中学に進んでまもなく、
どうしても学校へ足が向かなくなった
少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、
西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、
つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、
何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
図書館のヤングアダルトコーナーから。
中高生くらいの頃に夏休みの感想文用に
読んだ気がするが…、どんな内容だっけ?
気になったので、借りてみた。
司書さん、ヤングではなくすいません。。
あれ、こんなお話だったっけ?
イメージは、ひと夏くらいの期間のお話で、
おばあちゃんとのやり取りももっとスピリチュアル方面に
深く踏み込んだ内容、
まいの自然の中での体験ももっと「超自然的な」ものだと思っていた。
私、きっといろんな小説の内容をまぜこぜにしていたのかな??
イメージより、ずっとライトなお話でした。
それが悪いわけではなく、読後感はすっきりとして、なんだか明るい。
「魔女」は、魔法使いではなく、愛情深い一人のおばあちゃん。
孫のまいに問題に立ち向かう術として教えたのは
むずかしい「魔法」ではなく、自分のうちにある心の整え方。
本来は誰もが持っていて、誰でもあつかえるもの。
でも、あつかいが難しいもの。
本編ではないが、この本に収録されたいた掌編「冬の午後」の
気になった個所。
我が子にもしその時が来たら、また、昔の自分にも
こう声をかけてあげたい。
「傷つくのは仕方がないです。
まいはそういう『質』なのだから、
そのことをあきらめないと仕方ないです」
…
「どんなことが起こっても、
『こんなことは私の致命傷にはならない』って、
自分に言い聞かせるんです。
そうすれば、そのときはそう思えなくても、
心と体のどこかに、むくむくと芽を出す、
新しい生命力の種が生まれます」
