「少子化が国難というならば」
From 三橋貴明@ブログ より 抜粋
さて、総理は「国難」について
北朝鮮危機と「少子化」である
と説明しています。
2016年の合計特殊出生率は
1.44。2015年と比較すると、
0.01ポイント低下しました。
出生数も97万6979人と、
戦後、初めて100万人を割ります。
日本の少子化の主因は、
文句なしで「婚姻率の低下」になります。
1970年代は10前後だった
婚姻率(人口千人当たりの婚姻件数)が、
2014年に5.1まで下がり、
2015年も同じく5.1。
なぜ、結婚が減っているのか。
18歳から32歳までの
未婚者を調査すると、
「いずれ結婚するつもり」と
答えた者の割合は、
男性が85.7%、女性が89.3%。
実は、この値は他の先進国と
比較して「高い」数字なのです。
日本の若い世代の結婚願望は、
決して低くありません。
それにも関わらず、結婚が増えない。
理由はもちろん、所得水準が
下がっていっているためです。
【日本の20代・30代の所得分布(1997年と2012年)】

日本の実質賃金の推移(対前年比%)

http://mtdata.jp/data_57.html#2030 ;
上記の通り、「問題の年」である
1997年と比較すると、
20代、30代の所得分布は、
明らかに左にシフトしてしまっています。
特に、97年時点で
年収500万円~699万円の30代が
25%近くいたのに対し、
2012年には15%に
落ち込んでしまっているのには驚かされます。
と言いますか、97年は30代において
最も所得分布が集中しているのが、
500万円から699万円だったわけです。
それが、2012年には300万円から499万円。
この惨状で結婚や出産が増えたら、
むしろ奇跡でございます。
日本の若い世代にとって、
出産どころか結婚そのものが
「贅沢品」になってしまっているのです。
2013年以降は、
さらなる実質賃金の低下に見舞われましたので、
当然ながら所得分布はさらに左に移っているでしょう。
安倍総理が本気で少子化が「国難」である
と考えているならば、20代と30代の所得分布を
「右にずらす」必要があるのです。
無論、名目で上げればいい
という話にはなりません。
給料の額面の上昇率が、
物価の上昇を上回る実質賃金で
所得を引き上げていかなければならないのです。
というわけで、17年8月の実質賃金(速報値)が発表になりました。
【平成29年8月の実質賃金(速報値)】
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/29/2908p/2908p.html
現金給与総額:対前年比0.1%
きまって支給する給与:対前年比▲0.2%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
現金給与総額は辛うじてプラス化しましたが、
わたくしが重要視している
「きまって支給する給与」は
マイナスに落ち込んでしまいました。
【日本の実質賃金の推移(対前年比%)】
http://mtdata.jp/data_57.html#JC1708
ちなみに、2016年に
実質賃金が上がっているのは、
賃金の上昇というよりは、
物価の下落によるものです。
2017年は物価の下落は止まりつつあるのですが、
名目賃金が伸びないため、きまって支給する給与は
昨年9月を最後にプラス化したことがありません。
日本国民の貧困化は継続中です。
所得分布が左にずれていっているのです。
少子化を本気で国難と思うならば、
まずは実質賃金の低下に
歯止めをかけなければなりません。
具体的には、政府の需要創出と生産性向上、
そして労働分配率の規制です。
この種の間違いなく効果がある
「少子化対策」を実施せずに、
「消費税の使い方の見直し」が少子化対策などと言われても、
「あ、どうせ、それでは解決しませんから」
と、断定せざるを得ないのです。
何故勤労者の所得が著しく下がったのでしょうか。
それは雇用形態に原因しているところが多分にあります。
この選挙の自民党の話の中に『同一労働同一賃金』
と言うのがあります。
それは雇用者の目から見ると大変結構なもののように写り
ます。
派遣労働者の多い今、賃金は抑えられています。
低い賃金に統一されては働く者はたまったものではありません。
即時派遣法は昔の季節労働者の時代に直すべきです。
原則、正規社員かアルバイト。
そうすることによって自然に働く者の収入は増えるはずです。
企業も手抜きをせず、優秀な人材を集めたかったら、人事部が
汗を流すのが当然の姿です。
働き手の収入が増えれば、当然適齢期の者は結婚し
子供をもうけるでしょう。
賃金上昇のためにも”口入屋”は非合法とするべきです。
働き手も同じです。
安直に職に付こうとせず、苦労して職を探すべきです。
いずれも簡単に便利に働こうと思うあさましさが、口入屋を
蔓延らせる元にもなっているのです。
どちらも国を良くするためには額に汗を流すべきです。
特に政治家の方はネ!
政治家の基本に立ち返れ。
政治家(官僚)は国民の下僕たるべし!!!

