかどうかです。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」ではいけない。
私はあのとき新聞社にあって、「想定外の震災を想定していなかった。
それによって“深刻な状況”を招いた」という結果論から、一方的に
非難の“紙つぶて”を投げつける側に立ちたくないと思っていました。
この思いはいまも変わりません。
震災から5年、この間のマスメディアの報道の中に、東京電力の
社員も被災者だったという視点から報じた記事、テレビ番組が
あったかを振り返ると、ほとんど目にした記憶がありません。
加害企業に同情を寄せられるか!ということなのか…。
被災者の感情に寄り添う必要性を否定するものではありませんが、
マスメディアに「席をかえれば、咎めた人が咎められた人と同じ
ことをする」という自戒が薄いことに私は嫌な感じがします。
誤解を恐れずにいえば、東電を一方的に糾弾する側にも……。
自らを“審判者”の高みに置いた無謬性の傲岸さを感じざるを得ない
からです。私は、東電を庇いたいわけではありません。批判する側の
姿勢について述べています。
これまでマスメディアが誤報や虚報、捏造を指摘され、真相を読者
・視聴者から問われたケースで一体どれほどの対応をしてきたか。
かりに捏造の意志や悪意がなくとも、混乱をきたし、不正確な
情報提供をしたことはなかったか。またその責任を明瞭に取った者
がどれほどいたか。たとえば朝日新聞の慰安婦報道しかり。
珊瑚落書き事件しかり。珊瑚落書き事件では、処分された朝日新聞
の編集幹部の多くが、後に経営幹部に昇進しました。
あまり知られていないと思いますが、平成23年4月3日のMSN
産経ニュースに《福島原発で不明の20代東電社員2人、遺体で発見》
という記事が載りました。
〈東京電力は3日、福島第1原子力発電所4号機タービン建屋で
行方不明になっていた同社社員2人が遺体で見つかったと発表した。
東電によると、死亡が確認されたのは、福島第1原発第1運転管理部
の小久保和彦さん(24)と寺島祥希さん(21)。
2人は3月30日午後、4号機タービン建屋地下1階で発見された。
現場は放射性物質で汚染された水がたまっており、1人は水面に
浮いた状態で見つかった。翌31日に運び出して除染作業を行い、
4月2日に死亡確認と家族との対面が行われたという。
2人は震災当日の3月11日、4号機タービン建屋地下1階の調査に
行ったまま行方不明になっていたという。死因は多発性外傷による
出血性ショックで、死亡推定時刻は3月11日午後4時ごろ。
津波に巻き込まれたとみられる。
東電の勝俣恒久会長は「地震・津波に襲われながらも発電所の
安全を守ろうとした若い社員を失い痛恨の極み。深くご冥福を
お祈りする。二度と悲劇を繰り返さないことを誓い、
福島第1原発の事故収束に向け全身全霊をかたむけていく」
とコメントした。〉
この記事は4月4日付の産経新聞(東京朝刊)でも、
〈東電社員 2人死亡/地震直後不明 津波警報中 なぜ地下へ〉
という見出しでより詳しく報じられましたが、なぜか社員の死を悼む
勝俣会長のコメントは削られています。
「席をかえれば、咎めた人が咎められた人と同じことをする」とは、
故山本夏彦翁の言葉です。
〈古人は、地を易(か)うれば皆然(しか)り、といった。
席をかえれば、咎めた人が咎められた人と同じことをするという
ほどのことである。それでいて新聞沙汰になると正義漢に豹変して、
居眠りはもとより役人は勤務時間中ゴルフをしているなどと、
仰天したふりをする。
自分もゴルフをして居眠りして、他人のゴルフにあきれるまじめ
人間が多いから、コラムもあきれたふりをするのである。
なに君だってと書けばいいのだが、書けばぶちこわしになるから、
毎日迎合してつい迎合していることを忘れるのである。〉
(「コラムの言葉」)
平成17年から5年間、東京電力の女子サッカー部「マリーゼ」
に所属していた丸山桂里奈さんは、福島第一原発に勤務し、双葉町
にある寮に住んでいました。「発電所長付」という部署に所属、
事故の収束を指揮した吉田昌郎所長は上司でした。
桂里奈さんは震災後、自身のブログに〈私は、東電社員だったこと
を誇りに思うし、今原発内にいる東電社員の方々を本当に誇りに
思います。予想外の津波がきて、原発での事故が起こってしまった。
でも誰も悪くない。東電が悪いわけじゃない〉と書いたことで
バッシングを受けました。
当時の心境を直接、桂里奈さんに聞いたことがあります。
彼女はこう語りました。
「私は、現場で踏ん張っている人たちを励ましたかった。あのとき、
事態をどうにかできるのは発電所の中で働いている人たちだけです。
その現場の人たちを思い浮かべたとき、非難するよりは応援しな
ければと思ったんです。でも、すごくバッシングされて…、
軽率じゃないか、取りあえず謝れ!とも言われました。」
そして、「私は周囲にいてくれた人たちに本当に恵まれたと思って
います。その人たちのお蔭で頑張れた。辛いときにこそ本当の
人間関係が浮き彫りになる。こちらの調子のいいときには身近にいた
人が、悪くなったらいつの間にかどこかに消えていたり(笑)、
あれっ思うこともずいぶん経験しましたけれど、今振り返ってみると、
実にならない経験はないと思います。」と。
東日本大震災は、まことに多くの人間に自らを省みることを
求めたものではなかったか。改めてそう強く感じています。
日本列島は環太平洋火山帯に乗っかっています。
「日本人は災難を食って生き残って来た種族」だといったのは
物理学者の寺田寅彦ですが、こうした逞しさと、「正当にこわがる」
難しさを知る、真に知的な姿勢を保ちたいものです。
私は三橋貴明さんの経済?等の評論記事が好きです。
然し、この記事は三橋貴明さんらしくない所があります。
特に大津地裁の関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止め
について、『原発の「ゼロリスク」を求める』と言う判断を
下したところです。
ゼロリスクを自動車事故やマッチに例えていますが、そんな
物でしょうか。
広い目で見て見ましょう。
《何故原発が必要なのでしょうか?》
色々いわれていますが、発電コストが安いは間違いです。
チェルノブイリ・福島の原発大規模事故が現実に起きています。
それぞれの事故は終息していません。
完全に終息するのに何年かかるか、幾らかかるか専門家でも
ハッキリとはわかりません。
福島の場合はそのコストは電気使用者に跳ね返ってくると
言われています。
それよりも、1度大規模事故を起こせば地球規模で環境に
大きく影響し、それが生物にどれほどの被害を及ぼすか?
今後何十年にわたって研究しなければわからないことです。
そういう地球規模の危険性のある物を、地震列島である日本に
必要なのでしょうか?
日本は原発でしか発電できないのでしょうか?
原発が全基止まっている間に、大規模停電はありましたか?
原発の稼働率をご存知でしょうか?
低い稼働率のせいで、火力・水力の発電設備を補充しておか
なくてはならないことをご存知でしょうか?
おかしいでしょう?
大津地裁の山本善彦裁判長は一度は住民の運転差し止め訴訟
を却下しています。
良識ある裁判長だと思います。
三橋氏は山本善彦裁判長の判決が間違いだと仰るのでしょうか?
実際に福島で原発被害にあった方のことをご存知なのでしょ
うか?
放射能の被害が当事者だけでなく、子々孫々に及ぶ恐れのある
ことをご存知なのでしょうか?
何も被害が無いとでも仰るなら、福島原発の近くにお住まい
下さい。
あなたは多くの国民の声をご存知なのでしょうか?
日本に原発は要らないという声を!
再稼動はすべきで無いという声を!
もしかして、あなたは原発関連から利益を得ている人なので
しょうか?
もっともらしいことを、平静は言って実は政府の犬と言う事も
ありますからね!
思わぬところから墓穴を掘らないようにしていただきたく思
います。
