ずいぶんと休みを頂戴してしまった。
その間、PLDTの技術者なる者が3回も我が家にやってきた。
やってきたと言うのはPLDTのサービスではなく、連れ合いと揉
めてまで連絡するように言った為である。
技術者は何をしたかと言うと、1回目はアンテナの位地を高くした
だけである。2回目は高くしたアンテナの向きを変えただけである。
3回目も同様に又向きを変えただけである。
パソコンを立ち上げるのに、電源スイッチを要れ暫くすると、右下
下部にある電波マークが現れる。
それが黄色い△マークにビックリマークが入ったものとなり、イン
ターネットに接続できない。ルーターの電源OFFにし10秒ほど後
にONにして暫く待つと正常に繋がるのであり、それでも途中で
インターネットが途切れる場合や、その他のことが起こる。
体調不良にPC不調ではブログどころではない。
ルーターを交換してくれと言っても、ルーターを持っていながら
交換をしない。ルーターに異常は無いの一点張りである。
3回とも同じことの繰り返しである。
電波の感度が悪いからそうなるのでしょう。





技術者が帰ってからスピードテストをして見た。
計る度に大きく数字が違ってくる。
こんな事では先が思いやられるが、今日は3月1日。
あまり長い間留守にしても申し訳なく思いコメなしで
投稿させていただくことにしました。
MAG2 NEWS
なぜ、アメリカ大統領選はこんな茶番劇になっているのか?
2016年3月1日
老帝国アメリカの徘徊癖・暴力癖をどう介護するか
アメリカの大統領選挙では、史上空前の珍風景が展開されている。
私も長年、米大統領選は強い関心を持ってウォッチしてきたが、
こんな惨憺たるというか、それを通り越して漫画的とさえ言える
争いに迷い込んだのは見たことがない。共和党のトップを走って
いるドナルド・トランプというのは、ほとんど酔っ払いのオジさん
でしょう。石原慎太郎と橋下徹の悪い所だけ寄せ集めて、それに
浴びるほど焼酎を飲ませて演壇に送り出して、くだをまかせて面白
がっているようなものだ。たちまち消え去るかと思えば、2月23日
のネバダ州でもトップを確保した。他方、民主党は本命とされた
ヒラリー・クリントンが意外の苦戦で、ネバダではヒラリーが勝った
ものの、社会主義者を名乗るバーニー・サンダースが格差拡大に
苦しむ若者層を中心に根強い支持を固めている。北欧型の福祉社会
を目指そうということであって、そんなに突飛なことを言っている
訳ではないとは思うが、「いやあ、アメリカにまだ社会主義者が
いたのか!」という新鮮な驚きがある。
何なのかというと、アメリカ帝国が崩壊過程に入って、この国が
一体21世紀にどう生きていくべきなのか、国家も政党も政治家・
候補者も国民も、羅針盤が壊れて針路を見失ってしまっていること
による意識混濁の表れである。
「金融帝国」の退廃
帝国の崩壊には2つの面があって、1つは「金融帝国」の崩壊である。
今日は時間がないので詳しくは触れないが、資本主義の総本山である
アメリカは、水野和夫が言う「資本主義の終焉」──16世紀以来、
果てしなくフロンティアを求めてグローバル化を遂げてきた資本主義
がもはや貪るべき物理的な辺境を失って、仮想的な金融空間で
「カネがカネを生む」電子的な超高速取引という退嬰的なカジノ
資本主義に隘路を見出して、しかしそれも08年リーマン・ショック
で破綻して、さあどうするのか。今更、額に汗してモノを作る
産業資本主義に戻れる訳もないのに「TPPで輸出を倍増して雇用を
創出する」などと言い出して、ではその輸出先の最大市場となるはず
の中国を招き入れるのかと思えば、最初から排除して、膝を屈して
来れば入れてやってもいいという混濁した姿勢である。中国主導の
アジアインフラ投資銀行(AIIB)への度を超した警戒感を含めて、
米国がまだ中国を上手く組み入れて多極世界の新秩序を形成して
いこうという戦略が立てられないでいることの反映と言える。
他方、金融資本主義そのものについては、オバマは市場にいろいろな
規制をかぶせて行き過ぎを是正し、「ほどほどの金融資本主義」
に戻そうとしているかのようだが、実態はとんでもない方向に暴走
していて、皆さん、マイケル・ルイス「フラッシュ・ボーイズ
/10億分の1秒の男たち」(14年、文藝春秋刊)を、まだだったら
是非読んで頂きたい。
いま株の取引の最先端は、ナノ秒、すなわち1秒間に10億回の取引
ができるようなスパコンによって担われている。皆さんの中には、
自宅のパソコンでデイ・トレーダーをやっている人はいないと思うが、
画面を見て「おっ、この株は前から注目してきたけど、ここまで
下がったら買い時かな」と、チョンチョンと入力して、「えーとっ」、
エンター・キーを押して……などと何秒もかかって買い注文を出す
わけだが、その瞬間にボーイズはそれを察知してフロントランニング
(先回り)して市場に出回っているその株を抑えてしまう。
「あれっ?」と思って、「じゃあ、もう1円高くても買いだ」と
思ってエンター・キー。するとボーイズはまたナノ秒で売りに出て
差額を稼ぐのである。この超高速競争を勝ち抜くには、他よりも
高性能のスパコンを、1メートルでも短い光ファイバーで取引所
と繋いで、金融工学の粋を尽くした複雑なプログラムを開発して
常に更新し続けなければならない。しかも彼らが手がけるのは、
たいていの場合、株式だけではなくて為替や原油先物などの投機市場
全般なので、例えば、原油がここまで下がると円安・ドル高に振れ
てそのためにこの株は上がりあの株は下がるといったことを、
時差の推移を含めてすべて想定して自動的に売買を繰り返すよう
プログラミングする。目的はただ1つ、ナノ秒単位でいかにして
「差額」を掠め取るかの詐欺的な行為でしかない。金融資本主義の
電子的堕落は今ここまで来てしまった。
しかも、「フラッシュ・ボーイズ」を読んで驚くのは、こんな金融的
詐欺が始まっていることを、ウォール街の投資銀行や証券会社も
最初のうち気づかなかったという事実である。カナダ系の大手
投資銀行のディーラーがある日を境に、大きな買い注文を出すと
画面が真っ暗にかき消えてしまう事故に何度も遭遇する。
おかしいなと思って調べていって、初めて超高速ボーイズによる
詐欺のからくりが明らかになっていくというドキュメンタリーが
本書の内容である。ボーイズにとっては、全世界の人々の慎ましい
暮らしぶりはもちろんのこと、当該企業の業績や将来性も何も全く
関心の外であって、ただ単に取引スピードにものを言わせて他人の
注文にフロントランニングして巨額の富を横取りするゲームが面白
いのである。
今やアメリカの証券市場には、スピードを基盤として、持つ者と
持たざる者の階級構造ができていた。持つ者はナノ秒のために金を
払い、持たざる者はナノ秒に価値があることを知りもしない。
……かつては世界で最もオープンで、最も民主的だった金融市場は、
盗品の芸術作品を集めた内輪の鑑賞会のようなものになり果てていた
(同書P.93)
今や「1%vs99%」どころではない。その1%の内部で、ナノ秒と
ミリ秒と1秒の格差が生まれつつある。まさに世も末で、米国が
21世紀の資本主義の行方を見失って詐欺師や盗人の跳梁跋扈に転がり
込んでしまったのでは、世界は一体どうしたらいいのか。
「軍事帝国」の行き詰まり
帝国の崩壊のもう一面は「軍事帝国」の崩壊である。
9・11の惨劇があって、当時のブッシュ大統領は「戦争だ!」
と叫んでアフガニスタンとイラクの戦争を発動した。私は9・11
で頭が真っ白になって、しばらくは何をどう考えたらいいか分から
なくなってしまったが、ブッシュのその呼号を聞いて目が覚めて、
事件から6日後に「戦争は泥沼化への道ではないか」と題した最初
の分析記事を書いた。その頃、日本のマスコミも進歩的文化人と
言われる人たちのほとんどもブッシュ支持で沸き立っていたから、
それに異を唱えるのは少々勇気のいることではあったが、以来私は
自分が主宰する「インサイダー」でその観点からの記事を繰り
出し続けた。2006年の秋に、それまで5年間のアフガン、イラク関連
の記事を集めて1冊に編んで、そのタイトルを「滅びゆくアメリカ
帝国」とした(にんげん出版刊)。その当時は、「もう滅ぼして
しまうんですか」などと皮肉っぽく言われたものだったが、今では、
世界ではもちろん米国の新聞・雑誌でも、米帝国の崩壊はごく普通
に語られるようになった。
20世紀は「戦争の世紀」と言われた。前半には2つの世界大戦が
あって何千万もの人が死んで、「もうこんなことは繰り返して
はならない」ということになって国連が生まれ、その理念に従
って日本は非武装憲法を作り、欧州では友愛の精神に基づく地域統合
への歩みが始まった。しかし世界は「緩慢な第3次世界大戦」として
の冷戦に転がり込んで、国連憲章の理念も日本国憲法の精神も活かさ
れることはなかった。それでも45年間を経てその冷戦も終わって、
本来であれば世界は、戦争の世紀としての20世紀をきっぱりと卒業
して、戦争なき21世紀、従って覇権なき多極秩序の21世紀へ向か
って歩み始めなければならなかったし、それには誰よりもまず米国が、
多極世界のワン・オブ・ゼムではあるけれども、しかし十分に強力
な最大の経済大国として振る舞うことを学ばなければならなかった。
が、現実はそうはならなかった。
冷戦を終わらせた当事者であるブッシュ父大統領は、「冷戦という名
の第3次世界大戦に勝利して、今や米国は唯一超大国となった」と
いう幻想に取り憑かれた。冷戦が終わったということは、20世紀前半
の熱戦に戻ることではなく、冷戦にせよ熱戦にせよ、国民国家が
軍事力にもの言わせて国家総力戦を戦って利害を競うのが当たり前
という16世紀以来の国家観・戦争観・世界観を、エイ、ヤッとばかり
一斉に捨てるということであるはずだったのに、米国はそれに応じな
かったばかりか、逆に「旧ソ連がいなくなり、社会主義体制が崩壊
して、これからは我々のやりたい放題だ」という愚かしい錯覚に
舞い上がった。
その「唯一超大国」幻想を、「単独行動主義」とか「先制攻撃主義」
とかの実際の軍事・外交路線に具体化したのがブッシュ子政権だが、
しかしアフガンとイラクの2つの戦争は、軍事力では今の世界が抱
える問題は何一つ解決しないという赤裸々な現実を露わにした。
全世界の軍事費の45%を一国で費やす米国が、その総力を挙げて
襲いかかってもテロリストを壊滅させることが出来なかったばかりか、
中東の秩序は千々に乱れて、ISという化け物を生み出してしまった。
オバマ大統領はこの7年間、その2つの間違った戦争から米国を救
い出し、軍事力任せの粗暴な米国を変革して21世紀の世界に適合
させようと、それなりに頑張ったと思う。「米国は世界の警察官
ではない」と繰り返し宣言し、また陸軍士官学校の卒業式の演説では、
「米国は世界最強のカナヅチを持っているが、だからといって世界中
のクギを打って歩くつもりはない」「すぐに軍事力に訴えないのは
弱腰だと批判する者もいるが、私はそんな批判をかわすために諸君ら
を戦場に送ることはしない」と明言した。こんなことを言った
米大統領はいない。
ネオコン勢力の策動
しかし、言うは易し行うは難しで、ネオコン、共和党右翼、草の根
のキリスト教右派=ティー・パーティ、その背景にある軍産複合体
など、一言でまとめれば「冷戦ノスタルジア」的な守旧勢力の激し
い反動に直面する。
実はブッシュ子政権を取り仕切ったのはネオコンで、彼らは
「全世界の独裁者を打倒せよ」という世界永久民主革命論とも
言うべき過激思想の持ち主で、米国内のユダヤ・ロビーを通じて
イスラエルの右翼政権とも繋がっている。また共和党右翼を代表
するのはジョン・マケイン上院議員で、彼もまた反共・反独裁、
反イスラム、親イスラエルでネオコンと通底している。
さらにティー・パーティ的なキリスト教右派は、アメリカ式の
自由と民主主義を世界に布教するのは米国人に神から与えられた
使命であるという強烈な宗教的情熱を持っていて、容易にネオコン
と一致する。これらの冷戦的勢力を煽りながら世界各地で戦争を
引き起こして武器を売り込もうとしているのが軍産複合体である。
この冷戦ブロックはまことに強力で、米国が21世紀に適合しよう
とすることを妨げている。
ネオコンは、イスラエルの諜報機関がねつ造した「サダム・フセイン
は大量破壊兵器を隠していて、それを今にもテロリスト集団に渡
そうとしている」という偽情報をブッシュに吹き込んで米国を
イラク戦争に引きずり込んだ。それ以前の90年代末以降、
旧ユーゴスラビアのミロシェビッチ大統領はじめグルジア、
ウクライナ、ベラルーシ、キルギスなど旧ソ連東欧圏の国々で
「民主化」運動を煽り独裁政権打倒を策したのも、また
チュニジアを発端に北アフリカから中東に広がった「アラブの春」
に乗じて市民の民主化デモに介入して資金と武器を供給して
内戦に転化させ、リビアのカダフィ大佐の虐殺、エジプトの
ムスリム同胞団政権の転覆、シリアのアサド政権の打倒の仕掛
けなども皆彼らの仕掛けだった。特に目立つのはマケインの活躍で、
彼はリビアにもウクライナにもシリアにも単身で飛び込んで、
いわゆる反体制勢力と接触し、資金と武器を供給して独裁者に
立ち向かわせるルートを設営した。
シリアでは、アラブの春の影響で2011年春に始まった市民の
政治的民主化を求める、どちらかというと穏健な(必ずしも
アサド政権打倒を目指しているのではない)デモが始まって、
当初はアサド大統領側もそれなりの民主的改革案を次々に打ち出
して対話を試みていたものの、そこへイスラエル右翼と結んだ
ネオコン&マケインが介入して反政府勢力に資金と武器を供給
してアサド打倒の内戦を挑発した。フセインやカダフィやエジプト
の同胞団やアサドが消え去ってそれら各国が国家崩壊状態に陥る
ことは、誰よりもイスラエルにとって居心地のいい中東状況を作り
出すことになるわけで、そのような中東の全般的な秩序破壊に米国
を引き込んでその力を利用することがネオコンらの狙いだったのである。
オバマもこのネオコンの策動に危うく引っかかりそうになった。
かねてからアサド政権に対する空爆を辞さないと言っていた
オバマは、同政権が自国民に対して化学兵器を使用して百数十人
を殺害したとの情報に猛り狂って空爆に踏み切ろうとした。
ところがこれは、ブッシュをイラク戦争に引き込んだのと全く同じ
パターンのイスラエル発ネオコン経由の偽情報で、それを寸前の
ところで止めたのはロシアのプーチン大統領だった。
プーチンはオバマに電話で「こんなものに引っかかったら、
あなたはブッシュの二の舞になる」と言い、それでオバマが
辛うじて思いとどまると、ネオコンや共和党右派は大統領を
「弱腰」と罵倒し、全マスコミもそれに調子を合わせてオバマを
貶めた。
アサド政権が化学兵器を蓄えていたのは事実で、それはイスラエル
の核兵器に対抗するには、いざという時には化学兵器で反撃する
しかないという「貧者の核兵器」という発想からのことである。
その化学兵器の一部が内戦の中で米国に支援された反政府勢力の
手に落ちて、彼らがそれを使用するという事態が生じたので、
アサド政権は国連に調査団の派遣を要請した。その調査団が現地
に到着した翌日に「化学兵器を使ったのはアサド政権側だ」
という偽情報が流され、オバマはアサド爆殺を決断しかかった
のだが、アサドが自分で化学兵器を使っておいて国連を呼び込む
はずはないではないか。プーチンはその経緯を全部知っていて
オバマを制止し、その後直ちにアサド政権が保有している化学兵器
を国連管理下で国外に搬出するという作戦を提案し実行して
ネオコンとイスラエルの陰謀を封じ、オバマを救った。
結局、いまのシリアとISをめぐる大混乱の大元はここで、
いわゆる反政府勢力を助けてアサド大統領という独裁者を
倒すのが先だというネオコン路線に乗るのか、シリア政府と
その軍を助けてISを潰すのが先だというプーチンの戦略に従う
のかという問題であって、これは後者を主張しているプーチン
の方が正しい。ここ数日に達成されつつあるシリア内戦停止の
米露合意は、オバマがようやくネオコンの罠から脱して正気を
取り戻しつつあることの証左である。
米大統領選の不毛
そのようにして、オバマはこの7年間を通じて、ヨタヨタしな
がらも何とかして米国をやたらに軍事力を振り回すのではない
国に生まれ変わらせようと頑張って来たのだと思う。そこで
今年の米大統領選の最大の焦点は、そうやって21世紀に向かって
半歩踏み出した米国を誰が引き継いで一歩、二歩と前に進める
のかということに尽きる。世界にとっての大統領選への最大関心事
はそこにしかない。
ところが現実には、そんなことは何ら選挙戦の論争テーマには
なっておらず、例えばトランプが外交について言っているのは、
「力だ、力だ、力だ。誰も俺たちに手出しが出来ないようにする
圧倒的な力だ」とかいう幼稚きわまりない戯れ言でしかない。
後を追うテッド・クルーズは外交については多くを語っていないが、
IS対策について問われた時には「絨毯爆撃だ。私の戦略はシンプルだ。
悪党どもを標的にして叩きのめす」と、まさしくシンプル極まり
ないことを言って失笑を買った。しかし彼の基盤がキリスト教
右派であることを思えば、この面に関しては簡単にネオコン路線
と同調するだろう。
もう1人のマルコ・ルビオは、トランプの粗暴ぶりに手を焼いた
共和党主流が、すでに選挙戦から撤退したジェフ・ブッシュの
票を回して何とか浮上させようとしているが、私に言わせれば
一番浮上してほしくないのはこの人で、なぜなら彼は、米国の
メディアで「ナイーブなネオコン」と呼ばれているとおり、
ネオコンの手先だからである。彼のブレーンにはネオコンの
策動拠点である「アメリカ新世紀プロジェクト」の人脈が入り
込んでいる。
「アメリカ新世紀プロジェクト」を立ち上げたのは、ネオコンの
代表的論客である歴史家のロバート・ケーガン=米ブルッキングス
研究所上席研究員である(マケインもメンバー)。01年の9・11
の1年前に、米国が地球的責任を果たすための軍備大増強を提唱
する米防衛再編計画を発表、その際にそれを短期間に実現するには
「新たな真珠湾攻撃のような破滅的な出来事」が起きることが
必要であるかのごとき一句を盛り込んだので、後々「ネオコンによる
9・11自作自演」説の論拠にされた。
そのケーガンの妻は現職の米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)
のビクトリア・ヌーランドで、彼女がキエフの民主化デモが盛り
上がり始めた13年12月10日にキエフ入りし、野党指導者たちと
会談し、また独立広場に行ってデモ参加者にお菓子を配った。
続いて14日にはマケイン上院議員がキエフに姿を現してウクライナ
のネオナチ勢力幹部に資金・武器援助を約束し、これによって
「キエフの春」は早々に独裁者打倒=ロシアの影響力排除のための
内乱に転化したのである。
従って、ルビオが共和党の予備選を制すれば、米国中枢が再び
ネオコンの危険思想に深く汚染される危険が生じる。
民主党では、サンダーズは今のところ国内格差問題への取り組み
をアピールするのに忙しく、外交まで頭が回っていない。が、
かつてイラク戦争に反対した投票記録があるから、ハト派には
違いない。クリントンはファースト・レディ、国務長官も務めた
外交のプロで、その意味ではただ1人、安心感を持てる知性的国際派
ではあるが、オバマより遙かにタカ派で、軍事力の行使をためら
わないタイプである。彼女の言う「グローバル・リーダーシップ」
というのは、共和党の言う「唯一超大国」と実は紙一重で、軍事力
の行使を決して排除していない。
こうして、これまでの選挙戦を見る限り、オバマの脱軍事帝国
のための悪戦苦闘をさらに強力に前に進める大統領が登場する
可能性はほとんどなく、むしろ冷戦的もしくはネオコン的な勢力
の大復活という逆流が生じる危険が高まっている。
安倍政権の逆方向
それは世界にとってはもちろん日本にとっても深刻な事態で、
安倍政権の超タカ派路線は要するに反オバマの冷戦的な守旧勢力
こそが米国の主流だという思い込みの上に成り立っているので、
共和党のタカ派大統領が誕生すれば安倍は勇気百倍、その路線
をさらに突き進めるだろう。安倍が直結しているのはジョゼフ・
ナイ、リチャード・アーミテージ、マイケル・グリーンなどの
「ジャパン・ハンドラー」と呼ばれる軍産複合体の利益代弁者
である。中国や北朝鮮の「脅威」を煽って日本を脅し上げ、
オスプレイやミサイル防衛システムなどの最新鋭の兵器を売り
込むのが彼らのビジネスで、このラインを通じて日本の対米属国化
はさらに深まることになる。
端的に言って、今世界にとって最大の難問は、老帝国アメリカ
の徘徊癖や暴力癖をどのように防止しておとなしく寝かしつける
かという介護問題である。日本は本来、欧州やロシアや中国と
語らって米国を真綿で包むようにしながら導いて、21世紀の
多極世界の秩序作りに軟着陸させるよう主導権を発揮しなければ
ならないが、安倍がやっているのは真反対で、米国の最も退嬰的
な部分と癒着して、中国との軍事的対決を辞さない
「強いアメリカ」に立ち戻るよう煽り立てて時代の流れを20世紀
へと逆行させるのを助けている。こんなことでは、せっかくの
伊勢・志摩サミットも、「日本が主導して中国包囲網を作り出す
のに成功した」などという混濁したメッセージを世界に発する
だけの場に終わるのではないか。
『高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
