さて、話題は変わり、院入試です。
では卒業後の様々な進路について解説しましたが、この記事では大学院入試に焦点を当てていきたいと思います。
また、次回の記事では個人的な院入試結果と、その経験を踏まえたアドバイスも書く予定です。
まず、学科に依り受験に必要な書類や試験、受験時期などが異なりますが、概ね似通っている
・数学
・物理
・化学
の学科を中心に、また、少し異なる生物学科についても言及したいと思います。
ちなみに、この概要は2020年春現在の情報なので、実際に受験する際には各自最新の情報を探してください。
また、私は日本国籍で海外大学在籍のため、アメリカや日本の奨学金には出願しません(できません)でした。
そのため、奨学金についても各自調べてみてください。
【出願まで(〜8月)】
まず、院入試に関して有名なのは Graduate Record Examinations (GRE) という試験です。
学部受験でいう SAT に相当し、GRE にも General Test と Subjet Test があります。
General GRE は、以下の三単元に分かれています(括弧は得点範囲)。
・ Verbal (130-170)
・ Mathematics (130-170)
・ Writing (0-6、0.5単位)
理系、特に日本人なら170点満点を目指すことは容易いでしょう。
Verbal に関しては、日本人だと結構語彙を自主的に覚えないと高得点は狙いづらいと思います。
Writing もぶっつけ本番だと厳しいと思います。
ただ、理系の場合、Verbal や Writing はそこまで重視されないと言われています(私の入試結果からしても言える)。
しかし、高得点をとっておくに越したことはないのと、再度試験を受けるのは財布に負担がかかるので、きちんと対策をしてから挑みましょう。
続いて、Subject GRE はその名の通り科目ごとの試験です。
Mathematics, Physics, Chemistry などに分かれていて、受験する大学院から指定された科目の試験を受けます。
General GRE より Subject GRE の方が受験において比率は高いです。
Subject GREはなるべく高得点を出すようにしましょう。
ところで、General GRE と Subject GRE の両方において重要視して欲しいのは percentile です。
Percentile はその数値が高いほど成績がいいという仕組みになっています。
重要な科目(例えば Subject GRE や General GRE の Math)では 90 percentile を目指すようにしましょう。
実際のところ、例えば物理科の入試でトップ50に入る大学院では Subject GRE の 80 percentile が足切りとなっているという噂があります。
他に受験した友達にも Subject GRE でおそらく落とされたんじゃないかという感じの人を見かけるので、たかが試験、されど試験、気を抜かずに頑張りましょう。
最後に、ここ数年は GRE の試験結果提出を任意にする動きが広まっています。
特に今年は新型コロナウイルスで試験が開催しにくい影響もあるので、今後もこの動きが加速する可能性があります。
各自受ける大学院の入試要項をよく読んで、GRE受験が必要かどうかを見極めてください。
また、英語圏外から受験する際にはTOEFLが必要な場合があります。
ここらへんの点数事情は把握していませんが、120点中100点以上あれば英語力には問題ないと思われるでしょう。
【出願準備(9月〜12月)】
さて、試験の結果が出揃ったところで出願です(ちなみにGREは10月くらいまでなら受けても出願に間に合います)。
出願に必要な基本的な書類として
・推薦書2〜4本
・大学の成績
・エッセイ
・GRE/TOEFL の成績
があります。
ちなみに出願はほぼ全てオンラインです。
試験の成績を除き、重要度のランク付けすることは出来ないほどに全てが重要なのですが、あえて言えば推薦書が一番重要視される確率が高いです。
そのため、推薦書は①著名で②濃い内容を書いてくれる教授に頼みましょう。
まずは研究室の教授、次に授業をとった教授、そして個人的に仲の良かった教授、といった優先順位で決めていくといいです。
ただ、もし教授が推薦書を書くのに躊躇していそうな雰囲気だったら、潔く他の先生に頼むことにしましょう。
次に、大学の成績はアメリカではとても重要です。
たとえばトップ校を目指すならGPAが3.6以上ないと勝率はとても低いです。
また、同じGPAでも学年が上がるごとに成績も上がっていく方が好感度が高いので、3、4年生は特に成績に気をつけてください。
そして、自分と他の受験生を特に差別化することができるのがエッセイです。
各学校によって条件が違いますが、ほとんどがsingle spacedで1-2ページほどのエッセイを書くように指示してくると思います。
ここは、自分の強さや興味、そして研究について院にアピールできる場所なので、特に時間をかけてください。
個人的には、エッセイは私が受験する中で結構審査員に響いたのではないかなと思います(後日の記事で詳述)。
一緒に受験する友達と読み合いっこして質を高めていくのもおすすめです。
最後に、出願には出願費用が必要です。
大学院にもよりますが、概ね平均100ドルくらいかかります。
GREの試験成績を送るのにもお金がかかるので、何校受けるかはお財布と相談してください。
ちなみに、私は12校ほど受けましたが、これは東大の大学院に出願・合格して入学するまでの入学金を含めたとした費用よりも低い出費で済みました。
【出願・面接(12〜1月)】
Stanford University のKnight Hennessy のように特殊なものもありますが、普通は出願の期限は12月から翌年の1月に定められています。
私が見た印象だと、生物や化学は11月下旬から12月上旬、物理は12月中旬から下旬、数学は12月中旬から1月中旬に出願期限があるものが多いです。
そして、特に生物や化学科では面接が12月から2月の間に行われます。
友達の話を聞いている感じだと、面接が選考の一部として大きく扱われているところ(つまり面接で落とされることもある)と、面接は単なる教授との顔合わせとして使われているところ(つまりほぼ受かる)の二パターンがあるそうです。
面接も、オンラインでやるところや、わざわざキャンパスに赴いてやるところもあるらしく、大学・学科によって様々です。
対して物理や数学科には面接はほとんどありません。
これはやはり生物や化学は実験がメインでチームワークが重要視される一方で、物理や数学はどちらかというとソロプレイという性質が反映されてるのかなと思います。
そして、物理や数学で面接される場合には、受かるか受からないかのギリギリのラインにいる場合が大半です。
便りがないのはいい便りとして構えておきましょう。
【合否通知(1〜3月)】
アメリカの大学院受験で特にストレス要因になるのは、合否通知がほぼ受かった順から来ることです。
(ちなみに、本当に勝算がないような場合にもすぐに不合格通知が届きます。)
生物や化学だと1月に合否が決まり始め、2月下旬にはほぼ全ての通知が届いていることが多いそうです。
物理や数学では2月下旬に決まり始め、3月上旬にほぼ全ての合否が決まります。
それ以降に結果が来ない場合は、受からなかったと思っておいた方がいいでしょう。
実際に、私の受けた大学院の中ではいまだに合否通知を出してくれていないところがあります笑😠
合否を待つ際のアドバイスとして、「受験仲間とは結果を共有しない・受かっても誰にも言わない」ことです。
同じ大学院を受けて他の友達が受かっているのに自分は受かっていないと、結構鬱になります。
お互いのために、静かに合否を待ちましょう。
また、原則4月15日までに全ての大学院に入学・辞退の意思表示を行います。
もし4月15日までにどの院にも受からなかった場合、もし空きがあればウェイトリストに載せてくれる大学院もあるので、辛抱強く待ちましょう。
【オープンハウス(3〜4月)】
通常、合格した生徒のためにオープンハウスが開かれます。
アメリカからの旅費・滞在費はほぼ全て大学院持ちなので(日本から来る場合はまた違うと思いますが)、気楽にキャンパス訪問ができます。
私は新型コロナウイルスの影響で全てのオープンハウスがオンラインとなってしまいましたが、普通ならこのオープンハウスで学科の雰囲気とか土地の過ごしやすさ、同期となる人達との相性を見ることができます。
現役大学院生の雰囲気や経験談などを聞いて、自分がその大学院に合うかどうか見極めましょう。
こんな感じで、大学院受験が終わります。
学部受験と比べて思ったことは、
👍運もあるが、学部と比べて能力が結果につながりやすい
👎合否通知が合格順に来るので、1−2ヶ月は精神状態が不安定になる
です。
特に合否を待つ間は、メールをチェックする時間帯を決めて1日の行動を制限しないと、どんどん負のスパイラルに落ちます。
個人的な院受験の様子や詳しいアドバイスは次の記事にでも書きたいと思います。
