「新本格ミステリ作家強化月間」
第11冊目です。
「真夜中の探偵」有栖川有栖。
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
- 「闇の喇叭」の続編で
- 探偵・空閑純シリーズの第二弾です。
- 内容・・・・(オビより引用)
- 平世22年・・・・すべての探偵行為が禁止された日本。空閑純は、17歳。
- 両親ともに有名な探偵だが、母の朱鷺子は4年前から行方不明。
- 父の誠は昨年、警察類似行為で逮捕され、収監されている。
- 純は叔父の住む大阪で独り暮らしを始める。
- 母の手がかりを探すなか、父母に仕事を仲介していた押井照雅という
- 人物と会える機会が訪れる。
- 1週間後、押井の別宅で水に満たされた木箱に入った溺死体が発見された。
- 被害者は元探偵で<金魚>と呼ばれていた男だった。
- 容疑者リストに入った純は、自ら「水の棺」の謎を解くために調査を始める。
- 純は探偵としての一歩を踏み出せるのか?
- 分断された日本。北海道は日ノ本共和国として独立し
- 本州以南が日本で両国間には緊張がみなぎっているという
- ある種のパラレルワールドでのお話だ。
- 有栖川有栖らしいテンポのいい作品。
- しかし、全編通して物悲しいせつない空気感が漂っている。
- 探偵行為が禁止の日本。
- テロリストが闊歩し、中央警察が幅を利かせる、緊張漂う日常。
- 政治が混迷した不安定な世の中は、架空の設定ながら
- 今ある現代の日本の姿を痛烈に批判、危惧しているようで
- 作者の政治的メッセージみたいなものが感じられる作品。
- しかし、そんな固いお話もあるがミステリは有栖川有栖の真骨頂。
- 主人公純の成長を謎の解決と絡めながら、切なく描く筆致は
- 優しくもあり、胸を締め付けられる苦しさもある。
- そんなちょっと趣の違った本格ミステリだ。
- 純の母朱鷺子の謎も少しづつ明らかになり、続編が楽しみである。
- やはり私は有栖川有栖が好きだな~と再認識した作品でした。
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