40代会社員。
田舎育ち、東京暮らし20年目。

だんなさんと電車大好きぼっちゃまニコニコ
(2020年生)の3人家族。

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念願かない?、図書館から徒歩1分に居住中。

本の話題を中心に
暮らしのなかのうれしい・楽しいの記録。
ぼっちゃまの影響で、電車率が高めバス

 

3連休初日。仕事も休み、お母さんもお休み。ぼっちゃまはだんなさんにおまかせして、一人で新宿へお出かけ。気になっていたこちらの展覧会へ。

 

■「中村屋の中村彝」中村屋サロン美術館 開館10周年記念展

 

なぜこちらの展覧会が気になったのか?といえば、以前から相馬黒光(中村屋創業者の妻)に興味がありまして。黒光は、荻原守衛の傑作「女」の心情的モデルと言われている人。この「女」のブロンズ鋳造像がこちら美術館の至宝。企画展とあわせて、一度実物を見てみたい。

 

■こちらは、重文指定になっているオリジナルの石膏像

 

展示室入ってすぐに「女」の像。手を後ろに組んだ苦し気なポーズなのに、顔をすくっと上にあげた感じは強い意志を感じる。やや高い台の上に置かれていて、私の身長では顔の表情は見えないのが残念。でも、さまざまな昔、文献で読んだ黒光のイメージと重なる。

 

そして、今回の企画の中村彝の作品。私の好きなのは、彝が相馬家裏のアトリエに暮らしはじめ、不在がちの父親に代わり、子どもたちのよく相手をしていたというころの、相馬家の兄弟姉妹たちを書いた作品群。そのなかでも、俊子の肖像の中では初期作?、習作とあった俊子像の優しい感じの雰囲気は、特に好き。逆に、展覧会のメインビジュアルになった俊子像や、相馬夫妻との確執の原因となった俊子の裸体像は、絵の中の俊子の存在感がこちらに迫ってくるようで、長くは見ていられない。これらの絵は、俊子と恋愛関係になったころの作品?

 

俊子と離別後、中村屋のアトリエを出て以降の作品、盲目のロシア人の肖像や、静物・風景画は、また一転して静かな世界。懸命に絵を描いて生きた人の心情に、その作品群の並びが重なって、画家への悲哀を感じた展覧会でした。